船釣りで釣った魚はもちろん新鮮ですが、釣った魚は正しく処理を行わないとおいしさも半減。今回は、簡単にできる魚の『脳締め』方法を解説します。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター西澤俊彦)

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魚の処理タイミングは?

船釣りで釣った魚、皆さんはどうされていますか?船には活かして入れておく大バケツ(桶)がありますので、とりあえずそちらに入れている方が多いと思います。しかし、おいしくいただくことを最優先に考えると、釣った直後に処理をするに限ります。

理由は諸説ありますが、ここでは死後硬直が~、ATPが~云々……といった専門的な説明は割愛します。

入れ食い中は?

そうは言ってもすぐに仕掛けを投入したい!入れ食いだから止められない!わかります、私もそう思います。バケツの中で弱っていれば別だけど、元気に泳いでいるし後で処理すればよいと思うかもしれません。

しかし、バケツに魚を入れると後から捕まえるのにも暴れて苦労することが多々あります。元気な魚ほど。釣った直後なら少しの手間と時間をかけるだけで状態よく魚を持ち帰ることができますので一度お試しください。

今さら聞けない沖釣りのキホン:初心者でも簡単にできる魚の『脳締め』
バケツに入れっぱなしはダメ(提供:TSURINEWSライター西澤俊彦)

クーラーに入れる準備

船宿で氷をもらいクーラーに入れ船の座席に着いたら、速やかに海水を入れましょう。魚が釣れた後に海水を入れてもすぐには冷えず、クーラー内の温度はまだ高いままです。ボウズかもしれないし……といった余計な考えは捨て、クーラー内を十分に冷やしておきましょう。

脳締めをする理由

脳締めは魚を脳死させるために行います。脳死=絶命となるため、魚に余計な体力消耗をさせずにすみます。脳締めせずにエラを切って血抜きだけしようとすると、魚は死ぬまでにかなり暴れます。暴れることで体力が消耗しその分「魚の質」が落ちていきます。

神経締めとの違い

脳締めをしてもしばらくの間は痙攣などで魚の体は動きます。神経締めとは神経組織を破壊しその小さな体の動きを止めることを目的とします。そのため脳締めを行った後、神経締めを施します。神経締めまで行った方が確実に「魚の質」は高まりますのが船上でそこまで時間をかけて行うことはなかなか難しく、脳締めだけを実施する方が時間効率と「魚の質」の折り合いがいいと思います。

脳締めに向かない魚

アジや、イワシ、シロギスなどそれほど大きくない魚は無理に脳締めしなくてもよく冷えたクーラーに入れればすぐに即死します。

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小さい魚はそのままクーラーへ(提供:TSURINEWSライター西澤俊彦)

脳締めの方法

脳の位置は魚により異なりますが、マダイは写真の赤丸になります。周囲は硬い骨格に覆われているため違う場所に刺そうとすると硬くて刺さりにくく、正しい位置に刺せるときはあまり抵抗なく刺すことができます。

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マダイの脳の位置(提供:TSURINEWSライター西澤俊彦)

脳に刺さったら

うまく脳に刺さると魚は「ビクッ」と硬直した動きをします。その後ほとんど動かなくなり「ぴくぴく」と小さく痙攣する程度になりますのですぐにわかります。この後血抜きを行います。船上は不安定な場所になります、くれぐれも刃物などの取り扱いは注意して怪我しないようにしてください。

<西澤俊彦/TSURINEWSライター>

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