昨シーズンの今頃は尺ヤマメを狙って山奥の渓流に出かけては狡猾な大物に翻弄される釣行を繰り返していました。その甲斐もあって昨シーズンは4尾もの尺ヤマメを手にできました。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター小峠龍英)
初日は友人との釣行
その日は関西からの友人を案内していました。前日はイワナ狙いだったので近場でのヤマメ狙いという事で小雨が降るなか某小渓流に行くことに。入渓直後から反応は多いものの、初めてのピンスポットキャストを求められる沢に友人はかなり翻弄されていました。
そんな友人を尻目に浅瀬に倒木が刺さるポイントでいきなりかかったのはなんと27cmの良型ヤマメ。そのヤマメは静かに横たわっていましたが写真を取ろうとした瞬間、狙いすましたかのように遁走していきました。かなり賢い個体だったのでしょう。
深場で26cmヤマメ
友人をアシストしながら到着したポイントは迫り出した枝が落ち込みをカバーしている好ポイント。友人に先を譲るもボサに引っ掛けてしまい、回収前に自分がトライするということで45cmのバルサミノーを落ち込みに投げ込みます。結構深い場所なので少しだけラインを送り込み、落ち込み下に付いているであろう魚にアピールします。

チョンチョンとヒラ打ちさせながら引いて行くとスーっと落ち込みから黒い影が徐々にスピードを上げながらミノーの背後にピッタリついてくるのが見えました。その瞬間、モサッとしたミノーを押さえつけるようなバイトがありすかさずフッキング。するとヤマメ特有のプロペラのようなグルグルローリングが始まったのでゴリ巻きで寄せて掬い上げます。サイズを測ると26cmあり、ハート型のような個性的なパーマークがとても印象的な個体でした。
2日目も27cmヤマメを手中
1週間後、小雨が降るなか私は再び同じ区間を釣り上がっていました。15から20cmほどのニジマスとヤマメをすでにキャッチしていましたがそろそろサイズアップしたいなと考え始めていた時、とあるポイントが気になりました。カーブしたチャラ瀬が右岸にぶつかり河畔林の根本を抉り懐を形成しちょうど良い流速と深さ、さらに流れと並行して縦に鎮座した倒木もあるといういかにもなポイントでした。
バッタがそこら中で跳ねていたのでミノーはチャートグリーンのシンキング4gをセレクト。アップストリームで抉れ付近から倒木に沿ってシェイクさせながら引いていきます。最初のトレースでは10cmほどの小型がジャレついてきましたがそれを無視しての2投目、抉れから何かが飛び出してミノーを咥えて反転、その瞬間が見えたのですかさず合わせを極めます。

それまでの15cmかそこらの個体とは明らかに違う重さから良型ヤマメだと感じたので焦らずラインテンションを保ちながらランディングネットに誘導します。これまたハート型に近いパーマークを持った個体でサイズは27cm。恐らくこの支流の個体群は似たようなパーマークを持っているようです。
毛虫カラーが的中?
それから小型のイワナやニジマスをポツポツと釣り上げて遡行を続けとあるポイントにたどり着きます。そのポイントは河畔林が全体をカバーし崩壊した護岸ブロックが水中に格好の隠れ家を形成していて、いつも大小問わず何かしらの魚が付いている場所です。
その日はチャートグリーンのミノーがとにかくハマっていて替えずに釣り上がっていたのでルアーはそのまま、音を立てないように抜き足差し足で姿勢を低くしてポイントにアプローチしていきます。最低限のモーションでロッドティップのアクションでミノーを飛ばしフェザーリングで勢いをコントロールしながら静かに着水させます。着水と同時に対岸水中にある護岸ブロックがら大きなヤマメが魚雷のような勢いでミノーめがけて突進、ミノーに噛み付いてきました。
しかし、まさかの遭遇でフッキングのタイミングが遅れてしまい、失敗。そのヤマメは出てきた時と同じ勢いでどこかに消えていきました。たった10秒足らずで勝負は完敗。あーあとぼやきながら足元を見ると黄緑の大きな毛虫が転がっていてさらに上流から同じ種類の毛虫が流れてくるのが見えました。人差し指ほどの大きな毛虫はヤマメにはさぞ食い出のある餌だったのでしょう、さらに毛虫とミノーの色がマッチしていたのであの勢いで突っ込んでくるのも納得でした。
3日目は43cmニジマス
前回からさらに数日後。その日の休みだったものの、昼から所用があったためまたあの里川支流で朝7時からの2時間勝負に出ることに。到着して川の様子を見ると源流付近で雨が降ったのか水が高くなっていました。

ただこの川は濁りに強く大雨が降ってもどチャ濁りになることは無く常にジンクリアな水色を維持しています。なので悪い条件ではないとむしろ期待が高まります。最初のキャストでは増水の影響でいつもはあまり見かけないサイズのイワナがヒットして尚更期待値が上がっていきました。
期待とは裏腹に……
ところが水がヤマメにとって高すぎるのかヤマメからの反応がほとんどありません。代わりに小型のニジマスがコンスタントに釣れていきます。この川で釣れるトラウトはヤマメとニジマスが大半を占めているのですが特にニジマスのサイズはあまり期待できない川でもあります。
激流の魚道
この川には一定間隔で古い堰堤と魚道が設置されており、増水事には激流と化す箇所もあります。その日も増水の影響で魚道付近の流速はかなり早くなっており、アップストリームでアプローチしても着水と同時に流されてしまう状況でした。そこで上流側からダウンストリームでアプローチしていきます。
筆者は普段、このような状況では重めのスプーンを使いますがその日は軽めのスプーンしか手元になかったのでお決まりのチャートグリーンのシンキングミノー4gをスナップにつなぎます。陸生昆虫が多いこの時期、トラウトは表層を意識しているはずなのであまり沈めずに表層から中層を意識してミノーを流します。
激流でニジマスとファイト
着水後、上流からの流れを受けたミノーがバタバタとウォブリングを始めた直後にいきなりロッドティップが絞り込まれます。すかさず合わせを入れるとその魚は激流に乗ってジリジリとラインを引き出しながら深みに潜っていきます。
魚の姿がまだ確認できない中、カーディナルのドラグノブを締めてロッドを立ててダッシュをしのぎます。この激流の中で縦横無尽に走り回るその剛力からニジマスと確信、魚に合わせて移動しながらいなしていきます。

一進一退を繰り返し事約5分、ようやくランディングネットに誘導して勝負あり。そのニジマスの見事な体高はまるで筋肉の塊。サイズを測ると43cmもありこの川ではあまり見かけないサイズです。
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<小峠龍英/TSURINEWSライター>
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