梅雨が明ければ、いよいよアユ釣りは最盛期に突入だ。ここでは最盛期の瀬釣りをテーマに解説していく。

ぜひトモ釣り本来の釣りが楽しめる時期を満喫していただきたい。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 松森渉)

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トモ釣り最盛期突入

最盛期のアユはナワバリをしっかり持っており、瀬で掛かることが多い。目印は吹っ飛び、サオはバット部から曲がる。アタリが鮮明で引きも強い。そして数釣りができるのも最盛期だ。

【中部2021】梅雨明ければアユ釣り最盛期 「瀬釣り」で数釣り目指そう
梅雨が明ければトモ釣り最盛期(提供:週刊つりニュース中部版 松森渉)

今回は最盛期の瀬釣りをテーマに、釣り方などを紹介したい。

釣れる河川とポイントを選ぶ

まずは釣れる河川やポイントに釣行しなければ、本当に楽しい釣りはできない。ただ梅雨が明ければほとんどの河川が最盛期に突入するので、この時期は河川選びに迷うことも多い。そしてコロナの影響もあるので、移動に制限があるかもしれない。

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参考タックル図(作図:週刊つりニュース中部版 松森渉)

中部で選ぶなら、やはり岐阜県の長良川郡上エリアは鉄板だ。初期は低迷しても、本番は毎年梅雨明けからなのでお勧めだ。そして渇水状況なら長良川中央漁協管内も視野に入れた方がいい。飛騨方面なら奥飛騨の高原川、宮川水系も爆釣するのはこの時期だ。

北陸なら九頭竜川や神通川。

九頭竜川は初期にイマイチだった上流部の坂東島地区が良くなり、神通川も中流部や上流部が良くなってくる。情報収集はSNSを駆使すれば、大まかな状況はつかめるはずだ。また各河川のライブカメラや水位計を常にチェックすることも重要。どの河川にもベストな水位は必ずある。

常に水位をチェックしていれば、もし爆釣を逃しても次回や来年釣行する際に役立つからだ。そして最も信頼できるのは各河川の地元の釣り人の情報だ。

最盛期は瀬を攻略しよう

最盛期のアユ釣りといえば瀬釣り。ナワバリ意識が最も強くなる最盛期のアユは、瀬にナワバリを作る。瀬にナワバリを作ったアユは、瀬以外でナワバリを作ったアユよりも追いが良く掛かりやすい。

【中部2021】梅雨明ければアユ釣り最盛期 「瀬釣り」で数釣り目指そう
瀬釣りのマスターが必須だ(提供:週刊つりニュース中部版 松森渉)

条件が良ければ、オトリを沈めただけでも掛かることは珍しくない。ただ難点なのが瀬は流れの押しが強く、オトリアユを安定させにくい上に弱りやすい。最盛期に数釣りをするには、いかにして瀬を攻略するかがカギとなる。

瀬は引き釣りで攻める

瀬は押しが強く流れも速いので、泳がせ釣りでは釣りにくい。引き釣りがベストな釣り方になる。

引き釣りとは呼んで字のごとく、オトリアユを引いて釣る釣り方になる。

この釣り方のキーポイントは、サオの角度にある。サオを立てた状態でオトリアユを引くと、アユはついてこない。サオを寝かせる(水面に近い状態に水平にする)と、オトリはついてくる。

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サオは寝かせる(作図:週刊つりニュース中部版 松森渉)

水中ではイトに抵抗がかかる。サオが立っているとイトに多くの抵抗がかかるので、オトリは引いた方向についてこない。サオを寝かせるとイトの抵抗が軽減されて、オトリがついてきやすくなるので引きやすい。

サオの角度は川の流れの強弱によって変える。強い流れならより寝かせ、弱い流れなら角度が上がる。そしてもうひとつのキーポイントが狙った筋を引けるかにある。瀬の流れは複雑で、大小いくつもの流れがある。

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流れが弱ければサオの角度を上げる(提供:週刊つりニュース中部版 松森渉)

釣り人は石の色などを見て狙った筋を引き釣りで釣ることになるが、オトリアユが元気なら苦労なく狙った筋に入って引き釣りができるが、実際のフィールドではうまくいかないことが多い。

