雨の後に少し増水した河川は、渓魚達が活発にエサを追うパラダイスだ。今回は、増水した河川での釣行時における対策と、著者が考える「増水時の釣り方のコツ」を紹介しよう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・荻野祐樹)
増水時に気をつけること
著者の「渓流エサ釣りにおける【河川増水時の安全対策とメリット&デメリット】」記事で詳しく紹介したが、まず安全面を十分に考慮して釣行することが何よりも重要だ。
ここをクリアすれば後は実釣となるのだが、増水時は水量が増えて水深が増し、水圧(流れ)は強くなり、濁りが入る。これらの状況変化を上手く利用する事で、より良い釣果に繋げることが出来る。
渓流エサ釣りにおける【河川増水時の安全対策とメリット&デメリット】を徹底解説
水量が増えることに対する対策
まずは水量が増える(水深が増す)事に対する対策を紹介していこう。
オモリを重くする
軽いオモリだと底流れを捉えることが出来ないばかりか、エサが吹き上がってしまい上手く流せない可能性が高いので、ワンサイズ大きなオモリを使って対応しよう。
著者の以前の記事でもオモリの使い分けを紹介しているので、参考にしてほしい。
「これができれば脱初心者!」渓流エサ釣りにおける【オモリの重さ使い分け術】
ラインはワンサイズ太いものを
良型がヒットする確率が高いという事もあるが、増水時にヒットすると流れの強さ(重さ)も加わってラインブレイクが増える。より確実に仕留める為に、普段よりワンサイズ太いものを使用するのがおすすめだ。
目立つエサを使用する
小さな川虫を流すのも時として効果的だが、基本的にはミミズやクロカワムシ、オニチョロといった大きくて目立つエサを使用すると食いが良いことが多い。積極的に使用しよう。
増水時に狙うべきポイント
次に、増水した時に狙い目となるポイントを紹介しよう。
元の水量が少ない支流は穴場
元の水量が少ない細い支流は、普段は釣りにくいため釣り荒れしていない事が多い。下の写真を見て欲しい。
本流は濁っている(提供:TSURINEWSライター・荻野祐樹)これはある日の本流の様子なのだが、ご覧の通り増水して濁っている。ところが、ほんの少し先にある支流の様子が下の写真だ。
支流の水は透き通っていた(提供:TSURINEWSライター・荻野祐樹)このように、雨の降り方によっては本流と支流で大きく状況が異なる場合がある。また、増水したことにより本流から魚が遡上していて、意外な釣果を得ることが出来るかもしれないので、細い支流も選択肢に入れておこう。
支流と本流の合流点付近を狙う
河川の合流点は、支流から多くのエサが流れて集まってくるため、魚のたまり場になっている。また、合流点付近よりやや下流側にある、流れが緩やかになった場所に良型が潜んでいることが多いので、こういった場所は普段から目星を付けておくと良いだろう。
流れのヨレを狙う
増水時は水流が強くなっているため、流心から少し外れたヨレている場所に魚が集まっていることが多い。
増水時にヒットしたポイント(提供:TSURINEWSライター・荻野祐樹)こちらの写真の赤丸の部分は実際にヒットした場所だが、流れがぶつかってヨレており、流れは見た目以上にゆっくりになっていた。こういった場所を見極めるのが、増水時に釣果を伸ばすコツだ。
雨が降ったらミミズといわれる理由
渓流エサ釣りにおいて大昔から言われているのが、「渓流釣りは雨が降ったらミミズ」。これがある意味一番の増水対策だ。その理由を解説していこう。
サイズと動きでよく目立つ
先述したように、ミミズは渓流釣りで使用される餌の中では特にシルエットが大きい。また、どのエサよりもよく動くため、濁りが入った河川でも渓魚に発見されやすい。
匂いが強い
川虫と違い、ミミズの体液は非常に匂いが強い。この独特の匂いが魚の食い気を刺激すると言われている。
普段から食べ慣れているエサ
雨が降るとあちこちの土砂が川に流入し、結果として水の濁りを産む。この土砂が流入する際、土の中にいたミミズも一緒に川に流れてくるので、渓魚達は(雨天時に)ミミズを食べ慣れている。
実際、雨天時に釣ったアマゴの腹からはよくミミズが出てくる。
著者の釣り方を紹介
では、実際に「増水時に行う釣り」というのはどのようなものなのか。著者の釣り方を紹介しよう。
ワンサイズ大きな針を使用
増水時は渓魚達の警戒心が和らぐため、ワンサイズ大きな魚が期待できる。大きなエサを使用する事も多いので、普段よりワンサイズ大きな針を使用するとフッキング率が上がるのでおすすめだ。
オモリを打つ位置を少し上に
基本的に針の20cm~25㎝ほど上にオモリを打つのが一般的だが、増水時は水深が深くなり水流も強くなるので、エサがより自然に流れるよう、普段より少し上にオモリを打つのが効果的だ。
著者は(ポイントの水深にもよるが)25cm~30cm程度を目安にしている。
普段スルーする小場所も狙う
水深が深くなっている事により、強い流れを避けた渓魚達は小場所にも避難している可能性が高い。普段なら釣りにならないような場所で思わぬ良型がヒットする事もあるのが、増水時の楽しみと言える。
夏場はこんな場所でもヒットする(提供:TSURINEWSライター・荻野祐樹)流れの尻までしっかりと流す
流心脇に仕掛けを投入して仕掛けを馴染ませ、流れに沿って流し始めたら、流れ終わりの尻までしっかりと仕掛けを流そう。普段ヒットしないような浅瀬であっても、増水時ならある程度深くなっているため、案外普通に食ってくる。
安全面の対策を立てて挑もう
「雨が降ると河川はリセットされる」と言われるように、纏まった雨が降れば釣り荒れていたポイントもサラ場となることが多い。特に、大雨が降って2~3日ほど経過し、少し水位が引き始めて流れが落ち着きだした頃が最高のタイミングだ。
この時に釣行できれば釣果はカタイので、常に天候に気を配り、安全を確保した上で楽しんでほしい。
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<荻野祐樹/TSURINEWSライター>
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