絶品の白子を求めて、東京湾のショウサイフグ釣りに挑戦してきた。エサは取られるがなかなかハリ掛かりせず苦戦を強いられたが、本命4匹を釣り上げた釣行をリポートする。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター前島宣秀)
フグ釣りの魅力
ほぼ周年楽しめる東京湾のショウサイフグだが、人気が高いのは春と秋だ。春には産卵で浅場にきた良型の白子入り、秋には群れが固まる数釣りができる。
釣り方は2通り、 食わせ釣りとカットウ釣りだ。食わせ釣りの仕掛けは3本胴つき仕掛けで、エビの殻を剥いたものを1cm角に切って使い、投入して底についたらゼロテンで穂先を凝視、少しでも違和感があればアワセを入れるカワハギに似た釣り方だ。
もう1つはカットウ釣りと呼ばれるハリで引っ掛ける釣り方。さらにカットウには二種類がメジャーではあり、エサのエビを1本付けるノーマルと、小さく切ったエビを複数ぶら下げるチラシ仕掛けがある。昨今ではカットウチラシ仕掛けが東京湾ではメインのようである。
えさ政へ乗船
今回乗船したえさ政は、多摩川の最下流、羽田空港が目の前に見える人気の釣り宿だ。江戸前の釣り物を中心として、時にはダイワのフィールドテスターである林良一さんの釣り教室も定期的に開催されている。
また、仕立てでは釣りと温泉宴会パックが人気であり、天然温泉ヌーランド(京急・雑色駅すぐ)へは送迎バスで移動、宴会場にてその日に釣った魚をお刺し身、天ぷら、焼物で味わう、いたれりつくせりのプランを格安料金にてご提供している。

ショウサイフグタックル
筆者のタックルは、サオがアナリスターカットウフグ、リールはティエラICにPEライン1号に先イトを付けたもの。

仕掛けは自作のカットウ仕掛けと船宿特性カットウチラシバリセット(400円)。カットウオモリは10号での釣行であった。
4杯出しの満席

当日は筆者のようにフグの白子を求めてか、4杯出しの満席であった。日付けがかわる前からクーラーを置き、場所取りしている猛者も数名いらっしゃるほどの人気、当日は69人の愛好者だった。
大貫沖でカカリ釣り

筆者の乗船するのは12号船、女性アングラー1人を含む12人での釣行となった。羽田空港の滑走路を眺めながら1時間、見慣れた景色ではあるが、その日の作戦を立てながら海堡、富津岬を越え富津観音が見えてきたころ、目的地の大貫沖へ到着した。
イカリを下ろしてのカカリ釣り。潮通しのいい浅場を好むショウサイフグ、12mラインからのスタートである。
エサは支給されるアルゼンチン赤エビを筆者は剥きながら使ったが、周りのエキスパートは思い思いに下処理したエビや自作の仕掛けを準備していた。

小さいアタリに集中
1投目、カットウを底につけて一呼吸、穂先が僅かに引き込まれ、反射的にサオ先を上に持ち上げると、うれしいゲスト、良型の夏ハギが幸先よくしっかりと口に掛かり上がってきた。
カットウ好きには叱られてしまうが、外房の数釣りのカットウやくわせ釣り中心でフグ釣行を数年前まで重ねていた筆者は、5秒程度に1回上げていればカットウなんてどうせ引っ掛け釣り、腕では無いと侮っていた。しかし、湾フグカットウ経験初心者の筆者にとってこの釣りは、レパートリーに加えたくなった一目になった。
その後、船宿特製チラシバリにかえるもエサは取られるがなかなかハリ掛かりせず苦戦を強いられる。しかし、穂先の違和感からアワセを入れるとズッシとサオ先が曲がった後、ふわっとオモリの重さが消えた。すかさずリールを巻くと、今度はギュン!と強い引きが伝わってきた。引きを楽しみながら海面まで巻き上げ、抜きあげたのは30cmほどのショウサイフグであった。

最終釣果
この日はフグのアタリはいずれも小さい、うっかり見逃してしまうとエサだけ取られてしまうことがしばしばあったが、これもまた駆け引き、とても楽しい時間であった。
終わってみれば、船中1~6匹、筆者は4匹と白子食べたさに3年ぶりのフグ釣りにしてはまずまずであった。
フグの処理は船上で
釣ったフグは、フグ免許を持った船長が沖上がり1時間前位から処理してくれるので毒の心配もなく後は調理をするだけ。1匹にかかる時間は数十秒、職人芸に惚れ惚れする。

注意点としては、下処理をお願いする前に十分血抜きを行い、白子に血が混じらないようにしてクーラーボックスで冷やしておくことだ。
白子の代表的な食べ方
白子の塩焼きはアルミホイルの上に白子を乗せて塩を振り、日本酒を振りかけて焼く。
白子ポン酢は、茹で過ぎ注意、レア状態で湯から上げ、氷水で冷やしてポン酢。いずれもとろとろクリーミー、一度味わえば忘れられない味だろう。
<前島宣秀/TSURINEWSライター>
▼この釣り船についてえさ政
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