「ギンポ」という消波ブロックの穴釣りなどで釣れる細長い魚を知っていますか?姿はグロテスクでも、江戸前の天ぷらネタとして最上とされています。東京湾での釣り方とポイントを紹介します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター菊池英則)
ギンポとはどんなサカナ?
ギンポはスズキ目ゲンゲ亜目ニシキギンポ科の魚で、北日本に棲むオオカミウオの仲間です。細長いため、ウナギやアナゴ、はてはウツボの仲間と思われがちですが、そうではありません。
分布
ギンポは、北海道南部から高知県などの南日本まで広く分布しています。「カミソリ」「ウミドジョウ」などの地方名もあり、昔から海辺に住む人々にとっては身近な魚だったと思われます。
江戸前天ぷらのネタ
ギンポは、一見すると雑魚扱いですが、実は江戸時代から、江戸前の天ぷらネタとして名を馳せていました。身がフワフワでこの上無しとの評判です。豊洲市場には、全国から活魚が入荷しているようです。しかし肝心の「江戸前」いわゆる東京湾では、まとまった水揚げがなく「幻の魚」になって久しいと言われています。
ギンポ釣りのポイント
そんな幻のギンポですが、実は身近な海辺に生息しています。特に、消波ブロックの隙間や磯場を棲み家としており、これらのポイントでよく釣れます。ギンポは、自分で穴を掘ることはできないので、サンゴ類の隙間や捨てられた空き缶の中に潜むこともあるようです。
キホンの釣り方
ギンポは、大きなものでも全長20cmほどなので、ライトなタックルで大丈夫です。磯場ならブラクリ仕掛け、堤防なら天ビンや中通しなど、仕掛けはなんでも大丈夫でしょう。
キホンのテクニック
エサを底に沈めると、それを見つけたギンポは貪欲に食い付きます。アタリは「ググッと」引かれますが、エサを飲み込むため、キホン的に向こうアワセで大丈夫です。
ただし気をつけなければならないことがあります。アタリがあった後、ギンポに根に潜られたら、絶対に無理にラインを巻かないことです。いったんラインを緩め、15秒程待った後、いわばフェイントをかけて巻くと、うまく根から引き出せます。

実釣でギンポ手中
それでは実際に筆者が、東京湾・金沢八景の堤防に釣行した際の様子をレポートします。この日は気温が25度近くあり、魚の活性も高く、小さな天ビン仕掛けにソデ5号のハリ。エサは青イソメを付けて狙いました。
様々な魚が反応するのか、アタリ多くも食いが浅くてなかなかヒットしません。やがて、空模様が少し曇ると、食いが立ったのか、カワハギ、フグ、メバルなどゲストが多彩に釣れ始めました。そこで、底を中心に探って、無事になんとかギンポを2尾キャッチできました。水面から抜きあげる時に、ウネウネと抵抗するのが、アナゴ釣りに通じる面白さです。

実際の調理方法
ギンポはウロコが少なく、黒い皮は軟らかいので、ほぼウロコを取る必要はありません。腹開きや背開きにすると見映えがいいですが、初心者は骨に沿って三枚におろすのが簡単でしょう。
そして、ギンポは、なんと言っても天ぷらが絶品です。小麦粉と卵を練って衣を付けるか、市販の天ぷら粉を使って、油で揚げます。
天ぷら以外でオススメは煮付けです。市販のめんつゆで煮てもいいですし、醤油、酒、砂糖、みりんで煮ても大丈夫です。ゲストにカワハギなどが釣れた時は、いっしょに煮てもいいようです。

東京湾で実績あるポイント2選
このように、釣趣抜群で美味しいギンポの釣り場ですが、紹介するガイドブックはありません。そこで筆者がキャッチできたポイントを2ヵ所紹介します。
神奈川・金沢八景の野島公園
まずは、先ほどレポートで紹介した、横浜市金沢八景のシーサイドライン野島公園駅のすぐ下の護岸帯です。ここは、護岸の下がえぐれており、ギンポの格好の棲み家になっています。

ギンポ以外にも、サビキ釣りのポイントでもあるので休日は混みあいます。また、根掛かりも多いので、仕掛けを余分に持って行くことをオススメします。
東京・若洲海浜公園の人工磯
東京都内の新木場沖に位置する若洲海浜公園東側の人工磯も、ギンポの実績あるポイントです。岩場の隙間にブラクリ仕掛けを落とすことでキャッチできると思います。
気をつけたいのは、岩場が潮の干満で変化して濡れて滑りやすいので、くれぐれも安全に気をつけてください。

最後に、ギンポはハリを飲み込むことが多く、ハリスを切る機会も多いです。釣り場にラインは放置しないでマナーよく楽しみましょう。
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<菊池英則/TSURINEWSライター>
▼この釣り場について野島公園
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