外房屈指の地磯「黒鼻の磯」に行ってきました。狙いはこの時期脂がノリノリの寒ウツボ。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)
黒鼻の磯
勝浦の市街地よりやや南に位置する、外房屈指の高難度入釣経路を誇る地磯。ウェーダー着用しなければならない経路こそ存在しないものの、山を越えていくルートは過酷。どのポイントも上り下りともにロープセクション(崖)となっていて、尾根伝いの縦走路は、一歩足を踏み外せば海に真っ逆さま、という、高所恐怖症の釣り人を拒む釣り場となっております。

魚影の濃さ
しかし、魚影に関してはそれに比例した濃さが期待でき、また、グレ等の上物から、イシダイ、イシガキダイといった石物、カゴ釣りでアジやイサキ、サヨリ、ルアーでヒラスズキや青物等、色々な魚種を狙うことができる釣り場でもあります。
美しい景色も
そしてこの磯の最大の魅力は、何といっても他では味わえない美しい景色。苦労して上った山頂の尾根から眺める朝日、釣り場から望む水平線は、防波堤や船から見ることができるものとはまた違った趣があり、釣り人の心を癒してくれます。
なお、黒鼻の磯への入釣経路については、今回の釣行にて確認した所、有料駐車場の区画が若干変わっていたものの、以前命懸け?にて調査した時とほとんど変わっていないようだったので(突端へのルートは目視にて確認)、こちらもあわせて参考にしていただければと思います。
外房屈指の実績を持つ地磯『黒鼻の磯』 ポイント&ルートを詳細解説
同行者も感激した風景(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)単独で行くには危険な釣り場ということで、最近はほぼ沖専門釣り師になっている友人を、お清め二本の対価にて付き合わせることに。船から見えるものとは全く別物の朝日に感激、とのことでした。
「これで釣れれば最高!」
ま、経験上間違いなく釣れます。
磯ウツボ釣りのタックル
防波堤から狙うものとは違い、磯から狙うには少々本格的な道具を揃える必要があります。
竿
黒鼻はどこのポイントも手前からある程度の水深があって、かつ障害物も磯にしては少なく、掛かった魚を寄せるのにあまり苦労はしないのですが、それでもある程度長めの竿が扱いやすいです。
さらにメーター級も多く潜んでいることから、フカセ釣りで使用する1~2号の磯竿は不向き。
投げ竿や万能竿(ちょい投げ竿)なら、できれば4.5m位、最低でも2.7mのもので、オモリ負荷20~30号を選ぶと良いでしょう。
セットしたピトンと4号磯竿(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)リールと糸
イシダイ用なら勿論、ちょい投げがやりやすいスピニングリールでも問題はありません。ただし、できるだけ強いものがおすすめ。4000番クラスがあればベター。糸はPEライン3号以上、根ズレ対策にナイロン10号以上を2m程度連結させておくと安心。因みにドラグはガチガチで。
仕掛けとエサ
仕掛けは今回、イシダイ用ワイヤーハリスのものと、遠投マダイ仕掛けを持ち込みました。これじゃなければダメ、といったものはないのですが、ウツボは歯が鋭い、磯は特に根に潜られやすい、このポイントは大型が出やすい等を基準に準備するといいかと思います。
エサは身エサなら何でもよく、筆者は今回、釣具屋にて購入した深場用のサバタンを持ち込みました。
仕掛け(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)その他
磯用竿受けことピトン。大物が掛かると竿ごと持っていかれる可能性があるので、これと尻手ロープは必需品となります。また、異色の道具としてはハンマー。ピトンを固定するための木材(筆者は割り箸利用)を打ち込むのに使用する他、ウツボの頭を打撃して弱らせることにも使用できます。
朝7時に到着
いつもの釣りよりもゆっくり家を出て、途中千葉在住の同行者をピックアップし、7時に釣り場近くの駐車場到着。背負子に荷物を括り付け、磯へ向かいます。本来ならもっと早い時間に到着したかったのですが、暗い山道はヘッドライト装着でも危険と判断し、この時間を目指すことに。
荷物は背負子に(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)「釣り場近くの駐車場」から30分かけ、黒鼻の磯の一番手前のポイントに到着しました。ロープセクション終点地点左側の高台は既にイシダイ師が陣取っていたのですが、右側のアリーナは開いていたので、ここに釣り座を構えることにします。同行者は早速準備。私は……ちょっと休憩。既に翌日の全身筋肉痛は決定(汗)。
一日500円の駐車場(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)出だしはアタリなく
到着直後は下げ止まりの時間、ということもあり、仕掛けを打ち込むもアタリはなし。暇なので散歩がてらにイシダイ釣り師の方たちの様子を見に行くと、実は昨日もここへ来たのこと。「冬のイシダイは一日やってアタリ一回あるかないか」って笑いながら話していました。何といいますか、この時、究極の「釣り人の性」をしみじみ実感。
本格イシダイ釣りの光景(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)105cm大型寒ウツボ登場!
朝食の菓子パンを頬張り、同行者とおしゃべりしていると、筆者の竿先がツンツン。風による揺れではなく、明らかな生命反応だったのですが、ウツボにしては微妙なアタリだったのでしばらく放置するも、今度は竿先に根掛り風の違和感。
逆にこの違和感の方がウツボのアタリっぽかったので、思いっきりアワセを入れて、ドラグフルロックのリールをゴリ巻き。
投入ごとにアタリ連発
この1匹でスイッチが入ったのか、ここから後は投入ごとに明確なアタリがあり、釣れるか、潜られて根掛りかの二択といったパターン。出だしの30分が嘘のように忙しくなり、2時間後、エサのサバタンが尽きた所で納竿。十二分の釣果で2023年初釣りを終えました。
釣れた数だけ仕掛けがダメに(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)安全第一で
ロープセクション多く含むルート、足場の悪い磯という釣り場、そしてターゲットは磯のギャングことウツボ。今回は新年早々、危険な香りプンプンの釣行で、実際、ほろ酔いの同行者がウツボに噛まれてしまうというアクシデントに見舞われてしまいました。幸い、噛んだウツボは小型であったため、少々の出血で済み、大事には至らなかったのですが……結構痛かったそうです。
現実問題、今回に関しては「オススメです!」とは言い難いポイント、そして釣物。もし興味がありましたら、充分な安全対策の上、決して無理はぜず、必ず複数人にて、そして場合によっては引き返す決断も選択肢に含めた計画を。
ロープセクション(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)寒ウツボは美味しい!
夏のウツボも美味しいですが、冬のウツボは脂のノリが全然違います。特に肛門より頭側半分は小骨がほとんどなく、しっかりした身はどこか上質な鶏肉にも似ていることから、今回はチキン南蛮ならぬ「ウツボ南蛮」にしてみました。ジューシーでとても美味しかったです。
ウツボ南蛮はタルタルソースたっぷりがポイント(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)意外と知らないウツボの生態 見た目は凶暴だが性格は温厚?
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<尾崎大祐/TSURINEWSライター>
▼この釣り場について黒鼻の磯
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