例年、伊豆半島では1月から3月、厳寒期を含めて、エサ取りがある程度は気にならないレベルになり、良型口太メジナを狙って釣りやすくなる。ちょうどこの時期は、口太メジナの産卵時期。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・塩田哲雄)
伊豆半島のメジナ釣り
4月の声を聞く頃になると、産卵を終えたメジナもいれば、まだ終えていないメジナも絶対数は少ないがいて、エサ取りがそろそろ煩くはなる時期だが、良型メジナを釣ることができる。
それと同時に、上がった磯にもよるが、メジナ釣りをしていて黒鯛が釣れてくることがある。そうなってくるとぼちぼち産卵期のメジナ釣りも終盤となる。
この頃は冬の潮から春の潮へとの転換期となり、水温の変動が大きいこともあり、メジナの食いが極端に落ちる時期となる。今年は特に食いが渋い状態が伊豆半島何処でも多かったように感じる。私もメジナの釣果ゼロの釣行が何度も続いてしまった。
5月は口太と尾長の両方が狙える
5月になると海水温19℃~20℃に上昇するが、海底の水温はまだ低いことも多く安定しない。一日コンスタントにメジナが釣れるなんて事はあまりなく、潮が動くタイミングに単発で食い気があるメジナが口を使ってくれる程度。
それでも、産卵後の体力を回復し出した口太メジナと水温が上昇して活性が上がってきた尾長メジナの両方が狙える時期でもある。
もちろんエサ取りの活性も相当にヒートアップしてくるが、メジナのやる気が上がればエサ取りを蹴散らしてエサを食ってくれるので、この時期ならではの釣りとして十分楽しめる。
西伊豆田子へ釣行
ちょうど、主宰している磯釣り奨励会の5月月例会をどうしようか天気予報を見ると、前日夕方から夜に掛けて南西風がやや強く吹き、当日朝には北東風に変わると出ていた。南伊豆方面は少しウネリが高くなりそうなので、今回は西伊豆の田子へ釣行することとした。
田子地区の沖磯なら、口太メジナも尾長メジナも両方狙えるから楽しみだ。向かったのは5月14日。

渡船にはフカセ釣り、アオリイカを狙うヤエン釣り、エギング、等多くの釣り人が乗船している。渡船は港に近い場所から降ろしていき、私は仲間と田子の沖に位置する雄島の前にある三本という名前の独立磯に渡礁した。

使用したコマセ&タックル
渡礁した仲間とじゃんけんをして釣り座を決めた。じゃんけんに勝った人から好きな場所に入り、後半は選択権のない人が優先するルール。
釣り座が決まればまずはコマセ作り。一日分としてオキアミ9kgに、超遠投グレ、グレパワーV9スペシャル、グレパワー沖撃ちスペシャル各1袋。これらを2回に分けて作った。付けエサは、くわせオキアミスペシャルMダブルパック。

エサ取り対策もあるが、生のオキアミでは食いが落ちる場合に加工エサは効果的。組んだタックル、竿はがま磯インテッサGⅤ1.25号5m、リールは22トーナメントISO競技LBD、
ミチイトは銀鱗SSブラックマスターエクストラ1.75号、ハリスは、トヨフロンスーパーLEXハイパー2号10m。ハリスの中にウキ仕掛けを入れた。

ウキは塩田ウキSサイズG2号。00号から始めようかと考えたが、意外にもウネリが少し高い状況で、時折サラシが磯の周辺にできることから、G2号レベルの浮力なら仕掛けを安定させやすいと選んだ。

いよいよ釣り開始
私は真西を向いた足場の高い釣り座の右カドに入り、仲間の八木さんが左側に少し離れて並んで入った。磯際にコマセを撒くと、スズメダイ、チョウチョウウオ、ネンブツダイが見える程度。それではと仕掛けを入れるもやはり付けエサは通らない。

エサ取りを沖に出さないように気を付けてコマセを磯際に撒き、沖のポイントとなる箇所へ数杯本命のコマセを撒いて狙った。心配した通りメジナの活性があまり良くない。付けエサが時々残ってくる。沖で時々付けエサを取るのはエサ取りの仕業だ。

あれこれ、狙う位置や仕掛けを変えながら2時間近くが経ってしまった。すると、常に潮の動きと海の中を観察しているのだが、沖に撒いたコマセの下で良い型のメジナが見え出す。潮は右から左へ緩い。じっくりとメジナの動きを観察。
31cmメジナを手中
コマセがゆっくりと沈みながら、メジナのタナと合うタイミングに仕掛けが入るようにして狙った。狙い的中!活性が上がったメジナは一発で食ってきた。ファーストヒットはサイズこそ31cmと大きくはないが、元気一杯の尾長メジナであった。

こうなると狙い方は分かったので、同じようにして33cm、35cmと尾長メジナを連発。沈黙の時間が長かったから、サイズに関係なく引きを味わえて楽しさを満喫。

釣友に43cm良型メジナがヒット
この後、ここまで同じように苦戦していた八木さんの竿が大きく曲がった。それも根元から曲がるくらい。
暫くやり取りを見て、魚が浮くタイミングに私がタモで掬った。デカイ!尾長メジナだ。体高と厚みがある良型。すぐにメジャーで計ると43cmもある。

思わず「八木ちゃん、やったね」と声を掛けた。沈み根が至る所にある中、良く取れた。
竿に伝わるかなりの重量感を感じた瞬間、ミチイトから切られてしまう。悔しい。フグか何か分からないが、ミチイトに傷がついていたようだ。釣りをしながらちゃんと点検しないといけない。
釣友に良型のアタリが集中
私がバラした後、八木さんも先程釣り上げた尾長メジナを活かしバッカンに入れて釣り座に戻ってきて釣り再開。コマセを撒くとまだその下でメジナが見えている。25cmの尾長メジナを八木さんが釣り上げた。どうやら、コマセに集まっているのは尾長メジナの群れのようだ。
ここまで釣れているのは全て尾長。と考えているとまた八木さんが大きくアワセを入れた。先程の引きに負けないほどだ。
長さ5.5mのタモでどうにか掬うことができた。これも良いサイズだ。よく見ると何と口太メジナ。尾長しか釣れてなかったから驚き。それと同時にサイズも良型なのには更に驚き。40cmの丸々と肥えた口太メジナ。40cmアップのメジナを2匹も釣るなんて、まさに八木ちゃんデーだ。

時間にして8時から10時頃の間にメジナが釣れた。しかしその後の時間帯、メジナは全く見えなくなってしまう。
魚は釣れても40cm超えのアイゴ、イズズミ、アオブダイといった他魚ばかりに終わってしまう。
入梅を迎える時期のメジナ釣り予想
例年水温は更に上昇しながら安定してくる。エサ取りの活性はかなり高くなると同時に、口太メジナ、尾長メジナ共に冬場とはまた違った強烈な引きを楽しませてくれるシーズンとなる。
エサ取り対策が良型を釣り上げられるかどうかの決め手。梅雨グレといわれる時期なので、天候によっては暑さ対策や雨天対策をしっかり準備して大型メジナを釣りに行こう。

フカセ釣り入門:グレは潮を釣れ!潮の種類と確かめ方【キホン解説】
フカセ釣りの「ウキ」徹底解説 【代表的な種類と特性・使い分け方】
釣りウキのトップメーカー『キザクラ』へ大人の工場見学 自動化と熟練の手作業が共存
<塩田哲雄/TSURINEWSライター>
The post 沖磯フカセ釣りで良型メジナを手中【静岡県・西伊豆】口太と尾長の両方を狙う first appeared on TSURINEWS.