虫エサの中で最もポピュラーなのはアオイソメとイシゴカイだと思うが、そちらは別の機会に触れることとして、今回は高価だが効果も高いマムシ・アオコガネを紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)
マムシ(イワムシ)とは
標準和名はイワムシ。関西ではマムシ、関東ではイワイソメ、その他の地域では本虫などと呼ばれている。
アオコガネとは
近年注目されている養殖ゴカイの一種。体色は深緑で、足が長い。虫エサの中では太く長く、表皮は軟らかいがハリに刺しても耐久性がある。水中で光る成分を有しているとされ、動きがいいので魚によくアピールする。
なお、以前はコガネムシと呼ばれていた虫エサは、アオコガネが注目されるようになってからは、赤コガネとも呼ばれるようになった。

マムシ・アオコガネで釣れる魚
カレイ・アイナメ狙いの投げ釣りで最も効果があるとされているほか、チヌ(クロダイ)・キビレのヘチ・落とし込み釣りにも定評がある。マムシは投げ釣りでのマダイ、アオコガネはブッコミ釣りでのスズキ・ハネ(フッコ)・キビレにもいい。

入手方法
一部地域では、汽水域の岸辺の砂地で採取されるマムシを地マムシと呼んで珍重されているが、アオコガネは完全に輸入品である。いずれのエサもエサ店で購入するのが一般的だ。500円では4、5匹ぐらいしか買えないほどの高額なのが悩ましい。しかし、その分釣果もあがるエサなので、アオイソメと併用するなど、工夫して効果的に使うといいだろう。
エサを入れる容器と砂
エサ店で販売される時は、発泡スチロールのパックに砂(バーミキュライト)をふりかけて売られることが多いが、そのまま長時間放置すると弱ってくる。そこで釣り場に着いたら、ビニールバケツなどに海水を汲んで、その中にエサを移しかえることをお勧めしたい。
エサ店と釣り場との移動時間が短い場合は、砂なしで購入したほうが海水に移しかえる時に好都合だ。海水は適度に入れかえてエサの生きを保ちつつ、エサ箱に小分けして取って使うといい。

長時間生かしておくための注意点
虫エサを長時間生かしておくためには、虫の体表に適温の海水をまとっている状態を保つことがカギとなる。先程触れた海水の入れかえは海中の酸素濃度・水温の両面で効果がある。エサ箱に小分けしたエサも、適度に新鮮な海水に浸け直すと活力を蘇らせることができる。
日差しの強い日は、海水バケツやエサ箱に白いタオルを敷いて日陰に保管することで、容器が高温化しないように気を配りたい。
ハリへの刺し方
最後に、マムシとアオコガネを使う代表的な釣りにおける、エサのハリへの刺し方を紹介する。

ヘチ・落とし込み釣り、ブッ込み釣り
ヘチ・落とし込み釣り、ブッ込み釣りでは、頭の固い部分からハリ先を入れるチョン掛けか、ハリの長さの分だけ虫の体内に埋めてハリ先を出す通し刺しが一般的。
ヘチ・落とし込み釣りでは、ハリ先から下のいわゆる「垂らし」の部分は3~4cm程度でこと足りる。長く垂らしすぎても先の部分だけを食いちぎられて逆効果だ。一方、ブッ込み釣りは、アオコガネを2、3匹一緒にチョン掛けする房掛けにして、垂らしは動き重視で長めにとったほうが魚にアピールする。
投げ釣り
投げ釣りは、30~40m程度までの近投、いわゆる「ちょい投げ」の場合は、先ほどのチョン掛けと同様でもいいが、それ以上の距離を投げる場合は投げる時に針とエサの部分にかかるショックでエサがちぎれないよう、また投げ釣りが持久戦の釣りであることを踏まえて通し刺しにする。
特にマムシの場合は、針の長さ以上に針のチモトを覆うようにたくし上げるように付ける。マムシは動きが悪いので、臭いとエキスはマムシ、動きはアオコガネ(またはアオイソメ)とダブルで魚にアピールする「アオ・マムシ」というハリの刺し方も効果的だ。

<伴野慶幸/TSURINEWSライター>
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