足繁く通っている伊豆半島全域では、3月頃から5cmくらいの小サバの群れがエサ取りとなり、メジナを釣り上げることが厳しい状況の磯が多かった。とはいえ、5月下旬にもなると一時のようにどうにも手が付けられない状況からはよくなってきた。

そこで、前回の釣行時に好結果を出すことができた練りエサ主体のエサを準備して釣行計画を立てた。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター塩田哲雄)

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石廊崎で磯釣り

釣り場として選んだのは、伊豆半島最南端の石廊崎地区。いつもお世話になっている橋本屋さんがある本瀬港へと車を走らせた。この時期の出船時間は4時30分。乗船名簿を記入したり、釣り支度をしたりといろいろあるため4時には港に到着するように自宅を出発。

橋本屋さんの渡船名は宮島丸と言う船名で、磯をよく知り尽くした船長に釣り場はお任せした。港から2分ほどで大根島という東西に延びた大きな磯のハナレになる大根小島に渡礁。仲間内なら2~3人は収容できる。潮通しがよく、年間を通して石物から上物、回遊魚などいろいろ狙える人気の磯。

小サバ泳がせ釣りで75cmヒラスズキ フカセタックルで25分間の激闘制す
宮島丸(提供:TSURINEWSライター塩田哲雄)

当日のエサとタックル

いつもは自宅でコマセを作っていくのだが、今回はその時間がなかったため磯の上で作ることとなった。用意した全解凍のオキアミ9kgと、配合エサ「超遠投グレ」「沖撃ちグレスペシャル」を一度に混ぜ合せることはできない。前後半2回に分けて作った。

それと肝心の小サバ対策用に用意したさしエサは、「マダイイエロー」「魚玉ハード」「荒食いブラウン」の練りエサ各種。それに加工オキアミの「くわせオキアミスーパーハードL」「HPPBAITSボイルオキアミ」。

どのような状況下でも対応できるよう念には念を入れて準備した。

小サバ泳がせ釣りで75cmヒラスズキ フカセタックルで25分間の激闘制す
使用したエサ(提供:TSURINEWSライター塩田哲雄)

コマセを作り終えたら、海の状況を見てタックルの支度。狙う魚は口太メジナ、尾長メジナをメインに、お土産としてイサキやタカベが釣れたらいいなと考えつつ、ロッドケースから取り出した竿はがま磯インテッサGⅤ1.25号5m。リールは2500番のレバーブレーキタイプ。ミチイトは銀鱗SSXO1.75号。ウキは練りエサを主体に使う予定なので棒ウキを選んだ。練りエサはオキアミエサと違い自重があり、棒ウキの方が使い易い。

小サバ泳がせ釣りで75cmヒラスズキ フカセタックルで25分間の激闘制す
当日のタックル(作図:TSURINEWSライター塩田哲雄)

釣り始めの状況

釣り始めは、磯際にコマセをまいて魚の活性具合を観察。意に反して小サバの姿は全く見えない。それよりも表層にはスズメダイやチョウチョウウオが群がり、その下にイスズミ、サンノジ、アイゴが活発にコマセを捕食する姿が確認できる。水温は20℃前半まで上昇したので、いつもの海の状態になったようだ。しかし、メジナの姿を確認できない。

その内コマセが効き出せばメジナも活発な動きをするだろうと釣りを始めた。

まずはオキアミをハリに刺して狙ってみる。思った通りオキアミはすぐに取られてしまう。次は加工オキアミを試すも同じ結果。

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釣り座から見た海(提供:TSURINEWSライター塩田哲雄)

練りエサで良型エサ取り連発

そこで練りエサを使用して見た。ハリに親指の大きさくらいにした練りエサを付け、先にコマセをポイントにまき、次に仕掛けを投入する狙い方。練りエサの自重に負けない棒ウキの浮力があるので、設定したタナで仕掛けが馴染むと、ウキのトップが5cmくらい海面上に出てとても見やすい。エサ取りが練りエサを突っつくと、ウキトップが上下するからよく分かる。

ほどなくしてウキが消し込んだ。間髪いれずにアワせた。引きが強い。しかし、サオ先をたたくような感じでメジナの引きとは違う。40cmクラスのサンノジであった。1匹目からいい引きの魚とやり取りができて、ウオーミングアップ完了。

さーいつでも本命の良型メジナよこい。と仕掛け投入を繰り返すが、釣れ上がる魚は35cmから50cmほどのイスズミやサンノジ、アイゴが連発。2時間ほどで腕がパンパン。

