3月の渓流解禁を目前に、今期の釣果を期待しながら各種タックルの手入れとフライタイイングを行ったので、早速フライのテストとルアータックルとの比較釣行に向かった。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター片桐真流)
小菅トラウトガーデンへ
2月23日に山梨県の小菅トラウトガーデンに釣行した。当日の気温は8℃で水温5℃。

小菅トラウトガーデンは、森と清流に囲まれた小菅村養魚場直営のポンドエリア。ルアー・フライ・テンカラがOKで、お洒落なクラブハウスも併設している。ビッグサイズで美味の「甲斐サーモン」が釣れることでも人気のフィールドだ。

目的はタックルの検証
当日のメインの目的は、ルアーのベイトフィネスタックルとフライフィッシングでの釣果比較検証だ。
ポンド型の管理釣り場では果たしてどちらが有効なタックルなのだろうか?

ベイトフィネスとは
ベイトフィネスとは、スピニング用の5gに満たないようなライトリグや軽量プラグをベイトタックルで扱う釣り方を指す。繊細で手返しのよいアプローチができる近年流行りのスタイルだ。
フライフィッシングとは
フライフィッシングとは、軽量なフライ(毛ばり)を重量のあるラインに上手く力を伝えてキャストすることで魚を狙い、西洋がその発祥ともいわれ、フライ(毛ばり)を自作する楽しみもある奥深い釣りスタイルである。

当日のタックル
今回使用したルアータックルは、穴釣り用の60cmロッドに小型のABUタイプベイトリール。ベイトフィネスをさらにコンパクトにした当方オリジナルの「マイクロベイトフィネス」で勝負してみる。ラインは8lbのPEラインにショックリーダーのライン構成を採用した。

このタックル仕様に至った経緯として、山岳渓流や小河川、キャスティングが困難な環境でも限りなくコンパクトにショートレンジでのやり取りが出来ないものか、との思いがある。また、源流釣行やキャンプなどでリュックに忍ばせておけるサイズ感を重視してみた。
フライタックルは、ロッド#3/6P、ライン#3、リールPFLUEGERTRUMP No.576、#12フックをメインで使用。
ベイトフィネスから挑戦
ショートロッドでのベイトキャスティングということで飛距離に不安はあったが、3.5g~程度のルアーであれば15m程度は問題なく飛ばせる感じであった。まずはフライタイイングを活かしたファイバー系自作ルアーでスタートしてみる。

中層を引いて狙ったり、ボトムアクションで誘い攻めるが、レギュラーサイズのニジマスにはルアーサイズがやや大きくて違和感しかないのか、興味を示して甘噛み程度の反応であった。

ファーストヒットは甲斐サーモン?
ポンドの淵、浅めの流れ出しで何度か誘いを入れると……ググンッ!と強烈な引き!魚も人の釣り気配を察知しているのか、こちらが気を抜いた時に限って「アタリ」というものはあるものだ。
ショックリーダーにテンションがかかり、そのままラインがブツッ!と切られた……。ロッドに残る感触とサイズ的に、これが「甲斐サーモン」の引きごたえだろうか。

ラインブレイクはしたものの、口を使ってくれる魚のサイズ感が分かり、ライン結合部に課題があるがマイクロベイトフィネスでそれなりサイズのトラウトでも十分やり取り可能なことが実証出来たことが成果であった。
その後、ルアーを小型のブレイド付きフロッグタイプに変更してレギュラーサイズのニジマスを無事釣りあげて「タックル入魂」を果たすことが出来た。
フライフィッシングへ転戦
先程の甲斐サーモンとの惜しいやり取りから流れを変えるべく、フライフィッシングへ転戦。当方の鉄板フライ「ビーズヘッドイエローニンフ」で魚影にアプローチ。
常食しているであろう違和感の少ない水生昆虫サイズに興味を惹く蛍光カラーで早々にバイトがあり、良型サイズのニジマスが上がり一安心。誰しも経験があると思うが、どんな釣りでも「ボウズ」で終わるのと「1本上げる」のではその日の気分が全く違うものだ。

偏光グラス越しに水面を隈なくチェックしていると時折ライズがあるので、やはりここはドライで出したい。フライ(毛ばり)を黒系ソフトハックルに変更、寒さの残る解禁前の2月でも水面(トップ)まで捕食に来るトラウト達ににテンションが上がる。自然に漂うフライに良型が何度もヒットした。
最終釣果&検証結果
当日の最終釣果(11~16時)は強風の厳しいコンディションのなか、何度かバラシもあり、ニジマス8匹であった。
フライフィッシングでのフックサイズは#12、水面に張り付く感じのソフトハックル、興味を惹くゴールドイエローニンフ共に、虫ぽいモシャモシャ感やフワッと感は魚にとって違和感は少ないようで、周りのフライマンとルアーマンを観察してみたが、どちらかと言えば数釣りではフライ有利に見受けられた。
マイクロベイトフィネスでもライン結合部などシステムをしっかり組めば十分勝負が出来ることが分かった。ルアー飛距離も思っていたレンジまで投げられたのでバックラッシュに注意すれば問題はなさそうだ。

ルアーやスプーンで攻めている釣り人を見ていたら、アタリ回数はフライに比べ少ないものの、時折ビッグサイズが上がって盛り上がっていたので、大物狙いであればルアーアクションの誘いに分がある感じであった。釣果傾向としては、フライもルアーもそれぞれ良さがあるといったところだろうか。
今後もフライフィッシングを中心に釣果報告に併せて、タックルの選定、自作フライ紹介、フライフィッシング考察などをフィールドガイドと共に皆様にお届けしていきたい。
<片桐真流/TSURINEWSライター>
▼この釣り場について小菅トラウトガーデン
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