トンジギは三重県の志摩沖が有名で、関東のアングラーが挑戦するには「遠征」になってしまう。しかし、比較的挑戦しやすい南伊豆でトンジギができるのをご存じだろうだろうか。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター古谷健太)
ビンチョウマグロ狙いのトンジギ
トンジギとは、トンボ(ビンチョウマグロ)ジギングのことで、ビンチョウマグロは長い胸鰭を持つことからトンボと呼ばれ、中でも繁殖能力を持った大型のトンボを「タネトン」と呼ぶ。
トンジギと言えば三重県の志摩沖などが有名で、私のような関東在住の人間にはそう簡単に挑戦できる距離ではない。しかし、トンジギが好調という情報が様々なところから入ってくる中で、なんと南伊豆から出船する船からも情報が入ってきた。しかも釣果が志摩沖などと比べても遜色がない。

船宿の釣果を見ていると、かなりの高確率でマグロゲットを果たしているアングラーが多く、初挑戦でもしっかりと釣果を上げている姿も見受けられる。
黒潮の時期
ビンチョウマグロは、キハダなどの他のマグロと同じく黒潮に乗って回遊する。この黒潮の蛇行によって、夏には相模湾の中にキハダマグロが入ってくるが、冬から春にかけては南伊豆沖辺りをビンチョウマグロにとって良い水温の黒潮が通っており、かなり大きな群れが入っているとのことである。
例年、南伊豆のトンジギは1月から2月頃から始まり、3月に最盛期を迎え、4月くらいまでが釣期である。黒潮の機嫌次第ではあるため、年によっては短くなったり、長くなったりとなる時もある。釣れている情報が入った時は早めの釣行がおすすめだ。
南伊豆トンジギのタックル
タックルについてだが、ドテラ流しで狙うことになるため、船が風を受けてジグがどんどん流されていく。そこで、300gくらいのジグを基準にさらに重いジグを使うこともあるため、その重さに対応できるロッドが必要だ。
ロッド
マグロが相手だからと言ってガチガチのパワータックルを持ち込む必要はなく、青物を狙うタックルやスロージギングのタックルで十分だ。
ライン
使用するラインはPEライン3~4号となり、これを300m巻けるリールがあれば大丈夫である。
リーダー
リーダーにはフロロカーボンラインの40~60lbを長めに10mくらい結束するといいだろう。
ジグ
ドテラ流しで船が風を受けてどんどん流されるため、300gのジグを基本として、船の流され方や道糸の角度によってさらに重くしたり、軽くしたりすることになる。ビンチョウマグロのエサとなっているのは、20cm以上あるイワシやイカであるため、ジグのカラーを選ぶ際に参考にして欲しい。

まずはベイトタックルで
ビンチョウマグロはフォールに反応することが多い。そのため、ベイトタックルの方がフォールのアタリに即応しやすく、まず1タックル新調して揃えるのであれば、ベイトタックルから揃えるのがおすすめである。
タナは数十mの幅で指示されるため、広いタナをスピーディーに探ることを考えるとスピニングタックルもあった方がいいだろう。ドテラ流しでラインが斜めに入っている時は、横引きしやすいスピニングタックルの方がいいかもしれない。
南伊豆トンジギの釣り方
ビンチョウマグロはかなり大きな群れで回遊しており、いつ船の下に入ってくるか分からない。そのため、釣果を上げる最大のコツは「休まない」ことである。船で誰かにヒットすると立て続けに他の竿が曲がることが多いのがトンジギの特徴である。この回遊のタイミングを逃さないようにすることが大事である。
あとはヒットした人に何mでヒットしたかを聞き、すかさずそのタナを狙うといいだとう。自分がその流しでファーストヒットだった場合は、何mでヒットしたか叫ぶのも親切かもしれない。
ルアーアクション
基本的には大きめのワンピッチジャークで誘うのがいいだろう。ジグにかかる力が抜け、ジグが落下する瞬間にヒットすることが多いので、ワンピッチジャークの中でたまに大きめのフォールを入れたりするのも効果的だ。その日その日のパターンがあるので、ワンピッチジャークでアタらない時は色々試してみてほしい。
フォール中も注意
ビンチョウはジグのフォール中にアタることが多い。落下していたはずのジグがいきなり止まってイトがふけるようにアタリが出るので、すかさず強めにアワセを入れよう。フォール中も油断せず、ジグがタナに入っている間は気を抜かずに構えておこう。
ドテラ流しでのタナ取り
ドテラ流しの場合、船がどんどん流されるためラインが海中に斜めに入っていくことになる。例えば水深100mから狙おうとして、ラインを100m出した場合、ラインが海中に45度の角度で入っているとラインで100m出してもジグは深さ約70mにしか沈んでおらず、狙ったタナに届いていない。
数学が得意だった方は三角比を頭に思い浮かべてもらうといい。もしあまりにも斜めにラインが入ってしまう場合には一度入れ直した方がいいだろう。
トンジギを楽しもう
マグロに挑戦できる機会はなかなか多くなく、特に私を含めた関東圏の方は夏から秋の相模湾や外房、そうでなければ遠征という選択肢になると思うが、冬から春にかけて好釣果の望めるトンジギも選択肢に入れて頂きたい。

<古谷健太/TSURINEWSライター>
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