産卵前で気難しいが大型のメジナを狙いに、西伊豆は田子の沖磯へフカセ釣りに出かけた。狙いは50cm超え。

果たして結果は?

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター塩田哲雄)

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産卵前のメジナ

口太メジナ釣りシーズンの中で最も型・重量ともに狙えるのが、産卵前の1~3月(水温等、海の状況によっては4月ごろまで)だ。この時期に釣れるメジナは身も厚く、オスのお腹には白子、メスは真子を持ち、40cmに満たないサイズでも1kgを優に超える魚体も珍しくない。

静と動の釣り

当然産卵を前にしたメジナは警戒心が一層強くなっているのと、海水温も季節的にまだ低いのと安定しない時期でもあるため、さしエサを食わせることが難しい。アタリの出方も水温が高い時期の高活性期とは異なり、サオ先まで一気にくるアタリは稀で、わずかにミチイトがスッと真っ直ぐに張るとか、穂先を数cm曲げるようなアタリが多くなる。

しかし、そのわずかなアタリを捉えた瞬間、小さなアタリからは想像できないほどの強烈な引きが待っている。産卵期のメジナのほとんどが潮の中ではなく、根周りで食わせることになるため、ミチイトやハリスが根ズレで切られないように竿を上手く操作する必要がある。

食わせる技術、取り込む技術、全てが揃って大型のメジナを手中に収められるのだ。まさに静と動の釣りがこの時期のメジナ釣りと言っても過言ではない。

田子で50cm超えを狙う

毎年、自己記録更新狙いと大型の引きを堪能したくて、伊豆半島へ通っている。今回は天候に恵まれて西伊豆の田子に釣行できた。タイミング的には数日前に発達した低気圧が南岸を通過したので、釣行した3月24日は行けるかどうか心配であったが、どうにかウネリも収まり、船長からゴーサインが出て一安心。

渡船は田子港の福由丸。出船時間は6時。港には5時過ぎには着けるように、途中食料とエサを購入して向かった。田子では一昨年47.2cmを釣り上げているので、今年は久しぶりに50cm超えをと熱い気持ちで乗船した。

沖磯で産卵前のメジナに挑戦 狙いは大型50cmオーバー【静岡・西伊豆】
田子の磯風景(提供:TSURINEWSライター塩田哲雄)

「陸ナカ」へ渡礁

上がった磯は田子沖にある雄島の陸ナカ。釣り座は仲間内なら2人、単独ならば一人でじっくり狙いたい小場所のポイント。地形的には細長く低い足場で、水深は全体的に浅く、磯の周りは沈み根が点在し、根と根の間を静かに狙うこの時期には打ってつけの大物場。初めて上がる磯であったが岡部船長の勧めで渡礁した。まずは磯全体を見て回り、釣り座になりそうなポイントを確認した。予想したよりも根が非常にきつい。

当日のタックルとコマセ

組んだタックルは、竿ががま磯インテッサGⅤ1.25号5m。リールが2500番レバーブレーキタイプにミチイト2号。ハリスはトヨフロンスーパーLEX2.5号。ウキは塩田ウキMG4号。ハリがA1一刀グレ6号。

沖磯で産卵前のメジナに挑戦 狙いは大型50cmオーバー【静岡・西伊豆】
当日のタックル(作図:TSURINEWSライター塩田哲雄)

まきエサは、オキアミ6kg、グレパワーVSP2袋とグレパワー沖撃ちスペシャル1袋。ここはあまり遠投する場所ではないので、海水の量を少し多く入れて軟らかめに仕上げて使った。理由として、硬めに仕上げると着水時に団子状に沈んでしまうが、軟らかめでは着水時からコマセがパッと広がり、表層から底までさしエサの沈下速度と同調してくれる。

エサ取りが少ない時期だからこそ、さしエサとコマセの完全同調が、シビアなメジナの口を使わせるには効果的だ。

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使用した仕掛け類(提供:TSURINEWSライター塩田哲雄)

「溝」を集中的に狙い40cm尾長

一番のポイントとなる場所に釣り座を構えた。小さなワンドで、正面沖左右に沈み根があり、その溝になっている所を集中して狙う。少しサラシがあるため、張り出している根の上に仕掛けをキャストして、サラシの払い出しに仕掛けを乗せて溝の中に差し込ませる釣り方をした。コマセはサラシが巻き込む際にまいて、溝の中にコマセが効くようにした。

その作戦が効いて、釣り開始早々にシモリ気味に設定したウキがわずかに傾いた。竿先で聞きアワせると強烈な引き込み。沈み根の中、水深は浅い。深場の魚よりも数段も引きが強く感じられる。ときには腰を落とし、一切イトを出さずにタックルバランスを信じてじっと堪えた。

ようやく姿を現したのは何と尾長メジナ。ハリは唇に掛っていたとはいえ、ハリス2.5号を使っていてよかった。舐めて細ハリスでいたら簡単に切られていただろう。

狙いの口太メジナではなかったが、40cmの体高がある尾長メジナに気分上々。

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著者と尾長40cm(提供:TSURINEWSライター塩田哲雄)

作戦変更が奏功もバラシ

だがその後が続かない。やはり、産卵期のメジナは気難しい。いいときはバタバタ釣れるのに、その日の状況や時間によって食いにムラが出る。釣り座をいろいろとかえてみて狙うも、結果が出ない。エサ取りは全く見えないし、さしエサも残ってくる。

再度本命ポイントに戻って、溝と沈み根の先を狙うことにした。ちょうど潮が左へ動きだした。仕掛けを数投し、どのくらい潮上に仕掛けを投入したら、食わせるポイントまで流れたときに仕掛けを馴染ませられるか様子を見た。それと同時にコマセの沈下速度も合わせるように投入地点を考えた。

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陸ナカの釣り座(提供:TSURINEWSライター塩田哲雄)

計算ができればこっちの物。コマセをまく、仕掛けを投入、追いコマセをまいてアタリを待つ。一連の動作をスムーズにこなしていくと、投入したウキが潮に乗ってポイントに到達。

ゆっくりウキが沈みだした。明らかに魚がさしエサを咥えたから出たアタリだ。

しかしここでアワセるとハリ掛りはしない。ミチイトを張らず緩めずにした状態で、ウキが沈んでいくのを見ていると、竿先にコツコツとしたアタリが出る。そこでしっかりアワセを入れる。先ほどの尾長メジナのときよりも更に重量感がある引きだ。このときのハリスは1.7号。いつもの悪い癖で釣れない時間が長く続いたため細くしていた。魚に弱気な気持ちを読まれたか?呆気なく根ズレでバラしてしまう。

仕掛け変更で43cm口太登場

このままでは終われない!ハリスを2.5号に張りかえて再度同じように狙う。先ほどの引きには及ばないが、十分パワフルな魚が食ってきた。無事取り込んで計測すると43cmの良く肥えた口太メジナであった。

その後も41cmを追釣して雄島の陸ナカでの釣りを終えた。

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40cm以上を3匹キャッチ(提供:TSURINEWSライター塩田哲雄)

初めての釣り場であったが、浅場で沈み根が点在するポイントを攻略して良型メジナを釣り上げる楽しさを存分に味わうことができた。次こそ大型と呼べるメジナを釣り上げたい!

<塩田哲雄/TSURINEWSライター>

▼この釣り場について
福由丸
出船場所:田子漁港

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