海では常に波が起こっていますが、どのような原理で起こっているか知っていますか?波の起こる原理と、それに関係する波浪注意報とはどのようなものなのか調べてみました。
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海で「波」が起きる理由
海に「波」が起きるのは、複数のことが要因とされていますが、そのなかでも有力な要因は、「風」と「海水の動き」だと考えられています。
この2つについて詳しく紹介していきましょう。
波の原因:「風」
海水が風に吹かれることによって、海面では風に押された海水が波となります。
お風呂で湯船のお湯に強く息を息を吹きかると、「波」が起こりますよね。これと同じ現象が海でも起きているのです。
風の力というのは、地球規模で考えるととても大きく、 海岸にうち寄せる波の大きな原因の一つと考えられています。
また、地球上には「貿易風」や「偏西風」といった常に吹く風が存在しています。
日本に住んでいる私たちには関係ないようにも思えますが、波は「遠くまで伝わる」という性質を持っているため、地球の裏側など遠い場所でこれらの風に吹き付けられて起こった波が日本にやって来ることも可能性としては大いにあるのです。
波の原因:「海水の動き」
海は常に月の引力によって満ち引きを繰り返しています。この海水の「動き」は「流れ」を生じさせています。この流れも風と同様に波を起こす大きな要因の一つです。

波の種類
波についてもう少し深掘りしてみましょう。そもそも波には「風浪」と「うねり」の2種類があります。
「うねり」は聞き慣れた言葉かもしれませんが、「風浪」というのは一般的にはちょっと聞きなれない言葉かと思います。
「風浪」
そこで、まずは風浪という言葉から解説していきたいのですが、風浪というのは主に風の力で海面が揺れ動いて発生した「波」のことを指します。細かく規則的に訪れるところが特徴といえます。
風の強さ(風速)によって波の高さが決まるので、ある程度大きさも予想がしやすく、風が強い日に起こる「白波」はまさしくこの風浪の代表例でしょう。
「うねり」
ある場所で風浪が発生し、段々とそのポイントから波自体が離れていくとほかの波と一緒になっていきます。こうして波と波同士が混ざり合い、また違う波として海面を移動することを「うねり」といいます。
風浪が、発生した場所から近距離のみであることに対して、うねりは数百キロ離れた海域まで伝播されていきます。
普段、私たちが海で見ている波というのは、この風浪とうねりが合わさったものとなりますが、その区別を明確に付けることは非常に難しいとされています。

遠くの海上で台風などが発生して、力の強い風浪がいくつも重なりあった結果、うねりとして日本の海岸にやってくることがありますが、その代表的な例が「土用波」です。
うねりによる波というのは、頂点が丸みを帯びていてさらに波長が長いものといわれています。
また、風浪がある程度一定のリズムで訪れるのに対して、うねりによる波はやや規則性に欠ける部分があり、磯釣りをしている時に急に大きな波が来たりするのがまさしく「うねり」です。
波には常に注意を
波は基本的には風によって起こることが分かったかと思います。
しかしながら、全然風が無い日でも、うねりによって強い波が押し寄せることもあります。波打ち際では常に気を付けるようにしましょう。

波浪注意報等が出ている時は絶対に海に近づかないように。一瞬で命を奪う凶器にもなることを忘れてはいけません。
<近藤 俊/サカナ研究所>
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