北海道の3月は、寒さも和らぎます。今回は筆者が、普段は素通りしていた二級河川の下流域を通り掛かったとき、アメマスが鮭の稚魚を捕食していたと思われるライズを目撃しました。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター小峠龍英)
トラウトルアーフィッシングが開幕
3月、北海道の寒さが和らぎはじめるころに、筆者のトラウトルアーフィッシングが開幕します。いつもは個人的な好みから、支流の小渓流や単独河川を探るのが定番です。
そんな釣行からの帰り道、普段は素通りする二級河川の下流域を通りかかったときに、国道から水面が爆ぜる光景を目撃。
そういえばこの日は、本流用のロッドを車に積み込んでいたのでした。これはチャンスです。

鮭の稚魚をアメマスが捕食
昨秋の北海道は、鮭が豊漁でその二級河川の上流域でも遡上を確認していました。考えてみれば水温がゆっくり上がりはじめるいまが、まさに鮭の稚魚の出始め。目撃したライズが、もしアメマスが鮭の稚魚を捕食していた瞬間ならこれはチャンスです。
いままで竿を出したこともなければ、釣り人を見かけたこともないポイントだったので、期待もせずに軽い気持ちでキャストしていきます。最初の10分は予想通り何も起きず、”ライズはおそらく水鳥だったのではないか”、まあそんなもんかと帰ろうとしたそのときに、目の前のブレイクラインで再び水面が爆ぜます。
そこでスプーンから70mmのサスペンドミノーに切り替えキャスト、軽いジャークで誘っていくとギュンギュンと何かがチェイスしてくるのが見えました。回収までチェイスしてきたそのアメマスは、バイトに持ち込むことはできませんでしたがこれは貴重なデータです。
出直し釣行で大型アメマスヒット
数日後、再びそのポイントを探るべく川辺に降り立ちました。天気は晴天微風。
パイロットルアーである7gのスプーンを、アップクロスでキャストして、かけ上がりを引いていくこと5投目。突然ロッドに重みが乗り、とりあえずグイッと煽ると猛烈なダッシュで引き出されていくライン。そのロケットダッシュから、あり得ないことながらサクラマスかとも思いましたが、首振り一回でドラグが鳴る剛力はまちがいなく大型のアメマス。
浅場を魚の動きに合わせて移動しながら、のされないようにドラグを調節しロッドを立ててラインテンションを保つことに集中します。
15分の格闘で63cm堂々浮上
しばらく、一進一退を繰り返すも魚はいまだ20m先、”ゴボン!!”と水面を裂きながら抵抗しています。焦らず落ち着きを保ちながら、ゆっくり引き寄せること約15分、ようやく岸際に引き寄せ、ネットに納めることができました。
50cmクラスのトラウトなら問題なく収まる、本流用ランディングネットの全長を超える大きさのアメマスが、目の前で息を荒げています。
メジャーを当てると63cm、秋にキャッチした64cmの個体と比べると、銀がかった体色は雪代で磨かれたかのような輝きです。そして、ミサイルのように尖った頭と三口に割れた顎の先端は、この魚がイワナであることを物語っています。

極寒期を海で過ごし、豊富なエサをたらふく食べているのか極太のコンディション。海岸から10kmも離れていないポイントなので、おそらく鮭の稚魚を求めて汽水域に侵入してきた個体でしょう。
しっかりと回復させてからリリースすると、背鰭で水面を切り裂きながら流れに帰っていく姿は、某怪獣王を思わせる風格がありました。
35cmニジマスも登場
アメマスを流れに帰したあと、さらに下流に釣り下ります。すでに大満足な中、50mmのミノーを縦にチョンチョンとトゥイッチして誘っていきます。
岸際からドン深になったポイントに差し掛かったころ、ギラつきながらミノーを下から食いあげるようなバイトがあり、すかさずアワセを入れると小気味よいファイト。
アメマスかと思いきやジャンプを繰り返す姿は想定外のニジマス、サイズこそ35cmほどでしたがピンクのヒレが美しい素晴らしい個体でした。
極太の大物に加え、美しいニジマスもキャッチ、少々でき過ぎな新規開拓でした。

雪代本格化までの短いシーズン
本流の釣りは、雪代が本格化するまでの3週間ほどという短さです。
鮭の稚魚パターンや、遡上・降海のタイミングがうまく噛み合えば、よい結果を得られる反面、融雪のスピードが想定より早かったり、降雨があれば一気に状況が変わったりして釣りが格段に難しくなります。
もしかすると、今回が少ないチャンスのひとつだったかもしれません。(実際、この釣行のあと2回ほど竿を出しましたが結果は出ませんでした。)
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<小峠龍英/TSURINEWSライター>
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