3月15日、三重県志摩市和具周辺へクロダイのフカセ釣りで釣行した。車中泊で2日間湾奥を狙い乗っ込みクロダイ9匹に51cmの天然マダイまでキャッチした釣りの模様をリポートする。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・白村つとむ)

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湾奥でフカセクロダイ釣り

英虞湾湾央に当たる和具周辺では、この季節になると湾口を通過した乗っ込みの群れが入りだす。およそ15度の海水温が突入の目安となるが、今年は高水温をキープしており、当日は17度。

数日前から徐々に上がり続けていることもプラスの要素となる。湾奥の水温が低いと、一度群れがこの周辺で止まって湾奥の水温上昇の合図を待つため、集結してきた群れが大きくなり大釣りすることがある。

だが、今年は湾奥の水温が高いため、群れが止まらず分散しながら湾奥まで入ってしまうため大釣りは厳しい。あとは当日の群れの回遊次第だ。

2日間のクロダイフカセ釣りで49cm頭に本命9匹に51cmマダイを手中
タックル図(作図:週刊つりニュース中部版APC・白村つとむ)

そんな期待感を持って午前3時に名古屋を出発。6時半ごろ現地に到着して準備を開始。この時期のクロダイは早朝から釣れることはほぼなく、9時を回ってからが勝負となる。

この周辺ではマダイも多く、そこそこの型が釣れるのが魅力。そこで、まずはマダイを狙って開始する。仕掛けは3ヒロの半遊動で、潮に乗せて流していく。緩い潮だが辛うじて沖に向かって仕掛けが運ばれている。

時折コッパグレが釣れるが、朝イチのマダイタイムは不発に終わった。

本命顔見せに安堵

時間は午前9時を回り、そろそろクロダイも回遊が望める時間帯。水深は5m程度あるので、ハワせずタナを取って狙っていく。タナは1ヒロ半から底トントンくらいまで、小まめに狙った。

午前10時前、沖の少しカケアガリになっているところを流していくと、きれいにウキが吸い込まれていった。コッパグレかと、ゆっくり大きくアワせると重量感がある。クロダイだ。1匹目なので慎重にやり取りし、無事にタモに収まった。43cmと小さいが、取りあえずの1匹にホッとする。

このころから北西の爆風が吹きつけるようになり、風の合間を縫って仕掛けを投入するが、なんともならなくなってきた。これからというタイミングだったが、午後に向けて移動するなら早い方がいい。仕方なく場所を変えることにした。

天然マダイ50cm級登場

どこも爆風だが、その中でも少し影になって風がやり過ごせる時間がある場所で再開する。まきエサを打って様子を見ると、潮はほとんど動いていない。

どうかなと思ったが、しばらくまきエサを打ち込んで開始した。

1投目、水深を測る意味も込めて練りエサを投入。ウキは沈んでいく。やや深いようだ。少しラインに変化が出たが走らない。フグかなと、ゆっくり巻き取ると重みが乗る。一応アワせると一気に沖へ向かって走りだした。これは大きい!年無しかと慎重にやり取りすると、どうも引きが強すぎる。どんよりした場所だったので忘れていたが、マダイか?

サオが軟らかいのでなかなか底を切れなかったが、ようやくピンクの魚体が浮上してきた。無事タモに収まったのは51cmの天然マダイ。マダイとしては中型程度だが、陸っぱりから釣れれば十分。引きも強く楽しめた。

2日間のクロダイフカセ釣りで49cm頭に本命9匹に51cmマダイを手中
天然マダイゲット(提供:週刊つりニュース中部版APC・白村つとむ)

その後、午後2時に爆風に耐えられなくなり終了するまでに、49cmの乗っ込みクロダイと34cmを追加。翌日の釣りもあるので無理をせず、この日はサオを畳んだ。

三重県志摩市から南部エリアでは、すでに乗っ込みの1陣は湾奥まで到達している。最盛期突入だ。それでも、4月いっぱいで鳥羽方面を除き、ほぼ全域で乗っ込みは終了する。あと少しの乗っ込み大型狙いを楽しんでほしい。