狙った筋でうまく引き釣りをするために、背バリやオモリといった補助器具を使い、引き釣りをやりやすくする。

背バリとオモリで攻略

背バリは、ここ数年でトモ釣り師の間で浸透した。メーカーから市販品も出ている。V背バリと呼ばれるVの字になった背バリもあるが、シングル背バリが一般的。カエシのあるハリだと外れにくい。

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背バリとオモリで瀬を攻略(提供:週刊つりニュース中部版 松森渉)

オトリアユの背に刺すことによって潜りが良くなり、川底に安定しやすくなる。そして狙った筋から外れにくい。瀬釣りを始める人は、オモリより背バリの方が扱いはしやすいと思う。

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狙うスジでオトリを安定させる(作図:週刊つりニュース中部版 松森渉)

オモリは昔からある瀬釣りの補助器具だ。オトリが入りにくい流れに、オモリを付けて沈めるシンプルな補助器具だ。しかし使いこなすには慣れが必要。流れによって適性号数を選択しないと根掛かりするし、かえってオトリを弱らせてしまう。だが使いこなせば、背バリで入りにくい流れは全てオモリでカバーできる。

ぜひともオモリを使いこなしてほしい。

サオの使い分け

最盛期のアユはパワーもあるので、早瀬抜か急瀬抜のサオがメインになってくる。近年は短ザオブームで、私自身も短ザオにハマっている。サオが短ければ操作性は良く、感度もいい。サオ自体が軽いので、集中力が持続できる。

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最近は短ザオでの丁寧な釣りがブーム(提供:週刊つりニュース中部版 松森渉)

また風に強いので強風でも釣りになる。見逃しがちな支流や細い分流もお手のもの。そして最大の利点として釣りが丁寧になる。短ザオだと足元から探ることになるので、嫌でも釣りが丁寧になり釣果が伸びる。大きいアユが掛かったときや、荒い瀬では多少不安な部分もあるが、利点の方が多い。

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急瀬抜は荒瀬などで使う(提供:週刊つりニュース中部版 松森渉)

急瀬抜はアユが大きい状況や荒瀬で掛かるとき。または北陸の大河川で選択したい。

イトは比重で使い分ける

瀬釣りでは、イトの使い分けもキーポイントになってくる。瀬は前記でも述べたように押しが強い。

背バリやオモリを使い釣りやすくするが、イトの比重を重くすることでより釣りやすくなる。今では各メーカーから、さまざまなイトが発売されているが、瀬釣りで使用するのはメタル系のライン。金属種の水中イトだ。

このメタルラインには比重が表記されてあり、数字が大きくなるほど大きくなることを示している。比重の大きさは釣り人ごとに釣り方も違うので一概にいえないが、北陸などの大河川では比重が大きい方が釣りやすい。

長良川でも増水時は比重が大きい方が有利だが、水が引いてくれば比重を小さくしていろいろな釣りに対処した方が釣果は伸びると思う。

ハリは4本イカリが基本

最盛期に使うハリは基本4本イカリ。追いがいいので、ハリ数が多い4本イカリが有利だ。またアユにパワーがあるので、イカリはある程度重い方がハリに乗りやすい。そのため3本より4本だ。号数は6.5~7.5号の4本イカリだが、北陸では8~8.5号の4本イカリも使う。ハリの線径は細軸だとバレることが多いので、中軸(線径0.41ぐらい)を選択するといい。

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状況に応じで3本チラシも(提供:週刊つりニュース中部版 松森渉)

また状況によっては、3本チラシも出番がある。

使いどころは、4本イカリで掛かってもバレが多発するとき。アユが大きいとき。チラシなら掛かればまずバレることはない。掛かりは遅くなるが、どうしてもバラしたくないときのために、ベストに忍ばせておくといいだろう。

コロナ禍に配慮して楽しもう

今年も昨年同様コロナ禍でアユ釣りをすることなる。いろいろな制約もあると思うが、釣り人として最低限できることはしていきたい。オトリ店ではマスクを着用。ソーシャルディスタンスを確保しよう。河原や道の駅などでの夜宴も控えめにしよう。

釣りをしているときは、嫌なことも忘れられる。釣り人にとって楽しい時間をいつまでも保つために。

<週刊つりニュース中部版 松森渉/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース中部版』2021年7月9日号に掲載された記事を再編集したものになります。

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