時に釣り人を襲う継ぎ目の固着。そんな事態に襲われた時、自宅で外すことは可能だろうか?頑固な固着との格闘をレポート!
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター奥森悠)
竿の固着とは?
竿の固着というのは、継ぎ目同士が字のごとく何らかの原因で硬くくっつき微塵も動かない状態のことである。継ぎ目の間に砂や鱗などが入り込む、竿を延ばす際継ぎ目同士に強い力が加えられた、竿が水で濡れているなど原因は様々。
小継ぎ振り出し竿
今回格闘した竿は長さ3m、小継ぎの振り出し竿だ。固着が起きる前日、その竿を使い、海釣りでムツとウミタナゴをぽつぽつと釣り上げ堤防釣りを楽しんだ。すぐに片づければいいものを、翌日に竿の手入れを持ち越してしまった。
ざっと水洗いし、竿の外回りをタオルで拭き、継ぎを短くして片付け終了と思った矢先。11番と12番の継ぎ目が動かない。固着だ…。その時はこんなのよくあることと、そんな風に簡単に考えていたのが甘かった。

濡らして捻る
まずは固着部位以外に影響が及ばないように、竿の根元の蓋を外し該当箇所だけを取り出す。固着の原因と解除方法を知らなかったこの時、最初に試したのは、水が潤滑剤になるのでは?と思い固着部を水道水で濡らした。
そしてとにかく力ずくで捻る!とにかく捻る!だが…びくともしない。そして当然だが水作戦はあえなく失敗したのだった。というかこの処置が固着を強めていたかもしれないことを、チャレンジ半ばまで知らないままだったのである。
床に打ちつける
ようやくこの時点でネットに同じような事例がないか調べはじめた。いくつかある中で試せそうだと感じた策がある。持ち手に近い継ぎ手が固着しているので、固着している箇所と、その次の継も用意し、固着した箇所を入れて強めにトントンと床に打ちつけるというものだ。
潤滑油も微妙
次に試したのは潤滑油をさすことである。自転車用の潤滑油を使用したが、固着部の継ぎ目がぎちぎちで隙間がなく、竿はべとべとになるわで結局手ごたえはなかった。
乾燥させてハンマーで叩く
そもそも濡れている事が原因と推測し、半日の乾燥タイムに入った。ネットで得た情報と試してみた感覚から、力を加える方向はあっているように感じる。ただ竿が破損しそうで、いまいち固着部に力を入れられてない気もするのだ。もう少し、局所的に強い安全な力を入れる道具……。そこで思いついたのがプラスチックハンマー。
固着継をカーペットの上で立て、釘を打つようなイメージで、慎重にコツコツと叩く。効いているような気もするが、やはり竿が裂けそうな絵面が頭をよぎり中断。何かもっと弾力性があって、力も入れられそうなそんなもの…。あった…!ゴムハンマーだ。

固着の原因は「水」
さてここまで書いた中で、釣り人なら固着の原因に気づいたことだろう。大きな原因は水気をきっちりと拭かず、なおかつ乾燥しないまましまおうとした事である。固着解除の際に水に改めて浸けたことなど言語道断なのだった。竿が完全に乾燥しているならば、潤滑油なども効果を持つかもしれない。
固着解除した際、継ぎ目をよく観察すると、接合部はかなり濡れていた。また鱗や砂、ゴミなどは見つからなかったため、今回の原因はほぼ水といって間違いないだろう。
釣具店に相談が正解
あくまで自宅解除にこだわって今回だが、やってみた経験として言えるなら、無理はしないことに限る。そこでどこかに頼れないだろうかと、竿を購入した釣具店に固着の件を相談してみた。すると、無理をせず持って来てくだされば対応しますよ、と親切丁寧なお返事いただけたのである。今回は竿が折れずに済んだが、解除までに竿が受けたダメージは計り知れない。
もし自宅で解除チャレンジする場合は、くれぐれも自己責任のもとで行っていただきたい。そして難しそうだと感じたら、無理せずプロのお力を借りていただきたい限りである。
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<奥森悠/TSURINEWSライター>
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