いよいよシーズン開幕となった瀬戸内のイイダコ釣り。今回は、少しでも多くのイイダコを釣るために、私の道具の工夫や、誘いのテクニックを紹介します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター濱堀秀規)
市販のスッテを連結
イイダコ仕掛けは市販品がたくさん販売されているが、シンプルな仕掛けなので、自分で作ることもできるし、市販品をカスタマイズして、よりたくさん釣れるようにすることもできる。
その一つ目が、スッテを3段連結にして数をかせぐ方法である。一つのイイダコスッテなら1匹ずつしか釣れないが、3連にすると、わはは。おわかりだと思うが。一度に3匹釣れることもある。

とは言っても、実際はこの仕掛けで一度に3匹釣れることは少ない。しかし、好調なときには「ダブルー、やったー」と2匹同時に掛かることは珍しくもない。
連結パターン
私のパターンは、一番下はイイダコおもりスッテ。そして、真ん中に浮きスッテの「イイヤン」や「 イイダコ パルパルスッテ」などである。一番上は小型のエギ。エギのサイズは、1.6号、1.8号、2号、くらいまでがイイダコには適している。
イイダコは小さいので、あまり大きなエギだと、カンナと呼ばれるハリに掛からずに、エギの胴体に抱きついただけで海面まで上がってきて、海面でパッと離してしまうからである。カンナ部分が、がっちり刺さって食い込むくらいの小型サイズのエギがイイ。
連結スッテの絡み対策
連結スッテを作るうえで間違ったらいけないのは、連結の順番。一番下をオモリスッテにすることである。
それでも、絡むことが多いなら、次の解決策は、3つを繋いでいる幹糸ミキイトを太くすることである。通常は3号くらいのフロロカーボンを使用していると思うが、6~8号くらいを使うと、イト絡みが少なくなる。
「そうはいっても浜ちゃん、太いイトはイイダコが警戒して、スッテを抱きにこなくなるんじゃないでしょうか」と質問してくる方が、必ずいる。この手の質問の方は磯釣り師に多い。これには、「経験上、関係ないねえ。柴田恭兵です。再々仕掛けがもつれてオマツリになって、釣れないよりましだと思うよ」と答えている。どうしても心配な人は、イトを5号くらいに、今よりも少しだけ太くしたらどうだろうか?
イイダコのアタリ
イイダコのアタリは、「向こうアワセでサオまで引っ張っていく」なんてことはほとんどない。底に着底してしばらくすると、イイダコがスッテを抱いたかどうかを確かめるように、シャクるのである。このシャクリの時に感じる重さの変化によって、イイダコが抱きついているのがわかる。
「えー、そんな微妙なアタリわかるかな?」と思われるかもしれないが、心配ご無用である。

リールを巻いて巻き上げているときに、「重たいわ、どんな大物が掛かったんかいな?」とワクワクして海面近くまでくると、「実際はレギュラーサイズじゃないの、なーんだ」ということも多い。これは、水の抵抗を一番受ける形で掛かったときによくある。足と手の8本を目一杯、じゃんけんの「パー」のように広げて掛かると、特別大きなイイダコでなくても相当重さを感じるから、抱いているかどうかの違いはわかるだろう。
それでも、重さの違いがわからず抱いたかどうが不明という場合は、変化があればすべて釣れていると思って、巻き上げて確認するのも手である。水深は10m前後の海域がほとんどであるので、巻き上げても時間ロスはそんなにないと割り切ることである。そのうち、違いがわかる男や女になることだろう。「ネスカフェゴールドブレンド」をゴクリとやるかな
速い潮対策
イイダコがバンバン抱いてくるときには、シャクって聞きアワせるインターバルも短い。抱きが緩慢になってくると、聞きアワせる時間を長くする。これは、抱きつくまでの時間的余裕を与えるためである。そして、底をコロコロと引きずっているときは、イイダコは抱いてこないので、底でステイする時間を長くすることだ。
とは言っても、潮が速く流れると仕掛けが動くので、底で動かないでじっとステイする時間が短くなる。そんときのテクニックは、オモリスッテのオモリを重くして、どっしり動きにくくすること。
このときに気をつけないといけないのは、あまりイトふけを出し過ぎると、隣の釣り人と仕掛けが絡まってしまうことである。そして、隣の人との仕掛け絡みを少なくする方法として、許されるなら、仕掛けの投入場所をできるだけ潮下に投げることである。こうすることで、ミチイトが張るまでの時間稼ぎができ、ひいてはイイダコが抱きつく時間稼ぎになる。
ラッキョの活用も
今年は長雨による水潮でマダコも絶不漁、漁師はあがったりである。イイダコも同じで、例年よりも数がかなり少ない年である。こんな時は、一人500匹じゃ300匹じゃと、過去の栄光にこだわっただけでは、足下をすくわれてしまう。重要なのは、初心に返ることである。私の場合は、昔からの仕掛けに戻して、1匹ずつ丁寧に釣り上げていくことが大切だと思っている。
昔の仕掛けってなんだ?それは、ラッキョである。そう私はカレーには福新漬けでなくて、ラッキョが好きなのである。昔のイイダコスッテ仕掛けには、ラッキョが付いていたのだ。「そんなの言われても、ラッキョをスーパーに買いに行っても、仕掛けの作り方がわからないわ」と言う方に朗報です。
カスタムを楽しもう
それでも、市販の仕掛けでは物足りないので、手を加えてしまのが釣り人の性である。たまたま、タイラバのゴムネクタイがあったので、スッテにつけてみた。すると、3連チャンで抱きついてきた。何でもやってみるもんだ。
それから、ラッキョ型のスッテの後ろに、小型のエギをつけてしまった。これは、ラッキョスッテから、ポロンと外れたイイダコ後ろのエギで掛けたり。聞きアワせにシャクっ時に後ろのエギがフワフワと誘うので、抱きつかれるという考えである。

初心に返りなさいと説明している割には、性懲りもなく2段仕掛けにしているし、オモリも下になるようにしなさいと説明しているにもかかわらず、上のラッキョにオモリが付いている。大抵の釣り師は、説明していることと自分がやっていることが違うと言われるが、私もその枠から外れない釣り師である。
釣れないのに、同じ事を続けると、結果は釣れないに決まっている。
数が釣れなくとも、自分なりの正解を見つけて、いろいろ試してみてはイイのダコではないでしょうか?正解が見つかると楽しいからね。絶不漁と言われても、イイダコ釣りはやめられませんなあ、だって地球は僕らの遊び場だもの。
<濱堀秀規/TSURINEWSライター>
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