ルアーマチックはシマノから発売されている入門モデルのロッド。2023年にモデルチェンジがあり、大きく使用が変更されました。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・小塩勝海)
低価格の入門ロッド「ルアーマチックB58L」
価格が6千円代ということもあり性能が気になるところでしたが、かなりしっかりしたブランクであるという印象。というのもブランクはファストテーパーよりで高弾性な味付けだったからです。
安いロッドにありがちなグラスファイバーが多く、よく曲がる特性を想像していたらかなり違っていて驚きました。旧ゾディアスB58Lによく似た味付けだと感じたので、新型ゾディアスからB58Lが弾かれてしまった事もあり、代替として追加したのかもしれません。

ルアーマチックのリール:バスX
エントリーモデルながら、安定したキャストが出来るベイトリール。ブレーキセッティングが強めで、初心者でもバックラッシュしにくいのが強みです。
初心者の内はメカニカルブレーキとダイヤルブレーキを高めにセットして練習するのをおすすめします。

ヒロイズム・カリプソLJと比較
今回比較するタックルは、ヒロイズム・カリプソLJです。プラドコルアーの名手、ヒロ内藤さんが手掛けたジャーキングロッドの最新モデルです。
今回の比較では少しロッドパワーの差がありますが、比較対象としてジャークベイトの操作やトッププラグの動きなどを簡単に紹介してみます。

細かい操作が自由自在
ヒロイズム・カリプソLJの特徴とコンセプトは何と言っても操作感です。ジャークベイトを大きく前側に飛ばしたり、左右に切れ込ませたり、自由自在なアクションを実現可能。
ロッドを感覚的に操りながら、ルアーの泳ぐ姿勢を大きく変化させられるので、一つのルアーでも魚に対するアプローチを増やせます。今回は、ロッドの操作感に重点において比較してみます。
ヒロイズム・カリプソLJのリール:SS-SV
軽量で操作しやすく、カリプソとの相性がよいベイトリール。操作系のタックルをセッティングするにはおすすめです。
このモデルはSVスプールも積んでいるので、気兼ねなくカバーの奥にフルスイング可能。フィッシングチャンスも増やせると思います。

エントリーモデルの使用感
今回ルアーマチックをボートに持ち込んで使用してみました。ファストテーパーで高弾性寄りの特性であり、ジャーキング・トップウォーターには向いていると感じる感触でした。
穂先でルアーを弾いたときに穂先が極端に負けて曲がってしまうこともなく、自分の手の動きをルアーに伝達してくれているように思える良い感触。アクションさせた時に出るしなりも、すぐに戻って次のアクションに繋がります。連続ジャークや連続的なトゥイッチングなどはこのロッドの得意な動きだと感じます。
一方で、トッププラグで大きくチャガー音を出したり、スプラッシュを大きく飛ばしたりするような急激な負荷をかける動きでは、ロッドが負けてしまう印象。ロッドアクションが大振りになりやすく、意識して直ぐに出すのは少し難しいと感じます。
ルアーの動き
ロッドパワー「L」にしては強めの印象なので、ルアーのサイズ感もかなり幅広く使用できます。一番綺麗に操作しやすいルアーは、ロングA-B14AやPOP-R-P60くらいのサイズ感が一番ロッドパワーとルアーアクションのバリエーションが多く出せて使用し易いと感じました。
ザラスプークやスーパースプークなどの少し大きめのペンシルベイトの操作は、できなくはないですがロッドパワーが少し負けている印象です。
チャガースプークやラッキー13などのダーターや中型クラスのポッパーを使用すると、水を押し出したり大きめ音を出す際に少し出遅れる印象があります。
使用してみて分かった特性
ロッドの特性をまとめると、ルアーを弾いて首振りさせるようなアクションは得意。一方で、ルアーを瞬時に押し出すようなアクションはルアーサイズを小さくしないと少し出遅れるような特徴があります。
安定してアクションのバリエーションを増やすには、一回り小さいルアーを選択する必要がありそうです。大きめのルアーで細かく切れ込ませるアクションを出したい場合や、水を切り裂くアクションが得意なジャークベイトを細かく短距離の首振りに使うのは得意だと感じました。
使用後のインプレ
今回のタックルの組み合わせは「普通に使える」と評価出来ます。仕掛けるジャーキングやトップウォーターをやってみたい方で安価に組んで練習や試しで使ってみるのもありです。
自転車やバイクに積み込んで軽くオカッパリなどで遊ぶときに、枝の引っかかってしまいそうな林道のような険しい道でも気にせずに遊びに行けるでしょう。野池・バックウォーター探検に使うのもいいかもしれません。
小規模水路でナマズ釣りやリールやガイドなどの塩カビなども神経質にならなくて良いのも魅力。短くて取り回しのいいこのロッドなら、汽水域のチヌ・シーバス中心のベイトタックルのトッププラグを使った釣り散歩にも良い相棒になると思いました。
タックルを安価に揃えたい人へ
このロッドは、瞬間的に負荷が掛かるアクションで少し出遅れてアクションの自由度が落ちてしまいます。この点は、ロッドワークやラインスラッグを利用してルアーの挙動をカバーする必要があります。沢山投げて工夫しながら遊んでみてください。
比べてみて思ったこと
専用設計のロッドには勿論性能は及びませんが、タックルの良さとはそのタックルのコンセプトや特性がその釣り人に合っているかが最大の評価のポイント。
そのタックルでどんな風に魚を取りたいかというアングラーそれぞれの性格や得意分野でタックルの良し悪しは決まるものなのです。
今回の私の思ういいタックルの一つの基準として「一つのルアーでどれだけアクションに自由度がだせるか」と言う要素に重点を置いてみて比較してみました。この点では、やはり専用設計のロッドには遠く及びません。
しかし、それなりの操作性もあり重すぎず、ルアーアクションが全体的にまんべんなく使えてロッドパワーも極端に強くも弱くもないタックルセッティングに仕上がっていると感じました。
今回のタックルは、方向性や仕掛けがハッキリとしていない初心者アングラーにとっては癖がなくかなり使いやすいです。このタックルを起点にしてタックルセッティングを考えるには、かなりいい機会を与えてくれるロッドだと思いました。

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<小塩勝海/TSURINEWSライター>