メバルを釣っておなかをさばいていみると、キモがついていることがあります。カワハギのキモは絶品として有名ですが、メバルのキモはどうなのでしょう?一度食べてみました。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
メバルのキモ
メバルのキモとはそもそも何かといえば、肝と書くとおり、というべきか、「肝臓」です。内臓の一部。魚の内臓は、さんまの塩焼きなどでは好んで食べる人もいますが、一般に食用には適しません。ただ、キモに関しては珍味であるとして、よく食べられています。

では魚にとって肝臓とは何かというと、人間と同じように、おなかに入るものの代謝や解毒を行うものであり、また消化酵素である胆汁を作り出すものでもあります。
メバルのキモは食べられる?
結論を言うと、メバルのキモは食べることができます。私も何度か口にしていますが、今回はまた意図して口にしたこともあって、とてもおいしく感じられました。
まろやかで独特の風味があり、何か不安を感じることもありません。お魚が好きな方や、お酒が好きな方の好みには合うと思います。
生食は厳禁
魚のキモといえば、刺身といっしょに、しょうゆうけに醤油と溶かしていただくのもオツなもの。しかし、あまり鮮度の高くない個体や、また人の体質によっては、生食はよくありません。筆者として、こうして書く立場からは、「厳禁」と言いたいくらいです。
しかし気にしない人は何も気にせずに食べたりもします。カワハギと同じですね。魚の生食には寄生虫の心配がありますが、そんなことをいえば刺身もそうです。
ただ料理人の友人から聞いたところでは、寄生虫というのは職人にはもうまさしく目に見えるものらしく、危険は回避できるといいます。お店で供されるものは心配不用、自分で調理して食べるならば自己責任。少しでも不安を感じたら避けた方がいいでしょう。
大事なのは血抜き
釣魚のキモを食べるために何が大事かといって、絶対に血抜きとワタ出しです。血抜きは食べるつもりならば、釣ったその場でしてしまいましょう。私はバケツに海水を汲んで、魚の喉にはさみをいれ、そこに首を突っ込んでおいて血を出してしまいます。

ちなみに上の画像のメバルの血抜きは、二度目のものです。だからやや色が薄まっていますが、本当は4尾も釣って血抜きしていると、真っ赤になります。メバルはタチウオやサバやアジなどと比べるとそこまで血が多くない魚ではないかと思いますが、根魚は身がにおうことがあるので、念入りに処理しましょう。
それから、自宅に戻ったらすぐに内臓の処理です。ワタを出して、その他の部位は捨て、このときにキモはキッチンペーパーにでもくるんで、大事に保管しておいてください。

「守り」の状態で保存
ちなみに身もキモも保管法は同じです。塩と料理酒をかけて、キッチンペーパーにくるんでラップをかけて、冷蔵庫へ。これでばっちり、料理人の言うところの「守り(もり)」ができた状態です。

もし釣り場でどうしても処理できない状態のときは、早めに釣りを切り上げて帰るといいでしょう。根魚は生命力が強いので、陸に上げても意外に2時間くらいは生きていたりします。それから処理しても遅くありません。
カワハギ級とは言わないまでも
食性や大きさにもよるのかもしれませんが、今回食べたメバルのキモはとてもおいしかったです。胃袋を見ると多毛類を捕食していました。どれも25cm級なので数年生きているだけあり、貫禄の味わいといったところでしょうか。キモの王様というべきカワハギと比べるとさすがに一枚二枚落ちますが、それでも素晴らしい味です。
タチウオに捨てるところなし、などと言いますが、メバルもそうですね。煮付けも刺身もよし、揚げてもよし。キモまで食べられるのだから、おいしい魚です。ごちそうさまでした。
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<井上海生/TSURINEWSライター>
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