メタルジグにはナマリ製とタングステン製のものがあります。筆者が使う20gクラスまでで、一般的なジグとタングステン製のジグのシルエット、飛距離などを検証してみましたので、紹介します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
一般的なジグとタングステンジグ
従来のメタルジグとタングステン製のジグの違いについて。まず、タングステンという材質の特徴として、一般的なナマリの約1.7倍もの比重があります。つまり、同一の重量であれば、確実にタングステン製のジグの方が、サイズをコンパクトにできるのです。

写真では見づらいかもしれませんが、サイズはとても小さいです。14gの一般的な材質のメタルジグと、23gのメタルジグが、ほとんど同等のサイズ。
シルエットがコンパクトになる恩恵はいくつもあり、反面、弱点もあるのですが、それはともあれ、まず何よりもキャスティングでは、「小さくて重いものほど飛びやすい」。すなわち、タングステン製メタルジグの最大の美点は、「飛距離が稼げる」ことにあるのです。
フルキャスト飛距離比較
タングステン製のジグを2つ購入。18gのものと、23gのものです。これで飛距離を検証をしてみました。条件としては、バスロッド71MLに、スピニングリール2500番、PEライン0.4号、リーダー12lbです。
あらかじめことわっておくと、筆者が検証に使ったロッドのルアーウェイトは、1/2ozまでです。14gまでが快適に投げられる重量、それを上回ったルアーのキャスティングは推奨されません。筆者の印象としても、10~14gがもっとも快適に投げられると思います。
それでもロッドのルアーウェイトを超えたジグをあえて使ったのは、18gや23gのタングステン製ジグでも、シルエットが実質一般のジグの10gや14gとかわらないから。すなわち、投げてさえしまえば、水中でジャークしている感じはかわらないだろうと、そちらを確認したかったのです。リグをタングステン製にかえて飛距離が伸びることは、実はアジングの方でよく知っています。
一般的なメタルジグの飛距離
さて、キャスティングしてみました。まずは一般的なジグです。
10g(後方重心) 46m
14g 40m
18g 40m
20g 40m
この程度です。後方重心、いわゆる「スローアクション」といわれるジグが、他と比べてひとのびします。18gや20gと単純に重くしても伸びないので、対象魚に対してシルエットを大きく見せたい場合以外には、あまりこのあたりのウェイトは使う必要がなさそうです。

タングステンジグ
続けて、タングステン製のジグです。ルアーウェイトを超えての運用ですが、まあ折れない程度にフルキャストしました。結果は、次のようなものに。
18g 48m
24g 50m
1回転72cmのリールで、ハンドルを65~68回ほど回しました。もちろんレンジは入れておらず、表層を巻いてきているので、もちろん誤差はあるでしょうが、この程度のものだと思います。

正直なところ、もうちょっと伸びてほしかったかな、という印象です。
「ひと伸び」はする
結論、タングステン製のジグ、飛距離は確実に「ひと伸び」します。
おそらく、もっと強いタックルならば、「ふた伸び」するでしょう。今回はロッドに多少の無理をさせてのキャスティングだったので、次は8ft台のロッドでもう一度確かめたいと思います。
「ひと伸び」では物足りませんが、沖のナブラを打つときに「ふた伸び」してくれると期待感が高まります。タングステン製ジグ、必携といえるのではないでしょうか?
なぜ飛距離も1.7倍にならないのか?
「比重が普通のジグの1.7倍なら、飛距離も1.7倍にならないのか?」
そういう考え方もしたくなりますが、そうはなりません。キャスト後、ラインが空中にある時間が長くなる分、ラインとメタルジグが風の抵抗を受けてしまい、比重が重いタングステン製といえども、ある程度の伸び幅に留まってしまいます。

フォールスピードに注意
やはりそうなるか、と思ったのですが、フォールスピード。これも速くて驚きます。同一重量ならば、着底まで、10カウントは速くなりました。つまりボトムにいきやすい。根が粗い場所では、慎重に使わなければなりません。
その他、スーパーライト、またはライトショアジギングにおけるタングステン製のジグの恩恵はいろいろとあります。
<井上海生/TSURINEWSライター>
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