エギングでは、代表的なターゲットであるアオリイカ以外にも、コウイカやツツイカ等色々な種類のイカが狙えます。しかし、エギを使う点は共通ですが、釣り方は様々。

そこで今回は、エギングで釣れるイカの攻略法を、ターゲットのイカの種類ごとに紹介していきます。

(アイキャッチ画像提供:河野剛志/TSURINEWS編)

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エギングとは

エギングとは、エギ(餌木)と呼ばれる疑似餌を使ってイカを釣るルアー釣りの一種です。

エギングとライトエギングの2種類があり、それぞれ狙えるターゲットが違います。

エギングで釣れるターゲット

エギングで狙えるターゲットは、アオリイカとコウイカになります。特にアオリイカは、エギングの代名詞とも呼べるイカで、非常に人気が高いです。

アオリイカ

アオリイカは、北海道以南の沿岸に幅広く生息する大型のイカです。丸みを帯びた胴と半円形に広がるヒレが特徴的で、コウイカに似た外見をしています。

日本に生息するアオリイカには、シロイカ、アカイカ、クワイカの3種類があり、最も個体数が多いのがシロイカです。

エギング徹底入門 【アオリイカ・コウイカ・ツツイカ対象毎に解説】
アオリイカ(提供:TSURINEWSライター野中功二)

アオリイカの釣れる時期

アオリイカのハイシーズンは、1年で2回あります。

1回目は春から初夏にかけての産卵期。海水温が15度を超えたあたりから、親イカが産卵のために接岸するので、大型を狙える時期になります。

2回目は、夏に生まれた新子が育ち、餌を求めて回遊を始める秋。地域にもよりますが、9月から11月にかけて数釣りを楽しめる時期です。

アオリイカが狙いやすい場所

アオリイカに限らず、堤防の先端や岬部分等の潮通しが良い場所は、酸素量が豊富でエサも溜まりやすいため1級ポイントです。

夜釣りをするなら、常夜灯周りもベイトが集まるので外せません。また、墨跡のある場所もポイントになるため、釣り場に着いたらチェックしてみましょう。

春になると産卵のため、親イカが藻場に集まるので狙い目となります。

アオリイカ狙いのタックル

エギングロッドの長さは、8ft中盤が使い勝手も良く人気。最初は、8.6ftが幅広く活躍するためおすすめです。

硬さは、春秋に対応できるMLクラスがあれば、シーズン通してエギングを楽しめます。

迷いやすいラインですが、PEライン0.6号を軸にして狙うイカのサイズで調整しましょう。

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タックル図(作図:河野剛志/TSURINEWS編)

アオリイカ狙いのエギ

エギのサイズは、大型の多い春なら3~4号、秋は小型のイカが中心になるので2.5か3号を選びましょう。カラーはシチュエーションにより変わりますが、オレンジとピンクは出番が多いのでおすすめです。

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状況によったカラーチョイスを(提供:TSURINEWSライター野中功二)

アオリイカの釣り方

アオリイカは基本的に、しゃくりと呼ばれるアクションを使って釣ります。

エギをキャストした後、ボトムに着底するまで待ちます。着底後、ロッドをあおってエギを跳ねさせ、また沈むまで待つ。反応をみて、あおる回数を増やしたり着底する前にあおったりして、アクションに変化をつけてイカを誘いましょう。

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釣り方例(作図:河野剛志/TSURINEWS編)

コウイカ

コウイカは、水深100mより浅い砂地や泥地を好んで生息しています。積極的に回遊をせず、海底で周囲と同化して獲物を待ち構えるのが特徴です。

大量の墨を蓄えているため「スミイカ」とも呼ばれ、釣った時あたり一面に墨を吐き散らかします。

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コウイカ(提供:TSURINEWSライター杉本隼一)

コウイカの釣れる時期

コウイカ釣りのハイシーズンは2回あります。

1度目は春先から晩春である4~5月の産卵シーズン。産卵を控えたコウイカが接岸してくるので、大型がよく釣れます。

2度目は晩秋から初冬にかけての11月~1月です。小型のコウイカがメインで、数釣りを楽しめます。

コウイカが狙いやすい場所

コウイカは砂地で流れの穏やかな場所を好むため、サーフや湾内にある堤防等が狙い目となります。また、コウイカは夜行性なので、ベイトの集まりやすい常夜灯周りは釣れる可能性が高いです。

コウイカ狙いのタックル

エギングでコウイカを狙う際のタックルは、基本的にアオリイカと変わりません。

エギングロッドで長さは8.6ftのMHクラス。リールは2500番で0.6号のPEラインが最もベーシックな組み合わせです。

コウイカ狙いのエギ

ボトム狙いでロッドアクションを小さく行うので、3.5号でラトル入りがおすすめです。

大型の狙える春先は4号、小型中心の秋冬は3号と使い分けると釣果アップを狙えます。

コウイカの釣り方

コウイカは底付近に生息するイカのため、ボトムを確実にとる必要があります。着底後はアオリイカと違い、しゃくりを小さくしてボトムから離れないようにしましょう。

また、ステイする時間も長めに取ると、コウイカの興味を引きやすくなるのでおすすめです。

エギングで釣果アップする5つのコツ

エギングは単純そうにみえて奥が深い釣りです。釣果アップするために押さえておきたいコツを、5つ紹介します。

底取りはラインを利用

エギングを始めた時、最初の難関となる底取り。いつ着底したのか分からず苦戦すると思いますが、ラインを利用すると簡単に底取りができます。

まず、エギが着水したらエギと直線になるくらいまで糸ふけを回収。テンションが張りそうになったら、ベールを起こして再度糸ふけを出します。何度か繰り返し、テンションが張らなくなると底取り完了です。

