初めてのボートシーバスに入門してみたいけど、右も左もわからない(汗)。そんな方に愛知県衣浦港のシーバス大好き船長が詳しく解説いたします。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター杉浦永)
ボートシーバス釣り
ボートシーバスとはその名の通り、ボートに乗ってシーバス釣りをすることです。基本的にはルアーといって小魚に似せた疑似餌を使用して釣りを展開します。
陸っぱりとボートの釣りの最大の違いは、「機動性」ではないでしょうか?説明すると、陸っぱりは陸から届く範囲かつ立ち入り禁止ではない場所で釣りをしないといけないため、釣りの制限が大きいです。一方でボートの場合は海全体の気になったポイントで釣りができる(漁礁や漁業権のある場所など除く)ため、釣りをする行動範囲が広く、モーターボートですぐにポイントを移動できることから機動性に優れていると言えます。

つまり、ボートの機動性を最大限に発揮すれば、色々なポイントをランガンできて、常にフレッシュな個体がいるポイントを巡れるというわけです。
そのために船長に求められることは「引き出しの多さ」が何よりも必須。ポイントを一箇所知っているだけではボートシーバスは成り立ちません。狭い湾内で100以上のポイント(有名ポイントから超ピンポイントまで)を頭の中に叩き込む必要があります。

はじめてのボート釣りの心構え
まずはボートシーバスを楽しむための基礎知識を紹介します。
服装
夏の場合はTシャツに海パンという超ラフな格好に、カッパを持っておけばOKです。雨はもちろん、ナイトゲームなど寒くなったときに一枚羽織れて活躍します。

冬の場合、肌着はヒートテック→スウェット上下→インナーダウン→防寒具(カッパタイプのもの)です。冬はかなり着込みます。しかし、ただ着込めばいいというわけでもなく、アウトドア用品のハイエンド品やワークマンで売っている丈夫な素材のものがいいのではないかと思います。
また、冬は天候も荒れますので、潮まみれになり、ハリが刺さり破れたりと、普段使いの衣服より過酷な状況での使用となります。

ボートならライジャケは必須
ボートに乗って釣りをする場合、ライフジャケットの着用は義務です。身軽なものだと肩掛けタイプや腰巻きタイプなどあります。

使い分けとしては、冬の服を着込む場合はゆったりとした肩掛けタイプのライジャケがおすすめです。理由としては、気温に応じて着込む枚数は毎回違うので厚みがバラバラになってしまい、腰巻きタイプのライジャケではウエスト調整がややめんどくさいからです。
腰巻きタイプが活躍するのは夏がメイン!Tシャツに海パンという超薄着で釣りをするので肩掛けタイプのライジャケは邪魔になりやすく重いので、腰巻きタイプを使用することが多いです。

また、ライフジャケットは国土交通省が安全基準を満たしたとされる「桜マーク付き」のものが必須なので、購入の際は桜マークが記載されているか確認してからにしましょう。
移動中は座りましょう!
ボートでの移動中は急な揺れやスピード変化を伴う場合もありますので、バランスを保つためにも絶対に座っておいてください。
移動したい場合は背を低くして重心を下げながら移動するか、船長にスピードを緩めてほしいと伝えてくれればボートを止めたり、安全なスピードまで落とすので気軽にお声かけください(大型釣り船の乗り合いなどの場合は、船長に伝えづらい場合が多いと思もう)。

夜釣りならヘッドライト
ボート・オカッパリ問わず、夜釣りの場合はヘッドライトを持参することをオススメします。ラインが切れた場合結び直すために手元に明かりが必要ですし、桟橋や漁港から船に乗る場合に暗いと足元が危険な場合があるからです。

ボートシーバスの入門タックル
続いてボートシーバスで使用するタックルを紹介します。
スピニング?ベイト?
シーバスロッドはスピニングタックル、ベイトタックルの2種がありますが、まずは投げやすいスピニングタックルからの入門がオススメです。ベイトタックルだと慣れない間はバックラッシュしたりします。肝心な時にバックラッシュだと貴重なチャンスを逃すことにも……。

