一年にひと月だけ、ライセンス制度で楽しめるアキアジ(鮭)、今年も大盛況の中、プロテスターの実力を垣間見た二日間釣行をレポートしたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター前島宣秀)
ウトロ海域のアキアジ釣り
昨年からウトロ地区、網走地区の2拠点に分かれ、それぞれの地区ライセンスの元で9月1日より始まったアキアジ釣り。

ウトロ漁港の夜明け前の活気は一昔の様相こそ無くなっているが、世界遺産知床の底力は景色、そして魚共に今まで通り迎えてくれる。
手持ちコンセプトのタックル
アキアジはキーパーにかけて竿が揺れたらかけるでも数は出るが、一日中手持ち、そしてゼロテン釣法をマスターすると数は飛躍的に伸びる。
北海道のアキアジの定番タックルはダイワだとDEEP ZONE7:3にシーボーグ500シリーズだが、今年発売されたシーボーグ400Jは300番の糸巻き量を増やしたタイプ。この為リール単体重量400番は240gも軽い585g、PEライン6号230mキャパ(8ブレードだと260m実際に入った)。
筆者愛用のDEEP ZONE150-180が250g、シーボーグ500JPが825gの合計1,075gだが、これをシーボーグ400Jにすると830g、なんと245gも軽い。そして、更に驚きの竿がある。極鋭 中深場205SFだ。竿の重量185g、400Jと合わせても770g。
今回乗船した、第八平成丸の瀬川船長に体験して頂いたが、軽さとビンビン来る感度にとても驚いていた。手持ちでの400番と500番、300gの差は翌日の疲労感が全く違うのは言うまでもなかった。
仕掛けとエサ
仕掛けは、幹イトはフロロカーボンライン24号で下から50cm、70cm、80cm、ハリス18号45cm、とした。針数は3本までである。市販品はナイロンラインだが、ゼロテンならフロロカーボンラインが絶対条件なので、ラインは高いが釣果に影響するので頑張ってもらいたい。
アキアジ特有のカラフルなフロートは青、銀、タコべーは赤が基本。手作りの際には、蛍光玉は避けた方がフグに邪魔されるのが格段に少なくなる。網走沖ではイカベーが流行っているが何故だかウトロではあまりぱっとしない。仕掛け作りもアキアジ釣りの楽しみなので、是非挑戦いただきたいと思う。なお、錘は250号統一である。
エサ
エサはカットカツオを半分に切ったものは定番だが、やっと安くなった1cm程度のサンマの輪切りがとても良い仕事をしてくれた。
朝イチからヒット連発
朝六時に出船の今回お世話になった第八平成丸は出船。今回は、アキアジ初挑戦のダイワフィールドテスターの福田さん、足寄から毎週のように道東に通うめぐみさんを含めて8名での出船となった。また、毎年通っていると馴染みの名古屋の刈谷さんも乗船、今回のポイントであるルシャ手前のポイントまで40分釣り談義で盛り上がった。
エンジン音が緩くなり、ポイントに着くと直ぐに底反応、水深は110mラインであった。開始間もなく、初ヒットは福田テスター、さすがにプロテスターも頷ける。

一通り釣り方の説明をするとアカムツ釣りとほぼ同じとの事で、ダイワでこの人の右に出る者はいないと言われるアカムツ名手にかかればアキアジもたまったものではではない。
福田さんのタックルと誘い方
福田テスターは自らプロデュースした極鋭中深場205SFとシーボーグ400LJ、筆者はDEEP ZONE150-180にシーボーグ400Jで後を追った。
アキアジでのこの釣り方、瀬川船長よりご教授いただいたものを応用、またアカムツ釣りを教えて頂いた福田テスターのお二人の師匠の技をアレンジしたものだが、直ぐに自分のスタイルに応用してヒット連発する所は脱帽である。一番上手な人に一番感度の良い竿と軽いリール、当然の結果であり今後の参考に技を盗んでいた。
誘い方
ゼロテンションからゆっくり誘い、ゆっくりと誘い下げる、ただこれだけだけど、その誘い方は一見の価値がある。
また、魚がかかった時の竿のしなり方がこの竿はとても美しい。釣行二日間、連日定数達成した事はもちろんだが、アキアジの新しい釣り方の提案が産まれたような今回の釣行であった。
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<前島宣秀/TSURINEWSライター>
▼この釣り船について第八平成丸
出船場所:ウトロ港