TSURINEWSの読者の中に、さらにこの記事をこれから読んでくれる方の何割かは海釣りのファンであると思う。そこで、今回は意外と知らない「海」そのものの知識を紹介してみよう。

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海の広さ

これは知っている人も多いだろう。地球の表面積の約70%が海である。ちなみに最も広い海の太平洋は全海洋の半分近くの面積であり、地球の表面積の約35%を占める。そう、地球中の陸地をかき集めても太平洋の広さにすら及ばないのだ。

意外と知らない海の「広さ」と「深さ」 深海の生物が大型なワケとは?
地球表面の約70%が海(提供:pixabay)

海の深さ

陸っぱりからの釣りでも磯や急深サーフなどでは投げて届く範囲で20~30mの深さになることがある。陸っぱりからその深さはかなり深場で、釣りづらくなることもしばしばだろう。

また、沖釣りにおいての深海釣りでは水深1000mを狙うこともあるというが、海の平均水深は3800mと言われている。富士山をより少し深い位が海の平均水深であり1000mもまだまだ全海洋からすれば浅場なのかもしれない。

ちなみに何mからは深海。というような明確な定義はないのだが、海洋学的には200m以深は中深層と呼ばれ深海に分類される。

ちなみにすべての陸地を削って海を埋め立てても海の平均水深は2400mくらい残ると言われているから驚愕だ。

チャレンジャー海淵

そして最も深い海はマリアナ海溝にあるチャレンジャー海淵。水深は10920±10mといわれる。これら海の深さについて知っている人も多くいるだろう。

海中の水圧

この水深約11kmの超深海底は無論光が届かない漆黒の世界。水温は約2℃、栄養の供給をしてくれる陸上から遠いうえ、植物プランクトンから始まる連鎖で発生する栄養もほとんど届かない極貧栄養域。

水圧は単純計算で約1100気圧。地球で最も孤独な場所といっても差し支えないが、そんな海域にも生物がいるから驚きだ。

ちなみに地上が1気圧であり1cm×1cmの面積に1kgの重さが乗っている計算。普段の生活で感じない重量だがなかなかの重さが乗っているということになる。チャレンジャー海淵はそれの1100倍。人にもよるが小指の爪くらいの広さにコンパクトカーが乗ってくるイメージだ。

詳細は未だ不明なことが多いが、生息する生物の多くは単細胞生物だ。しかしヨコエビの仲間といった地上からでも簡単に採取できる生物の仲間も確認されている。また疑問視されているが魚類の目撃報告もある。

意外と知らない海の「広さ」と「深さ」 深海の生物が大型なワケとは?
水圧は単純計算で約1100気圧(提供:pixabay)

深海は大型生物が多い

余談が重なるがこのヨコエビの仲間は地上から超深海底まで生息が確認される地球上においてかなり繁栄している生物だ。超深海底のヨコエビは3~4cm程度の大きさであり、ヨコエビの仲間では巨大な種である。ヨコエビのみならず深海の生物は不思議と大型な種類が多い。

概ね水温と関連があるとされ、それ以外にも水圧に耐えるためやエサの量(興味のある人は深海巨大症とベルグマンの法則、クライバーの法則を調べてほしい)が関係していると考えられている。

しかし有力であるとされる水温に当てはまらない生物もおり、現時点では完全な解明には至っていない。

意外と知らない海の「広さ」と「深さ」 深海の生物が大型なワケとは?
深海は大型生物が多い(提供:pixabay)

世界最長の山脈は実は海底に

一般的に世界最長の山脈は南米にあるアンデス山脈である。その長さは約7500kmに及ぶとされ既に途方もない距離だが、海底にはもっと長い山脈があり、その距離は6万㎞以上とも言われる。

地球一周が約4万kmなのにどこにそんなものが?と思うかもしれない。海底にはいくつかの大きな海嶺と呼ばれる巨大な海底山脈がある。最も有名な海嶺は大西洋中央海嶺だろう。

ちなみに大西洋中央海嶺だけで長さは1.8万km。そしてそれらはあまりピンと来ないかもしれないがいくつかが陸を迂回して繋がっているそうだ(中央海嶺)。

具体的には大西洋からアフリカを周りインド洋に。さらに南太平洋の横断する形で山脈が続いているのだ。ちなみにこれら海嶺の多くは海底火山が由来であり、雑学などで「大西洋は毎年広くなり、太平洋は毎年狭くなっている」という話を聞いたことがある人もいるかもしれないが、その要因は先程名前を出した大西洋中央海嶺にある。

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海底山脈の距離は6万㎞(提供:pixabay)


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<永井航/TSURINEWSライター>

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