スピニングタックル
今回は入門者向けにスピニングタックルの説明をいたします。
スピニングロッドは6ft(180cm)前後のシーバスロッド、またはバスロッドでも代用可能。遠くに投げる必要がないので、オカッパリ用の9ftのロッドは使わないほうがいいと思います!
リールは2500~3000番くらいの最大ドラグ7kgくらいのものを使用。リールはオカッパリのものを代用しても可能。あまり大きすぎのリールはダメ。
ラインはPEライン1号にリーダー16lbが基本。ストラクチャー撃ちや大型狙いの場合はPEライン1.5号にリーダー20lbを付けていれば安心できます。
スナップでルアーチェンジが楽に!
リーダーの先にスナップをつけておくと、ルアー交換がスムーズになって、釣果のチャンスを逃しません!
先ほども書いたように、ボートシーバスのよさは機動性!つまりポイント移動が多いです。そのため、ルアーはポイントごとにかえたりする場合もあるので、スナップを必ず取り付けてスムーズにルアーチェンジできるようにしておきましょう。

初めてのボートシーバスの釣り方
続いて、ボートシーバスの釣り方を解説します。
ポイント
ナイトシーバス(夜のシーバス釣り)を狙う場合、基本的には常夜灯の下がポイントになります。常夜灯に小魚などのベイトが集まり、それを狙ってシーバスが捕食しにくるわけです。
常夜灯はポイントを絞りやすいというメリットの一方で、ピンポイントで狙えるからスレやすいというデメリットもあります。そのため、ナイトゲームのボートシーバスは船長のポイントの引き出しの多さが釣果に影響すると思っています。

デイシーバス(日中のシーバス釣り)はストラクチャー撃ちがほとんど。ストラクチャーでベイトを待ち構えているシーバスにアプローチする方法です。
バイトシーンが丸見えだったり、明るいので釣りがしやすいというメリットの一方で、ストラクチャーに対してギリギリにルアーを通さないとシーバスが反応しないので、難しさもあります。
デイゲームは釣り人の腕次第なところも多くあって、キャスティング(ルアーを投げる)が上手ければ上手いほど釣果は高まります。

キャスト距離はどのくらい?
ルアーのキャスティング(ルアーを投げる)は、ボートシーバスの場合5~20mほどキャストができれば、問題ないです。
オカッパリの場合はフルキャストして30m~100mほどのロングディスタンスを狙いますが、ボートの場合は5~20m以内のショートディスタンスを狙っていくわけです。
使いやすいルアーって?
ボートの場合、ミノー、シンペン、バイブレーション、ワーム、ビックベイトなどなど、ほとんどのルアーをシチュエーションに応じて使います。
ただし、私はボートシーバスの場合、基本はミノーゲームを推奨します。なぜなら、ミノーはリールを巻けばブルブルとウォブリングしながら泳いでくれて、ただ巻きで釣れるし、シンペンのように巻き方を慎重にする必要性がないからです。
多少、ロッドやリールをうまく扱えなくてもミノーを巻くだけでしっかりと水を噛んでアクションしてくれるのがよさです。
よく初心者に使ってもらうのは、マーゲイSWです。

短い距離のキャスティングでもすぐに最大深度に到達して、細かいブルブルアクションでシーバスのスイッチを入れやすいのではないかと思います。また、リールを一定速度で巻けなくても気にせずにルアーがアクションしてくれるので、誰でも同じように使えます。
やり取り
ミノーを巻いていてシーバスがヒットした!そんな時はすぐに「キタ!」と船中に聞こえるように伝えてください!
ドラグは緩くても大丈夫なので、ファイトしている腕が痛くならない程度にゆっくりと冷静に一定のテンションを保って巻き続けてください。
シーバスがヒットしてからは一定のテンションでやり取りしてくれた方が、バラシは少ないです。ロッドを上下したりせずリールを巻いてみて下さい。
ランディング
シーバスの魚体が確認できたら、船長がネットを持ってランディング(タモ入れ)しに行きます!シーバスは船底を見るとラインを切ろうと力一杯泳ぎ回りますから、ライン切れに注意です!

ネットに入れてシーバスをキャッチしたら、すぐにリールのベールを返してラインを放出してください。

このようにタモ入れして、リールのラインを出さずにロッドの先が大きく曲がっていると破損の原因になります。
釣った魚の取り扱い
釣った魚はボートのイケスで活かしておき、持ち帰って食べる分だけ船長が血抜きいたします!
数日後に食べる場合は、神経〆すると身がプリプリの状態を保つことができますよ!
また、お腹出し(内臓除去)だけを先にしておけば、お腹のニオイも身に移りづらいです。
シーバスの〆作業がおわったら、クーラーボックスに氷を入れて冷やし込みを行いましょう。これで美味しく食べられること間違いなし!

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<杉浦永/TSURINEWSライター>
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