オモリ部分がタングステンになったジグヘッド「TGヘッド」。ライトゲーム界の革新的アイテムだ。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・井上海生)
タングステン製のジグヘッド
釣具界でナマリ部分をタングステン化する動きは、数年前から、主にメタルジグにおいて見られた。特にショアジギングでは、シルエットがコンパクトになるTGメタルは飛距離が大きく向上するという、絶大なアドバンテージがある。そしてマッチ・ザ・ベイトとは言うが、大体どんなルアーも、少し小さいくらいの方が魚の口に入りやすいものだ。
また、船のジギングにおいて、TGメタルを使うことで、狙える魚種が増えたという話も聞く。小さめのシルエットでしっかりと深場でもアクションできるので、イサキのような口の小さな魚も、ハリがかりしやすくなったそうだ。
とにかく、ナマリ部分が小さくなることのメリットは大きい。まず同一重量でも通常のナマリより飛距離が出やすいという面、そして小さめのシルエットによりルアーやセットするワームのナチュラルアピールに繋がり、より自然に魚に口を使わせられるのだ。
TGヘッドのアドバンテージ
タングステンのジグヘッドを、一度ご覧に入れよう。

同一重量のジグヘッドと比べて、コンパクトに収まる。ちなみに、この製品は断面部にほどよい抵抗を感じられるようなカッティングが入っており、これによって水中の水受けがよくなり、操作感向上に繋がっている。

このようにコンパクトシルエット化されることにより、アジング用のジグヘッドは次の5つのアドバンテージを手にする。
1. 飛距離向上
まずはこれだ。飛距離が伸びる。筆者の印象では、メタルジグのTG版のように劇的に変わる感じではないが、「ひと伸び」は確実にする。
また軽量のジグヘッドでも飛距離が向上することで、これまでアジングのジグ単でもっとも難しいとされていた、遠方の表層を攻略しやすくなった。これもひとつの革新である。
2. 魚の口に入りやすい
おそらく従来のジグヘッドは、特に重いものになると、アジのような弱々しい吸い込み系のバイトを出す魚の口には、そのナマリ部分の物感自体が妨げになっていたのではないだろうか。私は先日、このTGヘッドで豆アジングをしてきたが、このヘッド、ほとんど豆アジ専用ジグヘッドに勝るような仕事をしてみせた。
3. 爆風に対応できる
風があるシチュエーションでも、コンパクトなシルエットのタングステンヘッドなら、キャストが決まりやすい。風速4m以上のシビアコンディションでも、アジングができる。
4. 高活性に効果的
水中での沈下速度が早くなるので、アジがファストな動きに盛んにアタックしてくる高活性時に効く。
5. ワームバランスがナチュラル
0.5gのヘッドに1.5inch級ワームと組み合わせると、このように非常に自然な感じのするリグに。これは魚の目に「異物感」を与えないはずだ。

TGヘッドのデメリット
良いところばかり挙げてきたが、デメリットもないわけではない。
飛距離向上は、きわどいコースに打つときに「かっ飛びロスト」を生みかねない。また、沈下速度が速くなるため、操作感が無いままボトム着底、「根掛かりロスト」も体感的に増えた。「いつもの倍は沈むのが速い」と考え、ラインスラックを回収しアクションする癖をつけたい。
オプションのひとつにオススメ
これからアジングにおいてジグヘッドのTG化は、確実に流行すると私は見ている。すでにこのTGジグヘッドを手に入れてから、昨年のアジの総数を上回る数を、しかもこの真冬の時期に捻り出すことができた。
昨年はアジが渋かったようだが、もしかすると魚がいなかったのではなくて、非常に繊細なアジのアタリをジグヘッドで捉えきれていなかったのかもしれない。
アジンガーはもちろん、すべてのライトゲーマーにタングステンのジグヘッドを超強力なオプションのひとつとしてオススメしたい。間違いなく獲れる数が増えるはずだ。
<井上海生/TSURINEWS・WEBライター>
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