シーズン終盤を迎えた北海道のヤマメ釣り。筆者個人としてはシーズンの締めくくりとなった釣行で見事32cmヤマメをキャッチ。

9月~10月にかけての複数釣行をまとめてレポートします。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター小峠龍英)

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秋色のヤマメを探して

9月末で禁漁となる本州と違い北海道では9月以降もヤマメを狙うことはできますが、個人的にはヤマメを狙うのは10月初旬までと決めています。なので9月はラストスパートということで、今までに実績のあった川のめぼしいポイントを見つけて探っていきます。

・その川にはサクラマスが遡上する
・上流に大型が身を隠せるフトコロがある
・良型の実績or目撃したことがある
・釣り人が比較的少ない

筆者は上記の条件のいくつかが該当する川は既に心当たりがあったので、そこからさらにアクセスしやすい川を選び、この9月にスキマ時間と週末を利用して通ってみました。

近隣の里川支流上流域へ

その里川は比較的自宅からも近くイワナの実績があり、ヤマメは最大8寸クラスまでしか釣ったことのない沢ですが、良型をバラしたことがあり、また上流域にある好ポイントの近くまで車で入れるので入渓に時間がかかることもありません。あらかじめ心あたりのあるポイントは調査済みだったので、ピンポイントで効率よく探っていきます。

シーズン終盤の北海道渓流ルアー釣りで32cm秋ヤマメ 1投目が超重要?
入川した小渓流(提供:TSURINEWSライター小峠龍英)

早々に28cmヤマメ

9月某日、その日は夕方に入渓して日没までの短い時間帯を狙います。入渓地点すぐ目の前にある淵と上流にある堰堤上の深みの2箇所に絞って探っていきます。

最初の淵をよく観察してみるとここでも新子がかなり溜まっており盛んにライズを繰り返しています。また落ち込み直下から流芯に沿って底が掘れているので良型が付いている可能性がありました。

4.5gのシンキングミノーを落ち込み脇の弛みに打ち込み、底まで沈めます。着底確認後すぐイトふけを巻き取り細かいトゥイッチで誘いをかけると、答えはすぐに出て食いついてきました。弧を描いたロッドに乗った重みから良型ヤマメであると確信し、落ち着いてランディングします。

ネットの中で息を荒げているヤマメはサビが入り始めたばかりで、パーマークの上に夕日に似た紅色を落としたような色彩を纏った良型。サイズは28cmと尺には少し足りないものの十分すぎる結果です。

シーズン終盤の北海道渓流ルアー釣りで32cm秋ヤマメ 1投目が超重要?
28cmのヤマメ(提供:TSURINEWSライター小峠龍英)

その後、次のポイントでまた見事な婚姻色をまとった泣き尺イワナをキャッチしてその日は終了としました。

シーズン終盤の北海道渓流ルアー釣りで32cm秋ヤマメ 1投目が超重要?
パーマークの鮮やかな泣き尺イワナ(提供:TSURINEWSライター小峠龍英)

良型狙いは1投目が重要

それから日をおいて2回ほど同じポイントを探りましたが、全くの空振りだったりと苦戦が続きます。そして9月後半、再びトライすべく日没2時間前に入渓します。この日はいつものポイントの上流も狙う計画です。

いつもの淵を観察しますがその日は新子の姿が見えません。とりあえず良型を掛けた時と同じアプローチをかけると流芯の白泡に混じって大きな影がギラリと反応を見せ、そのままチェイスを開始。細かくトゥイッチングして誘いをかけていきますがそのヤマメは一旦Uターンしてしまい、その直後に今度は別の個体が突進してバイト。8寸に少し足りないサイズでしたが、これも美しい個体。

最初に現れた個体は尺はありそうだったので再チャレンジするも、白泡の下

シーズン終盤の北海道渓流ルアー釣りで32cm秋ヤマメ 1投目が超重要?
美しいヤマメ(提供:TSURINEWSライター小峠龍英)

でギラギラと翻るばかりで途中から沈黙してしまいます。思えば今までキャッチした良型のほとんどは最初の1投で決めていたので、やはりそこでバイトに持ち込めなければ厳しいようです。