カウントダウンを活用

狙ったレンジを引いてくる時、必要になるテクニックがカウントダウンです。

例えば着底まで20秒かかったとして、10秒地点でしゃくり始めるとちょうど真ん中のレンジを狙えます。

沈降速度は、エギのパッケージに書かれているので参考にしましょう。

エギングはしゃくりが重要

エギングをするうえで、しゃくりは釣果に大きく影響するアクションです。数あるしゃくり方の中でも覚えておきたいのがワンピッチジャーク。

ワンピッチジャークは、ロッドを上げると同時にハンドルを半回転させ、下げる時にまた半回転をさせるテクニックです。繰り返すと逃げ惑うエビのように動いてイカを誘います。

応用として、短く鋭いしゃくりを入れるショートピッチジャークや大きくしゃくり上げるロングジャークがあり、組み合わせることで釣果アップが可能です。

合わせる時はしっかり

アタリがあった時、中途半端な合わせ方をしてしまうと、掛かりが甘くなりバラしに繋がってしまいます。

おそるおそる引き上げるのではなく、ためらわずに合わせましょう。ただし、小型の多いシーズンの場合は強すぎると足が切れてしまうため注意が必要です。

釣れる時間帯

イカは夜行性のため、夜はエサを求めて活発に活動をするのでチャンスです。

また、日の出と日の入り前後の時間帯はマズメ時と呼ばれ、ベイトが動き出す時間なためエギングで一番釣れる時間帯になります。

ライトエギングとは

ライトエギングは、アオリイカやコウイカのような大型ではなく、ツツイカと呼ばれる小型のイカ達を狙った釣りになります。軽めのロッドやエギを使うため、初心者やお子様でも扱いやすく人気です。

ライトエギングで狙えるツツイカの種類

ライトエギングでは、ケンサキイカ、スルメイカ、ヤリイカ、ヒイカが狙えます。特にヒイカやヤリイカは、釣りのオフシーズンである冬に釣れるイカのため人気です。

ツツイカを狙いやすい場所

ツツイカを狙いやすい代表的な場所として漁港が挙げられます。漁港内に入ってきたツツイカは港内全域を回遊するので、周囲の釣り人にアタリが出てきたらチャンスです。

また、常夜灯の灯りが当たる場所も、ベイトを求めて寄ってくるのでおすすめ。

他にも、潮通しが良く岩礁のある堤防でも釣れるので、ポイントがあれば探ってみてください。

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ポイント例(作図:週刊つりニュース西部版 編集部)

ツツイカ狙いのタックル

ライトエギング専用のロッドもありますが、アジングやメバリング用でも代用できます。長さは7~8ftが主流です。

リールはスピニングの2000番前後の浅溝タイプ。ラインはPEライン0.8号前後に2号前後のリーダーを組み合わせると、操作性と強度が両立できておすすめです。

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タックル図(作図:週刊つりニュース西部版 編集部)

ツツイカ狙いのエギ

ツツイカ狙いのエギは、2.5号以下が基本です。

また、最近では3号くらいのエギを使ったエサ巻きエギングも人気があります。

リーダーの途中に浮きスッテを追加するのも有効でしょう。

ライトエギングの釣り方

アオリイカを狙うエギングと同じく、ロッドのしゃくりを使った釣りになります。ただし、ツツイカは中層を遊泳していることが多いので、底取りをする必要はほとんどありません。

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釣り方例(作図:週刊つりニュース西部版 編集部)

ケンサキイカ

ケンサキイカは、胴の先が剣のような形をしたツツイカの一種です。

アオリイカやヤリイカと同じく高級イカで、味わいのある甘味が特徴になります。

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ケンサキイカ(提供:梅原正史/TSURINEWS編)

ケンサキイカの釣れる時期

ケンサキイカは年中狙えるイカですが、ハイシーズンは初夏から秋にかけての期間になります。夜になると外敵が減って活動が活発になるため、夜釣りが基本です。

スルメイカ

スルメイカは昔から食用として重宝されているイカで、刺身や干物など様々な料理に使われています。

日本全国に分布しており、ライトエギングのターゲットとして人気です。

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スルメイカ(提供:週刊つりニュース西部版 編集部)

スルメイカの釣れる時期

スルメイカがライトエギングで釣れる時期は、3月半ばから7月の間です。

春先に10cm程度だったスルメイカは、7月になると20cm以上に成長。本格的な夏になると沖へと移動していきます。

そのため、岸から釣れる期間は比較的短いといえるでしょう。

ヤリイカ

ヤリイカは、胴の形が槍に似ていることから付けられた名前のイカです。雌で20cm前後、雄になると40cm前後となります。

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ヤリイカ(提供:週刊つりニュース西部版 編集部/TSURINEWS編)

ヤリイカの釣れる時期

産卵のため接岸してくる冬がハイシーズンです。12月ごろからライトエギングで釣れ始め、早春に近づくにつれ子持ちヤリイカも見かけるようになります。

ヤリイカは暗い時間帯に活動するため、深夜帯と朝夕マズメが最も釣れる時間帯です。

ヒイカ

ヒイカは、ヤリイカ科に属する小さなイカで、大きくても胴長12cm程度と非常に小ぶりです。

全国各地で釣れ、煮付けや天ぷら等にするととても美味しく食べられます。

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ヒイカ(提供:土屋英孝/TSURINEWS編)

ヒイカの釣れる時期

ヒイカは年間通して釣れますが、ライトエギングでのハイシーズンは、12月~3月にかけての寒い時期になります。

時間帯は夜がおすすめで、特に常夜灯周りに集まりやすく狙い目です。


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<TSURINEWS編集部>

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