サビキ釣りは初心者でもお手軽・簡単に魚が釣れてしまう釣りです。しかし、手順を整理して釣果向上策を考えると奥深く、やり込み要素が多い釣りであることがわかります。

(アイキャッチ画像提供:WEBライター・篠原陽)

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サビキ釣りの釣果をアップ

知らない人はいないかもしれませんが、サビキ釣りとは複数の釣りバリと寄せエサ(コマセ)カゴを基本とした比較的単純な仕掛けを用いる釣り手法です。使用するサオも、ノベザオ、ルアーロッド、ちょい投げ用のサオなどなど、様々な物を用いることができます。

また、このような仕掛けを用いるため、海域ではアジ、サバ、イワシ、淡水域ではワカサギなど群れで回遊する魚の数釣りを楽しめます。そのため、初心者でもお手軽・簡単に釣果を期待できる訳です。

しかしながら、自然の野生動物を相手にしているという不確実性から「全く釣れない……」なんてこともしばしばあります。

そこで、このような事態を極力回避しつつ釣果を向上させるため、サビキ釣りにおける釣れるまでの手順を整理し、それぞれの段階での釣果向上策を考えたいと思います。

初心者でも簡単「サビキ釣り」釣果向上法 4つの手順を理解しよう
手順を整理し釣果アップ(提供:WEBライター・篠原陽)

手順1:魚を寄せる

当たり前の話ですが、魚がいないことには釣果も期待できません。予め他の釣り人が魚を寄せている状況なら話は別ですが、そうでない場合は一から自分で魚を寄せる必要があります。一般的な魚の行動特性として、ニオイ、音、光に反応して集まると言われています。効果範囲としては、ニオイ、音は遠方まで、光は水中では減衰しやすいので近距離であると考えます。

ニオイ=コマセ

特にニオイは、サメ類が数km先の血のニオイをもとに探餌したり、サケ科魚類が海洋で数千キロ旅をした後に、自分の生まれた河川の特有のニオイ(アミノ酸組成)を識別して回帰するなど、はるか遠方まで影響します。そのため、ニオイ・音で遠方から魚を集め、光で仕掛けまで魚を誘導するというイメージです。

ニオイはエサのニオイ=コマセを用います。コマセは一般的に用いるオキアミのみではなく、市販の集魚材、ニンニク、酢、などを混ぜると、よりニオイが強くなり集魚効果が上がると考えられます。また、コマセで魚を寄せる時は、流向を確認した上で遠いところから段々と仕掛けに近づけるイメージで投入しています。

下の写真は筆者が用いるコマセの内容です。aは市販の集魚材、bはオキアミにニンニクと酢をいれたもの、cは米糠であり、これらを海水と混ぜて使用しています。

初心者でも簡単「サビキ釣り」釣果向上法 4つの手順を理解しよう
筆者が用いるコマセの内容(提供:WEBライター・篠原陽)

音で魚を寄せる

音に関しては、筆者はブラスシンカーとビーズを仕掛け上部に付加し、シャクることでこれらがぶつかる音(カチカチ音)を出して誘っています。ただし、音は魚の注意・興味をひくことで寄せると考えられるので、使い続けると警戒・逃避される原因になると考えられます。

初心者でも簡単「サビキ釣り」釣果向上法 4つの手順を理解しよう
音で寄せるシステム(提供:WEBライター・篠原陽)

視覚に訴える方法

キラキラする光は魚のウロコの反射光に似ており、仲間が集まっている=エサがあると判断する指標になること、および注意、興味をひくことで魚を集めると思われます。この効果を得る方法としては、キラキラと発光する集魚板を仕掛けに付加することが挙げられます。

下の写真は筆者が用いている集魚板です。筆者はペットボトル、100円均一のホログラムシールで集魚板を作成して用いています。市販の金属製の物に比べて安価、かつ錆びることなく使用し続けることができます。

初心者でも簡単「サビキ釣り」釣果向上法 4つの手順を理解しよう
筆者が用いている集魚板(提供:WEBライター・篠原陽)