その後、上流ポイントでも良型の反応がありましたが、キャストミスでボサに引っ掛けてしまい回収のためポイントを潰すというなんとも締まらない結果で終わりました。

シーズンラスト釣行

10月初旬の週末、今シーズンのヤマメ釣りを締め括るなら尺ヤマメと、多くの良型を掛けたあのヤマメ沢でいい魚を手にして終わりたいと考えました。ここには6月から通い始めてその度に開拓してきました。

前回はちょうど1ヶ月前、かなり上流まで詰めてやっと見つけたヤマメに翻弄されて、魚影が濃いはずの場所で初のボウズという苦い結果でした。今は熊が活発になっているので森の奥に入り過ぎないように気をつけながらの遡行を心がけます。

サクラマスとヤマメのペアリング?

予想通り下流には全く魚の姿はなく、まだ多くのヤマメは上流に行っている模様。途中の実績ポイントで反応するのは新子ばかり。所々に横たわる産卵を終えたサクラマスの亡骸を横目に遡行を続けます。

シーズン終盤の北海道渓流ルアー釣りで32cm秋ヤマメ 1投目が超重要?
サクラマスの亡骸(提供:TSURINEWSライター小峠龍英)

そんな中、夏に良型の実績がある岩盤帯の淵まできた時に衝撃の光景を目にします。60cmはありそうなサクラマスが水面近くを旋回し、その半分のサイズのヤマメが後ろに付いて追いかけています。ペアリングだと思い、岩陰に隠れてしばらく観察していると、なんとサクラマスが水飛沫を上げながらヤマメを追い出すような行動を取り始めます。サクラマスはヤマメに体当たりをかますとそのまま流れに乗って下流に降り消えていきました。

ヤマメの方を見ると水面近くをウロウロしています。北海道では河川残留型のヤマメは全て雄なのできっと雌のサクラマスにペアを申し込んで手酷く振られた様子。

32cmヤマメをキャッチ

そこからまたしばらく観察するもサクラマスが戻ってくる様子はなく、ヤマメは表層をぼんやりとした様子で時々もじりながら淵尻の自分の縄張りを守っているようです。こちらの存在には気がついてない模様。

そこでヤマメカラーのミノーを目と鼻の先に通して反応を引き出す作戦を取ることに。

間違いなくチャンスは一度きりなので丁寧なアプローチを心がけ、枯れ木に身を隠しながら上流にミノーをキャスト。着水後すぐにトゥイッチを刻みながらヤマメのステイしている淵尻目掛けて早めのリトリーブで引いて行きます。

1投でヒット

ミノーに気がついたヤマメはイライラを隠さずミノーに向かって突進、電光石火のバイトでしたがトゥイッチングのリズムとバイトのタイミングがばっちりだったのでそのままフッキング成功。ラインテンションを保ちながら河原に身を乗り出して一気にネットすくい上げました。

ネットを覗き込むと見事な体高と落ちた鼻先をもった立派な個体。サビてブナ化が進んでいるものの真っ黒というよりかは緑色と茶色が混ざったような体色に、紅い側線が走り尾鰭まで続いています。サイズを測ると32cm。これ以上ない結果にそれまでの遡行の疲れも吹き飛びます。ささっと撮影を済ませヤマメを流れに返すと勢いよくすっ飛んでいきました。彼がパートナーを見つけることを祈りつつ帰路につきました。

シーズン終盤の北海道渓流ルアー釣りで32cm秋ヤマメ 1投目が超重要?
ヤマメシーズンを締め括る尺ヤマメ(提供:TSURINEWSライター小峠龍英)

ヤマメシーズン最高の締めくくり

ヤマメシーズンの最後を尺クラスで締め括ることができたので、ヤマメに関しては心残りはありません。北海道で渓流釣りができるのもあと2ヶ月あまり、アメマスなどこれから面白くなるターゲットもいるので、安全第一で駆け抜けていきたいところです。

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<小峠龍英/TSURINEWSライター>

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