6月28日(火)、東京湾鶴見潮見橋の新明丸に乗船。「照りゴチ」とも呼ばれる夏マゴチを取材した。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 江藤沙織)
新明丸でマゴチ狙い
6時すぎに船宿へ。受け付けを済ませ、徒歩2分ほどの船着場に向かう。この日はマゴチのほか、マダコ船とフグ船が出船。それぞれの釣り座にはすでに釣り人が集まり始め、準備をしながら談笑していた。

この日は全員がマゴチ釣り経験者で、中には週イチで船に乗っている常連客も。「バラシも多いし、釣れないときはまったく釣れないからね」と言われるも、それぞれこだわりの仕掛けを目の当たりにし60cm級への期待は高まる。

7時半、新明慶樹船長の操船で出発。鶴見川を抜けて東京湾に出ると「しばらく走ります」とのアナウンスとともに船は加速。8時すぎに富津沖のポイントに到着した。
エサ付けは丁寧に
開始の合図で一斉に仕掛けが投入される。エサは生きたサイマキ(小型のクルマエビ)。ツノを折り、口からツノの根元あたりへハリを刺す。頭の黒い部分へ刺すと死んでしまうので注意。マゴチ釣りでは、このエサ付けが一つ目の重要なポイントとなる。

エビが弱らないように細いハリを選んだり、トロ箱にエアーポンプを入れたり、各々工夫している。水中でエビがピョンピョン跳ねる動きが大切で、弱ってきたらすぐに取り換えよう。
一投目から本命顔見せ
開始5分、一投目で40cm級を仕留めたのは、左舷ミヨシの窪田さん(横浜市)。大きな誘いなどはかけていないように見えたが、話を伺うと10~15秒に1回タナを取り直していた。

それが誘いとなり、上げてくる途中で食いついてくると言う。こまめなタナ取りは二つ目の重要ポイントだ。
フッキングはしっかりと
窪田さんが2尾目を上げたところで移動し、大貫沖へ。ここでは、まず右舷胴の間で2本の竿を出していた山田さん(大田区)にアタリ。

しっかり食い込むように竿を送って、両手でしっかりアワせる。大きく竿がしなり本命が水面から顔を出した。
マゴチの口はツルツルしていて硬いので、しっかりアワせるのが三つ目の重要なポイントとなる。慣れていない人はアワせるときに45度あたりで止めてしまうが、両腕を耳の横まで上げて、上アゴにしっかりハリが掛かるようにしたい。
またアワせるまでの時間は、船長によるとアタリがあってから8秒くらい。それ以上待ちすぎるとエサを離してしまうため、本アタリを待たずに覚悟を決めてアワセにいくと釣果アップにつながるそうだ。
58cm頭に良型続々
9時を回ったところで、あちらこちらの竿が一気に曲がりだす。左舷胴の間では、飯塚さん(町田市)が手バネを器用にたぐり45cmをキャッチ。

先ほどの山田さんは事前に釣ってきたハゼをエサに追釣。左舷トモの中沢さん(大田区)もしっかりとアワせて、この日最大の58cm、56cmを連釣した。
ルアーはカラーローテして攻める
10時を過ぎるとアタリが減り、ジリジリとした日差しのなか辛抱の時間が訪れる。たまにあるアタリもうまくハリ掛かりせず、「あぁっ」という悲痛な叫びとともに水中に戻っていく本命の姿も。
均衡を破ったのは、ミヨシで竿を出していたこの日唯一のルアーマン・福井さん(多摩市)。サメの邪魔や水面バラシを乗り越え40cmオーバーを見事ゲットした。

ルアーマゴチでは、ボトムワインドが基本となり、なるべく遠くへキャストしたらひたすらネチネチと底を攻めていく。

福井さんはその日によって30~50gのジグヘッドを使い分け、ワームも状況に応じてオレンジや渋めのカラーをチョイス。この日は薄茶色の渋めがラッキーカラーだったようだ。
駆け引きを楽しむ
その後右舷トモの袖岡さん(立川市)にも本命が。「マゴチは食べるより釣るのが楽しいです」と言いながらニコニコとリリースする。

昼すぎ、待望の良型をゲットしたのは織江さん。アタリ自体はずっとあったが、なかなか掛けられずにいただけに、駆け引きを制し本命を手にすると笑顔が弾けた。

13時半、船は近場へ戻り東扇島公園近くや鶴見つばさ橋周辺のポイントを攻めるが、アタリは少なかった。福井さんが追釣し、15時すぎまで粘って沖上がりとなった。
マゴチは最盛期に突入
この日の釣果は、0~8尾で竿頭はハゼエサの山田さん。次が5尾で窪田さんと中沢さん、ルアー釣りの福井さんは3尾だった。
梅雨が明け、東京湾ではマゴチの最盛期を迎える。真夏には水深3mの超浅瀬での駆け引きを目で楽しめる。ハリ掛かりさせるまでのドキドキ感、アワセがガッツリ決まって弧を描く竿とマゴチの強烈な引き。江戸前高級魚との駆け引きが今熱い。
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<週刊つりニュース関東版 江藤沙織/TSURINEWS編>
▼この釣り船について新明丸
出船場所:鶴見橋
この記事は『週刊つりニュース関東版』2022年7月8日号に掲載された記事を再編集したものになります。The post 東京湾の船マゴチ釣りでトップ8尾 サオ頭は「ハゼエサ」を使用 first appeared on TSURINEWS.