沖縄・宮古島へキハダマグロを狙いに行ってきた。今回は島唯一の乗合船から出船。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・前島宣秀)
宮古島でキハダ狙い
日本屈指のリゾート地である宮古島、世界トップレベルの紺碧の空と宮古ブルーと呼ばれるその海では、キハダマグロをはじめ、GT(ロウニンアジ)、沖縄三大高級魚など、一年を通じて狙えるターゲットもその魅力であるが、なんとこの海にキハダマグロの乗合船があった。

手ぶらOKの「栄真丸」
宮古島に魅せられた栄真丸の鈴木船長は、東京からの移住組であり、都会の釣り事情を熟知している。宮古島漁業集落(76世帯)の代表、行政(宮古島市や沖縄県)と一緒に、漁業活性化の活動を実施されている。
宮古島ではたくさんのチャーター船はあるが、この海で気軽に大物、マグロ釣りができないものか…と始めたのが乗合船だった。日本全国から訪れる釣り人は、口コミやその優しい人柄へのリピート客が多数を占めているのも納得できる。

船体後部に食料用大型クーラーが置いてあり(もちろん氷入り)、お弁当と飲み物だけ持参すれば、あとは全てが揃っている。
レンタルタックルはマグロ用竿に最新型のシーボーグ1200MJと充実。船長特製仕掛け、エサはもちろん、釣れた魚は中乗りの堀金さんが神経締め、血抜きをていねいに行い、船体下にある大型氷水庫の中で保管してくれ、至れり尽くせりである。
最大の敵は爆風予報?
WINDYやGPVなど海上の気象予報とにらめっこするも、何を見ても爆風予報の毎日、「真っ赤だよ」は魚だけにしてもらいたい。11月というのに時化続き、おまけに台風も来ている中、釣行当日の一日だけはナギ予報だが…。釣行前日は釣果予測で漁協の競り見学に行ったが、漁場が荒れており30㎏級が2尾と深場の魚が数尾だけの貧果であった。
予報通りというか、奇跡的に釣行当日はウネリもなく好天のナギ。翌日から再びの爆風を振り返ると嵐の前の静けさなのか、出船できた喜びと大釣りをみんなで祈願した。夏場の訪問時には南のパヤオであったが、今回向かったのは、北側第二パヤオ。

同船したのは札幌の古川さん、埼玉のMさん、そして東京から筆者の3人。相かわらず全国からの猛者が集まり目的地まで釣り談議に花が咲く。
パヤオとは深海1000m以上から人工的に作り上げられた浮き魚礁である。そこに魚が集まる海の駅のような物だ。パヤオには表層、中層の2種類あり、表層パヤオには安全灯が付いている。宮古島には県所有のパヤオが18基ある。
マグロ釣りタックル
当日のミヨシは筆者で、ゴウインブル175HHにシーボーグ800J、胴の古川さんは同じくゴウインブル175HHにシーボーグ1200MJ、埼玉のMさん、大ドモの船長はレンタル一式での釣り開始。

まきエサは、食用ふすまにカタクチイワシを混ぜたものを使い、さしエサはこの時期、同じカタクチイワシを使ったが、時期によってはキビナゴが用意される。

仕掛けはハリスがナイロンライン50号7m、ハリはカイザータマン24号、オモリは150~200号が基本である。夏、魚が表層にいる場合は、完全フカセ釣りで狙うケースもあるが、この時期は水深100~150mであり、ご当地の釣法であるパラシュート仕掛けで狙う。
パラシュート仕掛けとは
目的のタナまでエサをそのまま沈めると、カツオやシイラなどのゲストに狙われる。そのため、パラシュートと呼ばれる厚手のビニール袋にまきエサと一緒に仕掛けを入れ、タナに届いたら竿を振り上げると一気にまきエサが撒かれる効率的な仕掛けである。

仕掛けは5本の指を広げて、親指と小指に8の字で巻いて、コマセを詰め、その上に仕掛け、さらにまきエサを乗せ、ハリを乗せてまた軽くまきエサを詰めておくことで糸絡みが大幅に解消できる。

一投目から大物45kg!
船長の「巻き上げて」の合図で自分の仕掛けを巻き上げると、古川さんの竿が大きくしなった。どうやら巻き上げ時に起きたエサの変化に食いついたようだ。聞けばタナは120m。80m付近で船長がマグロリングを投入、難なく30m付近まで上がってきたが、そこから攻防が本格的になった。
一進一退、ラインを引き出されながら20mを切ると、今度は船体のウインチで巻き上げ開始。最後は急所を突き、舷門(げんもん)を開けて船へと船長、中乗りの堀金さん2人で引き上げた。デカい!

筆者に大物がヒットするも…
数投した頃、船長から「100~150mに反応があるよ」とアナウンス。150mで待っていると、ようやくニヤリ。竿先の違和感からPEラインが80mほど引き出された。竿に伝わってくる重さはかなりの大物、「50kg超えだ」と巻き上げるも、180mラインから一向に上がってこない。ドラグも熱くなりはじめ海水をかけながら、早めのリング投入すること30分、急に竿先が天を向き痛恨のブレイクであった。
その後、船長に大型シイラが釣れたほか、本命は2kgクラスは上がるものの大物に誰も出会えず終了時間、帰港となった。やはりこの時期のマグロは難しい。
魚は切り身にして発送
有料ではあるが、プロの魚屋さんが出張して魚を捌いてくれ、釣果の処理に困ることはない。

栄真丸では、今回出かけたパヤオでのキハダ釣り以外に、春先のカジキトローリング、ムロアジ泳がせ、多良間島までの1泊遠征で大物、底物などできる釣りは多彩だ。来年こそは50㎏オーバーをゲットしたい。
<前島宣秀/TSURINEWS・WEBライター>
▼この釣り船について栄真丸
出船場所:沖縄県宮古市
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