車中泊で連日釣行

3月16日、三重県志摩市磯部町周辺へクロダイのフカセで釣行した。

前日の英虞湾の釣りを終え、翌日は的矢湾の調査へ行こうと決めた。英虞湾と的矢湾は、すぐ隣の湾だが、海域としてはかなり異なる場所にある。御座岬を境として北と南では水温が変化し、おおよそだが南の方が早く、ひと潮周期(約半月)の差でクロダイが行動することが多い。

的矢湾ではこのタイミングだと千賀近辺が一番の狙い目となるが、水温と潮回りからクロダイがいることは明白であり、そこに入っても面白味に欠ける。そこで、湾奥に当たる三カ所周辺でサオを出すことに決めた。

2日間のクロダイフカセ釣りで49cm頭に本命9匹に51cmマダイを手中
タックル図(作図:週刊つりニュース中部版APC・白村つとむ)

海の近くで車中泊時、困るのが風呂だ。

近くに日帰り風呂などがあればいいが、30分、往復1時間でも車で移動するのは面倒くさいもの。

この時期は頭を洗えば何とかなり、体はウェットの体拭きで間に合わせることが多い。洗髪の水も2Lのペットボトルが2本あれば間に合う。短髪なら1本で足りる。今回の地域はサーフィンが盛んだったので、そこのシャワー室を借りてサッパリできた。

公園などで水が使える場所がある場合、バケツがあると楽に水浴びすることもできる。もちろん裸になってはいけないし、人目の多い公園は避けること。日本中を旅していると、こういった知識、知恵なども着き、行動のレベルも上がる。スッキリした後、車中泊する場所へ移動して眠りについた。

良型クロダイ連続ヒット

翌日は午前7時に起床して現場へ向かった。この時期は慌てる必要はない。ほとんど回遊のクロダイを狙うので9時以降の釣果が多く、昼前くらいから夕方中心に釣りを組み立てると楽だ。

午前8時半ごろ開始。

普段はフグが多い場所だが、全くさしエサが取られない。アタればクロダイといった雰囲気だ。

午前11時、初めてウキが沈んで最初の1匹が釣れる。42cmと小型だが、乗っ込みの個体だ。やはり少ないながらここまで入ってきている魚はいる。アタリは止まったが、午後のチャンスへ向けてまきエサを打っていった。

2日間のクロダイフカセ釣りで49cm頭に本命9匹に51cmマダイを手中
最初に登場した42cmクロダイ(提供:週刊つりニュース中部版APC・白村つとむ)

変化が出たのは午後1時。練りエサで投入すると、着底と同時にラインが走る。そのまま待ち、じっくり食わせてアワせるとヒット。45cmとそこそこの型だ。練りエサは丸のみされている。

クロダイ釣りは、バラしたらその日一日が終わってしまうことも多く、のみ込ませることが私の理想。

どうしてものまない状況では仕方ないが、なるべく口に掛けないようにした方が釣果は上がることが多い。

最大47cm頭に6尾キャッチ

続いて47cmがヒット。これはロープ目がけて突っ込んだので、強引に止めてキャッチした。ここは障害物が多く、ハリスは2号で正解だった。スレに強くするためにハリスを太くするのではない。ほとんどの場合、障害物に擦れたら一瞬で終わり。もしクロダイが障害物に突っ込んだら無理やりにでも止める。そのための太ハリスだ。

もちろんサオも最低1号以上は必要だ。堤防や磯、浜と違い、湾内釣り場では特にロープなどが多く、障害物近くのクロダイは3倍くらいのパワーで逃げるので、2ランク上の仕掛けで挑もう。

その後、午後2時までに3匹追加し、アタリが止まったので終了とした。42~47cm6匹と、少し早い時期にしては上出来。今年の乗っ込みは楽しみだと感じた。

2日間のクロダイフカセ釣りで49cm頭に本命9匹に51cmマダイを手中
当日の釣果(提供:週刊つりニュース中部版APC・白村つとむ)

湾奥は乗っ込み最終到達地点であり、タイミングが合えばとんでもない数のクロダイがたまっていることがある。止水域のような湾奥の釣り場でも、春はロマンが溢れている。


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<週刊つりニュース中部版APC・白村つとむ/TSURINEWS編>

▼この釣り場について
志摩市・和具/磯部町
この記事は『週刊つりニュース版』2022年4月1日号に掲載された記事を再編集したものになります。The post 2日間のクロダイフカセ釣りで49cm頭に本命9匹に51cmマダイを手中 first appeared on TSURINEWS.
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