夏と言えば夏休み!小さな子供をもつ、釣り好きパパ(勿論ママも)なら是非とも我が子を釣りに連れていきたい所。そんなパパママにリールタックルよりもお手軽な「のべ竿」釣行を、筆者の経験を基に紹介します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)
のべ竿で堤防釣り
のべ竿とはズバリ、リールを使わない竿のこと。竿先に糸を結び、一部特殊な釣り物を除き、そのまま竿の長さ分の仕掛けとなる、とてもシンプルな竿のことを指します。
その特性から、比較的浅い水深の河川や湖沼が主戦場となる「淡水釣り」に適しており、「海釣り」の竿としてはあまり適していないと思われがち。
しかし、ドン深の岸壁や堤防であれば、足元に魚が溜まっていることも多いので、のべ竿での釣りは大いに可能。近年は「投げ釣り禁止」の釣り場も増えてきていることを考えると、今後この「のべ竿」での釣りをもっと見直してよいのではと思います。
豆アジ・イワシ・サヨリ釣り
50歳になってしまった今でこそ、船長エスコートによる船釣りが釣りの中心となってしまい、陸っぱり釣りはハゼ釣り以外、千葉在住の友人に「今釣れているよ~」と、誘われたら行く程度になってしまったのですが、10数年前までは南房(冨浦周辺)や外房(勝浦周辺)に単独でよく出かけました。
ターゲットその1は、サビキで狙う豆アジやイワシ、ウキ釣りで狙うサヨリ。一般的には3~4mの万能リール竿や、1~2号程度の磯竿で狙うことが多いと思われがちですが、朝マヅメや夕マヅメ(特に常夜灯付近)では、アジやイワシの群れは浮いていることが多い他、サヨリは日中でも水面に群れがまわってくるほど。

双方ともに、手返しの良い「のべ竿」が案外有利だったりします。しかも、横着な筆者が好む、置き竿釣法が可能なトリックサビキと呼ばれる、いわゆるエサ釣り(アミエビ使用)は、遠投はおろか、ちょい投げでもエサがはずれてしまうので、むしろ投げ釣り不向き。足場から水面まで高さがあるポイントを除き、筆者は基本、のべ竿を主に、念のためリール竿を予備として車に積んでおく程度です。
とはいえ、魚が底にいる場合も多い(特に日中)ので、持ち込む竿の長さは長い方が有利。また、仕掛けの長さが1m以上あることから、竿の長さは、4~5mはほしい所。中には、8~9mの鮎竿でやっている方も見かけたことがあります。

サヨリは専用仕掛けを
また、神出鬼没に群れがやってくるサヨリ釣りを足元で楽しめるのも、港内や防波堤釣りの良い所。サヨリはサビキ仕掛けでも釣れるのですが、姿がサンマのように細長く、針に掛かるとアジやイワシよりも暴れるので、針間隔が短いトリックサビキに掛かると高確率で巻き付いてしてしまい、2匹、3匹と掛かると、仕掛けを確実にダメにしてしまいます。

お盆過ぎ辺りから出現率が段々と増してくるので、この時期以降にサヨリの実績があるポイントへ出かける際は、専用の1~2本針仕掛けとオキアミやイソメを持っておくと良いでしょう。因みに筆者の釣り仲間は「紀文のはんぺん」がおすすめエサとの持論があり、実際これで釣っていました。

ハゼ釣り
出だしは河口付近の川で主に釣れていたハゼは、お盆を過ぎた辺りから海でも釣れるようになってきます。筆者が主に向かうポイントは千葉県の上総湊周辺。湾内で竿を出せば、掛かる魚はほぼハゼですが、防波堤で竿を出せば、シロギスやイシモチ等、意外なゲストが混じることもしばしば。

五目要素が高くなるのも海ならでは。竿は、ミャク釣りであればどちらかというとリール竿に分があるものの、ウキ釣りの場合は、のべ竿が断然おすすめ。基本長い竿の方が広範囲を狙えるので有利なのですが、遠めを狙うよりも、むしろ底が見える位水深が浅い足元(ヘチ)の方が、魚が溜まっている場合も多いので、場所によっては2~3mの竿で手返しよくやる方が有利且つ面白いこともある位。

海でやるハゼ釣りは、潮の影響をモロに受けるので、入れ喰いの日(時間帯)もあれば、誘わないと喰わない日もてきめんにあったりと、流れのある川での釣りよりも一段と奥が深い一面も見え隠れしますが、それでも他の釣り物に比べてお手軽な釣り物。仕掛けもシンプルで、狙う棚もべた底一択なので、置き竿でもOKです。

リールタックルも予備として
サビキ釣り、ウキ釣りの他、壁スレスレの探り釣りも可能。のべ竿って、ドン深な岸壁や堤防であれば、意外と色々な釣りが楽しめます。
のべ竿は、リールがないので手返しよく、そして軽く、またガイドがないので風があっても絡みづらいといった特徴があるので、初心者に持たせるには好都合である他、玄人でも、状況により手返しアップにつながります。
とはいえ、釣り場によって、状況によっては、のべ竿では釣りにならないケースがあるのも否めないところ。足場から高さがあったりとか、水深が竿の長さ以上あって魚が底にいたりとか。慣れない釣り場に行く際は、事前に釣り場の情報を仕入れておく他、場合によっては、保険としてのリールタックルも車に積んでおくと安心、という一言も一応付け加えておきます。

岸壁や堤防は、足場が良く、そして足元から深く、とても釣りに適しているのですが、それは本来、船が安全に着岸、係留させるためのもの。船が入ってきた時は、できるだけ早く撤収するとともに、ゴミは必ず持ち帰る等、マナーを守り、気持ちよく釣りを楽しみましょう。
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<尾崎大祐/TSURINEWSライター>
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