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サンノジ(提供:TSURINEWSライター塩田哲雄)

沖狙いで35cm尾長メジナ

それでも諦めずにコマセをまいていると、30mほど沖でそこそこ大きな波紋が出だす。磯際にまくコマセと沖へのコマセを完全分離して、できるだけエサ取りが沖へ出ないようにした。そして、本命ポイントの沖にまくコマセと仕掛け投入はほぼ同時に同じポイントに着水するように釣りを展開してみた。

上手いこと作戦が当たった。サイズこそ最大で35cmであったが、尾長メジナをポツポツながら拾えた。そうするうちに、小サバの大群が登場。待ってましたとばかりに、練りエサ仕掛けでメジナを狙うも、今日のメジナは練りエサには反応してくれないようだ。

それならばと、オーソドックスなフカセ仕掛けの円錐ウキに交換してみた。釣り方もオキアミエサを主体に、コマセを打つポイント、仕掛け投入地点とタイミングなど投入ごとにかえながら、少しでもいいサイズのメジナを狙った。

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35cm級の尾長メジナ(提供:TSURINEWSライター塩田哲雄)

小サバ泳がせ釣り

時間にして9時過ぎ、船長が見回り船でお弁当を届けに来てくれた。朝食を5時ごろに食べたので、昼食には早いが橋本屋特製弁当を温かいうちに食べようか迷っていると、沖に投入した仕掛けに小サバが食った。

「この小サバをハリに付けたまま泳がせてみたら、ヒラスズキが食いつくかも?」と閃いた。ちょうどウネリが少しあった影響で、磯際には程よいサラシができている。沖からゆっくりリールを巻き戻して小サバを磯際のサラシの中まで引っ張ってきた。

小サバ泳がせ釣りで75cmヒラスズキ フカセタックルで25分間の激闘制す
お弁当(提供:TSURINEWSライター塩田哲雄)

大型ヒラスズキがヒット

するとすぐに小サバがブルブルと暴れる感じがサオ先を通じて伝わった。ドキドキしながらアタリを待つこと数秒。サミングした中指を軽く弾くようにラインが引き出される。このときのハリスは1.5号。どうせヒットしても50cmサイズのヒラスズキ程度に甘く考えていた。まさかのサイズが来ちゃった!

ヒットしたときはまだ冷静で、腕時計を見て9時25分。取り込みまでどのくらい掛るかな?なんて余裕であったが……。そんなに甘くはなかった。少しでもサオを立てていると、奴はすぐにジャンプしてエラ洗いをする。サオを下にしていれば奴は底へと潜ろうとするか、沖に走り出す。

ハリスが細いから無理はできないし、いつまでも奴にいいようにやられっぱなしでは、ハリスが切られるかハリが外れるか時間の問題。だましだましでも奴の体力が弱るようなやり取りを心掛けた。

激闘制して75cmヒラスズキ

時間にして約25分弱の9時50分前に奴がやっと海面に浮上した。とうとう浮かせてもエラ洗いをしない状態で出てくれた。一発でタモ入れも成功。久しぶりに気力体力の限界まで魚とやり取りをした。ジャンプをしているときはそんなに大きいとは感じなかったが、いかんせん重量感が半端なかった。磯に上げてまじまじ見ると「デカイ!」。メジャーで測ると75cm。この後は放心状態。

小サバ泳がせ釣りで75cmヒラスズキ フカセタックルで25分間の激闘制す
キャッチしたヒラスズキ(提供:TSURINEWSライター塩田哲雄)

暫く休憩タイムを取った後、釣りを再開したが、メジナのサイズアップは果たせなかった。結局、尾長メジナばかり30~35cmを10匹ほど釣り上げた。

塩焼きにと期待したイサキとタカベの姿は見ることはできなかった。しかし、それ以上の魚の大型ヒラスズキを捕ったのが最高の喜びとなった。

港で船長に検量してもらうと、75cm4.24kg。記憶に残る石廊崎釣行であった。「あぁ~、捕れてよかった!」

小サバ泳がせ釣りで75cmヒラスズキ フカセタックルで25分間の激闘制す
ヒラスズキ料理の数々(提供:TSURINEWSライター塩田哲雄)


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<塩田哲雄/TSURINEWSライター>

▼この釣り場について
橋本屋
出船場所:本瀬港
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