なお魚種によって視覚特性が異なること、および海況、気象条件によって見えやすい色が異なるので、集魚板は数種類の色、大きさを準備して状況に応じて使い分けることが必要です。また夜釣りの場合は、ケミカルライトなどの発光体を用いることでも注意、興味をひくことができます。

手順2:魚に食わせる

次に手順1で寄ってきた魚を、いかにして食わせるか=ハリ掛かりさせるかを考えることが釣果向上のために必要だと考えます。ここで重要なのは、魚の摂餌のスイッチを入れる、または入れたままにすること、およびハリ掛かりした魚のバラシを減らすことです。

摂餌スイッチを入れる

魚の摂餌スイッチを入れる、または入れたままにするには、適度にコマセを使うことが有効だと考えます。ただし、過度に投入した場合は、食べ飽きる可能性があるので注意します(魚は満腹中枢神経がないと言われているので、お腹いっぱいと感じて食べなくなる訳ではないのでしょう…)。

また、サビキバリが疑似餌バリ(スキンサビキなど)を使っていた場合にも、見切られて摂餌スイッチも切れる可能性があるので、状況に応じてトリックサビキ(オキアミを付けて使用するサビキバリ)と使い分けるといいと思います。

ただし、トリックサビキの方がエサをつける作業がある分手返しが悪いので、釣れ続けている状況なら疑似餌バリを使い続けた方が釣果は向上します。

バラシを減らす

また、魚がせっかくハリ掛かりしてもバラシが多いと警戒されてしまい、摂餌のスイッチが切れてしまう可能性があります。バラシ要因の一つとして、対象の魚の口の大きさとサビキバリの大きさが合わず、ハリ掛かりが甘くなることが挙げられます。そのため、釣り場には数種類の大きさのサビキバリ(筆者は4号、8号の2種を準備)を持参し、寄ってきた魚の大きさに応じて使い分けています。

なお、製品によってはハリ先の精度=先端の尖り具合が甘いことから、ハリ掛かりが浅くなることもあります。ですので、購入前にはハリ先を確認して粗悪な製品を避けるか、購入してしまったものでもフックシャープナーなどでハリ先を研いでおくことで改善できます。

初心者でも簡単「サビキ釣り」釣果向上法 4つの手順を理解しよう
サビキ釣りアイテム(提供:WEBライター・篠原陽)

手順3:魚を留まらせる

釣果を向上する=釣り続けるには、寄ってきた魚を散らさずに留まらせる必要があります。魚が散る要因としては、食い飽きる、警戒されるなどが考えられます。そのため、手順2と同様の方法ですが、適度なコマセ投入、バラシを少なくするための対策を心掛けます。

手順4:釣れない・釣れなくなったら

これまでの対策を講じた上でも釣れない、もしくは釣れなくなってしまったら、岸際から離れたポイントを狙うのが対策の一つです。その方法としては、サビキ釣りを応用した、ジグサビキ、投げサビキ(ウキサビキ)などが挙げられます。この方法だと、人を警戒して岸際に近寄らない魚もターゲットにすることができます。また、水深が深いポイントを回遊する大型の魚もヒットする可能性があるので、ハリの大きさ、ハリスの太さには注意が必要です。

まとめ

紹介した釣果向上策を講じた上でも「時合い、マヅメ時」という、釣り人が掌握できない自然現象による「釣れる条件」も存在します。ただし、これまでの対策を講じることで「時合い、マヅメ時」のチャンスを少しでも長くすることは可能であると思われます。

上述内容のように、いかにして釣果を向上させるかということを考えると、その方法も非常に多様であり、お手軽・簡単なサビキ釣りでも非常に奥が深いことがわかります。また、それぞれの対策内容もまだまだやり込む要素もあると思いますし、全く異なる別の対策も存在するはずです。

このように、いかにして魚を釣り、釣果を向上させるかという考えにふけるのも、釣りの楽しみの一つだと思います(釣果0の釣行回は、こういった考えにふけっていた時間が一番楽しい時間になることもしばしば……)。

最後に、これまでに紹介したサビキ釣りの釣果向上策は筆者の自論も含まれているため、机上の空論である可能性も否定できません。そのため、次回はこれらの釣果向上策を用いた釣行を報告したいと思います。

<篠原陽/TSURINEWS・WEBライター>

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