東京湾で狙うショウサイフグが好調だ。今期は夏場も釣果が安定し、トップで20尾以上という数字もめずらしくない。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版APC・田中義博)
吉野屋でショウサイフグ釣り
東京湾で狙うショウサイフグが好調だ。例年、梅雨時期の白子シーズンに盛り上がるのだが、今期は夏場も釣果が安定し、トップで20尾以上という数字もめずらしくない。さらに、8月下旬にはトップ50尾以上という数字も散見するほど。どんな状況なのかが気になり、8月31日(木)に浦安の吉野屋に釣行した。

船長のコメント
出船前、舵を握る田島大策船長に近況を聞くと、「今年は夏場になっても食いが落ちることなく、群れも大きいため釣果が安定しています。ここ数日はとくに好調で、連日早上がりという状況。この状況がいつまでも続くとは思っていませんが、今日も多くのお客さまにご乗船いただいたので、いいポイントを見つけられるようがんばっていきます」と話してくれた。
大貫沖ポイントの状況
この日集まったフグファンは26人。両舷に13人ずつに分かれ、7時に出船。約1時間で大貫沖に到着。「ここから始めていきましょう。上潮が速いので、オモリは15号から始めてみましょう。潮が落ち着いたら軽くしてください。仕掛けはカットウでも食わせでもどちらでも大丈夫です。
私の釣り座は、右舷のミヨシ3番。南寄りの風で、この日は大潮。ソコリが11時20分ごろ。潮は左前方向へ流れ、右舷側はミチイトが船下に抱え込まれる状況だった。
潮が速いときは、誘いに高さを出すと、仕掛けが潮流に影響されて安定しなくなる。そこで船下狙いに徹し、誘いも小さなストロークで行なう。
ショウサイフグ高活性
すると、1投目からアタリが出る。仕掛けが着底する前からエサにフグが絡みついてくるのか、竿先が不規則に動き出す。軽くアワセを入れたものの空振り。仕掛けを回収すると、エサはすでになくなっており、いきなりの高活性モードに突入する。
釣り座に関係なくあちらこちらで竿が曲がり、次々とショウサイフグが取り込まれる。私は竿を置き、写真撮影に専念。
右舷ミヨシ1番には、同宿の常連・須田さん。カットウ仕掛けでダブルを含めて、コンスタントに数を重ねていく。

右舷ミヨシ2番に戸張さん。食わせ仕掛けを使用し、こちらも連釣。「仕掛けを落とすたびにアタリが出てくれるのでおもしろいです」と語っていた。

私の右隣りの丹羽さんは、独特なダブルカットウ仕掛けを使用し、しっかりとアタリをとらえて数を伸ばしていた。

右舷胴の間には、この日がフグ釣り初めてという山下さん親子。7歳の武斗くんはフグが釣れるたびに歓声を上げ、笑顔を見せていた。

小さな誘いで連発
写真を撮り終えて、私も釣りを再開。やや高いタナではサバフグが多かったので、底中心に小さな誘いと短めのステイで食わせの間を作る。この釣り方で、ときに1投1尾というハイペースで数を重ねることができた。リリースサイズは交じる程度。中型がメインの状況で、釣り応え十分。
釣魚の扱い
釣れ続くと夢中になってしまうが、その状況に船長から注意喚起。「釣れたフグは、バケツに入れっぱなしにしないで、クーラーでしっかりと冷やし込んでくださいね。帰ってから美味しく食べるためにも扱いはキチンとしてください」というアナウンスを何度も流していた。
全員安打
高活性な状況は続き、船長はすでにオデコがないことを確認。エサの消費も激しいこともあり「釣果は十分だと思いますので、11時半で早上がりとさせていただきます。どうぞご了承ください」とのアナウンス。

船中釣果は平均30尾
船中釣果は、平均で30尾前後と湾フグとは思えない数字。スソでも10尾と、普段ならトップ釣果の数字。現状の好調さを裏づける一日となった。
下船後は、フグの処理免許を持った船宿スタッフが、可食部分のみに処理する『身欠き』の状態にしてくれるので、持ち帰ってからの調理がとてもラク。

我が家でもテッサや唐揚げといった定番メニューはもちろんのこと、ユッケや梅肉和え、フグ飯などといったフルコースに舌鼓を打った。

群れが大きく今後も楽しみ
釣行当日のような好調日に当たることは稀ではあるものの、現況の東京湾・大貫沖のショウサイフグは群れが大きく、アタリもひん繁。
秋に向けてますます活性は上がってくるだけに、挑戦してみようと思っていた人にはチャンス到来!
船釣りデビュー時に注意すべき10のコト 陸っぱり経験者は見落としがち?
「船釣り」超入門 基本でもありマナーでもある【サミングを徹底解説】
<週刊つりニュース関東版APC・田中義博/TSURINEWS編>
▼この釣り船について吉野屋/浦安
この記事は『週刊つりニュース関東版』2023年9月15日号に掲載された記事を再編集したものになります。