海外では高級魚扱いながら、日本ではそこまででもないシタビラメ。見た目のせいもあり、ちょっとユニークな名前で呼ばれる種類があります。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
海外では高級魚なシタビラメ
我が国では安価なおかず用の魚でありながら、海外では高級食材として珍重されているものがあります。そのひとつがシタビラメ。
シタビラメは、ヒラメやカレイのシルエットをどろんとさせたような見た目の魚です。身の味わいは淡白で、身も薄く、和食では煮付けなどの家庭的な料理に用いられますが、いわゆる惣菜魚です。

しかし一方でその身はバターとの相性がとても良く、身が薄いこともあってムニエルにするとパリッと仕上がることから、素材としてたいへん好まれています。高級フレンチでも使われることもしばしばです。
「舌」でもあり「足」でもある
シタビラメは漢字で書くと「舌平目」。その前半身のシルエットが舌に似ていること、またヒラメと同じカレイ目の魚で平べったいことからこのように名付けられました。

一方で地方名は「ゲタ」「クツゾコ」など履物に例えるものが多いのが特徴です。これはその平べったさが履物の底地やや中敷きを彷彿とさせるためでしょう。
面白いのは英名でも「タンフィッシュ(舌魚)」「ソール(靴の中敷き)」と呼ばれていることです。「中敷きのムニエル」が高級料理だなんて、初めて聞いた時にはちょっと想像がしづらいかもしれませんね。
もっとユニークな名前も
さて、シタビラメのなかにはもっと独特な地方名をもつものもいます。
たとえば、日本におけるシタビラメの最大種であるオオシタビラメ。

また、シマウシノシタという種類はその名の通り、黒と灰色、白の3色の縞で体表(背面)が覆われています。その色合いがお葬式をイメージさせることから「葬式ゲタ」というちょっと不吉な名前で呼ばれることがあるそうです。
ちなみにこのシマウシノシタ、福岡県の一部ではサザンガバアバアなる呼ばれ方をしているそうです。由来はいったいなんなのでしょうか……?
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<脇本 哲朗/サカナ研究所>
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