経験談を交え、「子ども連れで行く堤防釣り入門」を紹介。ぜひ、思い出に残る釣行を体験してもらいたい。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 青砥一生)

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情報収集

堤防や港での釣りは、地域と季節によって様相がまったく異なる。まずは行く地域で釣れている魚種と釣り方の情報を入手したい。

【2021】子どもと行く堤防釣り入門 トリックサビキ釣りの道具&釣り方
イワシは手軽なターゲット(提供:週刊つりニュース関東版 青砥一生)

そのエリアの釣具店に電話したり、よく釣行している人のブログやSNSを探すなどするといい。鵜呑みにするわけではなく、参考にする程度にして仕掛け選びなどに役立てよう。

サビキ釣りのタックル

ここで紹介するサビキ釣りのタックルは、私の地元、小田原に合ったもので、春から初夏に有効な例。どこでもとりあえず無難に釣りになると思われるもの。持っていても損はないと思うので、迷っていたらまずはこれ。

竿

オモリ負荷10号、2.1mのパックロッド(振り出し)がオススメ。長すぎず短かすぎず扱いやすい。

港に通うベテランは3.6~4.5mノベ竿を使う人が多い。リールはなく、トラブルの要素が少なく手返しがいいが、慣れない人には逆に手返しを悪くする。オモリが軽いので、意外と仕掛けを絡ませる。こういった点が、前者を勧める理由。

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竿は扱いやすい長さのものを(提供:週刊つりニュース関東版 青砥一生)

さらに、この竿だとキス天ビン使用のチョイ投げにも対応できる。

岸壁際を胴突き仕掛けで探っていくのもいいだろう。1.8mでもいいが、ハリ数の多いサビキ仕掛けを扱うには若干短い。堤防によっては岸壁に海藻が付いていて、この長さではやりづらい。30cmの差ではあるが、格段に使いやすいはず。

リール

リールは小型スピニング。堤防のサビキ釣りでは安価なもので構わないが、質のいいものであれば、船や管理釣り場でも使えるので、ここは中級クラスを選びたい。

イト

ミチイトは太さより絡みにくさを重視。竿とセットになった安価なパック物は、イトぐせのあるナイロンラインが巻かれていることが多く、初心者が買って後悔しやすい。

そこで巻き替えたいのがPEライン2号。この釣りでは1号でも0.5号でも十分だが、2号だとイトの重さがあって安定していて絡みにくい。この釣りの場合、2号だからといって潮に流されるといった影響は少ない。もちろんナイロンラインやフロロカーボンラインでもいいが、イトぐせのない状態に手入れしておく必要がある。

トリックサビキ仕掛け

熟考が必要なのが仕掛け。10cm以下のイワシなど小魚がメインなら1.5~2号のトリックサビキが有効。アミコマセをハリにこすりつけて使うが、フラッシャーやバケが付いているので、コマセがなくても掛かることがある。

ハリ数は10本がベースだが、慣れない人用に7本の物もある。少ないハリ数から始めるといい。予備も忘れずに。

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初めは少ないハリ数の仕掛けで(提供:週刊つりニュース関東版 青砥一生)

10cm以上のイワシやアジの場合、2~3号となるが、まずは細め・小さめの仕掛けを使って魚の反応を探るほうが釣果を伸ばしやすい。オモリは5~10号。軽くてもいいが、魚が掛かって暴れるとオマツリしやすい。

釣行アイテム

その他必要なアイテムを紹介しよう。

水くみバケツ

コマセを溶かす、手を洗う、魚を活かしておく、釣り座を洗い流すなどで必須。

コマセ置き

トリックサビキ仕掛けの場合、コマセを置いてハリにコマセを付けるとき台にするもの。専用のものはとても便利だが、私は使い捨てができる空き牛乳パックを利用。使用後は軽く洗ってビニール袋に入れて持ち帰る。

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コマセ置きには牛乳パックを利用(提供:週刊つりニュース関東版 青砥一生)

ハサミ・ペンチ

慣れないと必ずと言っていいほど仕掛けを絡ませるので必須。服に掛かった場合、ペンチもあるといい。また、毒のある魚(ハオコゼなど)に掛かったハリを外すときは必ず使うように。

タオル

使い捨てのウエットティッシュも有効。

ビニール袋

ビニール袋はあれば何かと便利。ゴミをまとめる、コマセのついたものは袋にいれておく、魚を入れるなど、忘れてはならない。

クーラー&氷水

イワシは足が早い魚なので、しっかりとした保冷が必要。クーラーはもちろんのこと、氷も忘れずに。小型は腹が薄く、雑に扱うと破れてしまう。海水氷を作って、チャック付きビニール袋に魚を入れるといい。

トリックサビキの釣り方

釣りの動作自体はとてもシンプル。下にオモリを付けて、仕掛けを張った状態でコマセをこすりつけて投入、アタリを待つだけ。オモリを底に着けた状態や宙層、水面直下など、タナをこまめに探る。

水面近くに小魚の回遊が確認できれば狙いめ。大群になって泳ぐ群れや水面直下のものがエサに反応することは少ないが、こうした魚が通ったあとは、エサに反応する魚たちがくることが多い。周囲の人の釣れ具合も参考に。

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これだけの群れを見つけられればチャンス(提供:週刊つりニュース関東版 青砥一生)

群れが寄っているならコマセなしでも構わないが、仕掛けに付けるほか、コマセを少しずつまいて魚を寄せることを心がけよう。少なくとも1時間はやってみて、まったく釣れないなら違う釣りに切り替えたほうが賢明。

動作が単純なぶん、釣果の要になるのが手返し。仕掛けを絡めることなく、チャンスタイムにいかに数を伸ばすか。利き手側にコマセをセットし、手前マツリしないように釣り座を整えることが大切。もし風が吹いているなら、風下側にコマセをセットするといい。

魚が掛かったらすぐに上げてもいいが、慣れてきたら掛けたままにして待っていると、ほかの魚が寄ってきて多点掛けになる。ヒットしたタナを覚えておいて集中して狙う。

美味しい食べ方

魚を持ち帰って美味しく頂くのも醍醐味のひとつ。

生食・酢漬け

砕氷で作った海水氷で絞めて、保冷をキープして持ち帰ろう。

生食に飽きたら酢漬けに。

頭と内臓を取って塩水で洗い、全体に塩をまぶす。15分たって皮がしなっとなるくらいしっかりまぶすことで身崩れしにくい。塩を洗い流し、15分水に漬けて塩抜き。水をきって酢に漬けて1~6時間ででき上がり。6時間ほど酢に漬ければ、1週間くらいは日持ちする。

空揚げ

10cm以下が揃ったら空揚げが美味。ウロコ取りや頭、内臓の除去も不要で、ていねいに保冷されていれば内臓が破裂していない美しい姿揚げに。

ボウルに水を張って水洗いし不要なダメージを避ける。優しく扱えば扱うほど美しくできる 水洗いしたら10分ほど酒に漬け、水分を拭き軽く片栗粉を振る。水と薄力粉を合わせてトロッととした衣で揚げる。

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天ぷらも間違いない美味しさ(提供:週刊つりニュース関東版 青砥一生)

油の温度が重要。ベストは180度。

低いとサクサクに仕上がらない。「高温短時間」のイメージで。たくさん揚げるなら油の温度を計りながら行うといい。小さい魚ほど、絶対に市場流通はしないので、プライスレスなグルメといえよう。

<週刊つりニュース関東版 青砥一生/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース関東版』2021年5月7日号に掲載された記事を再編集したものになります。

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