8月31日、奥多摩の渓流でエサ釣り釣行した。下流部に入渓して沢歩きを楽しんでいると、ヤマト岩魚と山女魚の交雑種であるカワサバをキャッチした。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・中山祐司)
奥多摩で渓流釣り
今回幸運にもカワサバと呼ばれる珍しい一匹に出会った。奥深い渓の釣りなら納得も行くのだが、あまりに近場の渓での出会いに、自然破壊の現状が心をよぎった。
小渓の為沢名を記述すればそれなりのダメージを釣人は与えてしまうと思われる。山女魚、岩魚なら問題は小さいと思うが、この機会に調べて見るとヤマト岩魚と山女魚の交雑種カワサバは、奥多摩日原辺りでウンネイと呼ばれ昔から少数確保されていたようである。

沢の現状
この記事が掲載される頃には奥多摩の渓も禁漁を迎えひとまず渓は温存されると思うが、若き頃この沢を上流迄遡行した時には小ヤマメしか釣れなかった。岩魚を釣った記憶は無いが、その後の放流で居着いたものだろうか?
天然の僅かな生存種がこの結果をもたらしたとしたら悲しむべき現実である。台風7号の増水で上流域から運ばれた感も否めない。

釣り場へのアプローチ
昼を少し回った頃青梅街道より水根沢駐車場に到着した。支度を整え水根沢へ向かう。午後の日差しを避け早速下流部へ入渓。斜面を下り渡渉を開始。これが出会いの始まりである。
ウェーディングシューズに沢水が伝わる頃小さな落込みが現れた。杉木立の中の薄暗い渓は一瞬遠方の渓かと現実が消える。

今回のタックル
今回は5.3m渓流中硬ロッドに先糸1号3本ヨリ60cm0.4号通しの全長3m程の仕掛である。ボサのポイントは1mまで仕掛をつめチョウチン釣りも行った。目印を1箇所鉤は吉村渓流の6号。ガン玉2Bでのスタートである。餌は取り置きのイクラを使用した。
カワサバを手中
アタリが無いまま小滝を超え、 次の淵を右岸からへつり小さな落ち込みが現れたところで再び竿を出す。淵ぎわへ餌を流すと目印の不自然な動きに合わせた。踊りでたのは何やら黒っぽい魚。アブラハヤかと思い手に取ると歪んだパーマークがある。そしてサバ模様である。
虹鱒の稚魚の雑種?山女魚?話には聞いた事があるカワサバ(イワメ)?山女魚を連想すると美しくは無い姿である。その時は特別感動も無く、知識不足な私は雑に写真に収めリリースした。もっとゆっくり観察すべきだったと、今となって後悔している。

小ヤマメを追加して納竿
高巻きを繰り返し小さな落ち込みから小ヤマメが来たが煮干しの様な大きさである。リリースをしその後1尾を追加するとキャンプ場が近づき本日は納竿とした。小沢とはいえ道迄のアクセスは樹林帯の這い上がりである。
むかし道に辿り着きゆっくり下る事20分駐車場の車は午後の日差しでボディも触れない程である。帰路、奥多摩駅近くのさわらびの湯を利用し今回の釣行は終わった。
帰宅後カワサバと確認
帰宅した夜、写真を確認し調べたところカワサバ(イワメ)だと判明した。長年の釣りで初めて釣れたこの魚は、尺ものを釣った時の様な喜びは無く、何故か淋しさが心に残っている私がいる。
参考資料として東京都島しょ農林水産総合センター多摩川だより1号に記事を見つけて読んでみると、カワサバは一代交雑種。2年程の寿命と聞くが種を残す事のできない宿命は魚と言えども心が痛む。
一日も長く豊かな自然の中でたくましく生きていて欲しいと願う今回の釣りであった。
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<中山祐司/TSURINEWSライター>