難しそうなイメージがある「テンカラ」。渓流エサ釣り一筋だった筆者だが、今では「もっと早くからやるべきだった」と後悔しているほどだ。

あえて声を大にしたい。「初心者こそテンカラからスタートすべし!」。

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「ネガティブな印象」は偏見

「テンカラの道具を譲り受けた。毛バリもあるので一緒にやってみないか」。筆者がテンカラ釣りを始めたのは昨年の今ごろ、友人からこう誘われたのがきっかけだった。

釣り入門に『テンカラ』のススメ 初心者にこそ好適な理由3選
シーズン開幕を待つ渓流(提供:TSURINEWSライター筑井直樹)

それまでテンカラに抱いていたイメージは、「道具をそろえるのが面倒くさそう」「そもそも毛バリじゃ釣れないだろう」といったものだった。「初心者向け」と銘打った動画やブログに目を通しても頭に入ってこない。「適当に流せば釣れるエサ釣りと違って、キャスティングも難しそうだし……」とネガティブな印象が深まるばかりだった。

それが1年たった今では、すべて偏見だったと痛感している。以下、テンカラこそ渓流釣りの入門にふさわしいと考える三つの理由を説明しよう。

理由その1:道具がシンプル

竿と仕掛け、毛バリの3点だけで始められるテンカラ。エサ釣りが目印やオモリ、ウキ、エサ箱といった小物が必要なのと比べればシンプルそのものだ。とはいっても、マイナーな釣法だけに規模の大きな釣具店でも品ぞろえは薄いのが現実。

釣り入門に『テンカラ』のススメ 初心者にこそ好適な理由3選
道具はシンプルそのものだ(提供:TSURINEWSライター筑井直樹)

「な~んだ、やっぱり初心者にはハードルが高いじゃないか」と早合点しないでほしい。

そんなときはネット通販で最初から一式そろった「セットもの」を購入するのが近道だ。筆者はラインこそ釣具店で購入したが、竿は最初から通販だ。実物を手にしないでスタートするのは不安かもしれないが、まずはポチッと押して手元に届けば道具への偏見はすぐに吹き飛ぶだろう。

理由その2:冷蔵庫が不要

オススメの最大の理由は、当たり前かもしれないが毛バリを使うと言うことだ。毛バリで釣れるか釣れないかは後ほど説明するにして、ブドウ虫やミミズ、サシと違って一度入手してしまえば何度でも使えるし、なんといっても冷蔵庫で保管する必要がない。

筆者は以前、野菜室の隅にこっそり入れておいたミミズに「脱走」され、家族から激怒された経験がある。当然ながら毛バリならそんな心配はゼロなのだ。

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ネットで簡単に手に入る毛バリ(提供:TSURINEWSライター筑井直樹)

いいことずくめの毛バリだが、釣具店で購入すると結構高価だ。筆者の場合は友人から分けてもらった毛バリでスタート。それと並行して、ヤフオクやメルカリを使えば手作り品が安価に手に入ることも知ったので活用している。

エサ釣りの場合は釣具店に足を運んで準備しなければならないが、毛バリなら一度入手すればその手間が省けるのは決定的な違いだ。友人も「娘からブドウ虫を冷蔵庫に入れるのを禁じられていたので、毛バリはなんと言っても楽だ」と話している。

理由その3:実は操作も簡単

肝心のキャスティングはどうなのか。筆者はフライの経験はないが、これまでの釣りで出向くのは山岳渓流が多かったため、「いつかフライやルアーに挑戦したいけど、これだけ藪が茂っていては引っかかって大変だろうなぁ」と感じていた。

ネット通販で最初に購入したテンカラ竿は2.7mとかなり短いものだった。経験者のブログなどでは短くても3.3mが推奨されているが、今では2.7mでよかったと思っている。

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山岳渓流には短い仕掛けが一番(提供:TSURINEWSライター筑井直樹)

また「ラインは竿と同じ長さに」「ハリスは1m」と良く言われるが、仕掛けの長さは竿と同じくらいでいい。筆者は仕掛けの長さを竿と同じくらいにしたことによって、狙ったポイントに毛バリを落とせるようになった。

「もしかしたら才能があるのかも」とうぬぼれたが、単に竿と仕掛けが短かったからできたことなのだ。初心者が最初から長い竿や仕掛けを操れるわけはない。キャスティングが難しそうというイメージは、短い竿と仕掛けによって簡単に解消できるのだ。

釣れた感動はプライスレス

ここまでテンカラを持ち上げておいて、では実際に釣れるのか?と思われるだろう。確かにサカナにすれば、食べるなら本物のエサの方がいいに決まっている。しかし、水生昆虫が活性化する夏にかけては、初心者の打つ毛バリにも「パーン!」と水面を割って躍り出てくれるし、秋には沈めた毛バリをグイグイ引き込んでくれるのだ。

条件次第ではエサと比べても遜色が無いと思うし、釣れたときの感動は段違いに大きい。北海道だけにすむオショロコマ(カラフトイワナ)は、冷水を好み川底に潜んでいることも多い。

ある夏の日、深みに毛バリを落とすと一直線に水面に向かってきて、毛バリをがぶりとくわえてくれた。その一部始終を目撃できるのがテンカラの魅力であり、醍醐味なのだ。

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宝石のようなオショロコマ(提供:TSURINEWSライター筑井直樹)

筆者は昨年、クルマに積みっぱなしだったエサ釣り用の竿をまとめて物置に移した。テンカラを始めたばかりで、すっかり「テンカラ沼」にはまってしまったのである。北海道はようやく雪解けを迎えたばかりだが、今年はどこの渓流に行こうかと、そわそわしながらシーズン開幕を待っている。


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<筑井直樹/TSURINEWSライター>

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