徐々に冷え込んできて名古屋港もいよいよ冬模様。だが、下がる気温と反比例して熱くなるのが名港ボートゲームだ。

名古屋港の冬はメインのシーバスの他、ロックフィッシュやメバルの活性が上がってくる季節。今回はそんな名港ボートゲームの魅力を余すところなくお伝えしたい。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

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名古屋港でボート釣行

取材に訪れたのは12月1日。今回お世話になったのは、愛知県・飛島村の筏川から出船している名古屋港ボートフィッシングガイド・Bay Champだ。

先だって新しく1号艇が導入されたばかり。この1号艇は大橋造船カスタムボートの23ft。

冬の名古屋港ボートルアー釣りは【昼はシーバスで夜にロックフィッシュ】が熱い
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最近導入された1号艇(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

GPSカラー魚探、ロッドホルダー、夜の作業時に心強いLEDデッキライト、ランカーサイズも収まるイケスなどを装備。

冬の名古屋港ボートルアー釣りは【昼はシーバスで夜にロックフィッシュ】が熱い
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ランカーサイズもすっぽり入るイケス(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

エンジンはホンダ新型4ストロークの100馬力を搭載。快適な走りで、サワラやブリといった青物を追いかけるキャスティングゲームや、チャーターでの遠征時にその本領を発揮する。

また、先に操業を始めた2号艇(大人4人乗り)よりもさらに広いデッキとなっており、安定したキャストスペースも好評だ。大人5人が乗船できる仕様となっており、ファミリーやグループでも安全に楽しめる(※遊漁船保険加入済み)。

当日の状況

この日の天気は晴れ、気温12~17度、風5m予報のなか、午後3時に出船。

港内は比較的穏やかだが、オープンエリアに出るとまあまあの風が吹き、波もバタついている。時折すれ違うタンカーなどの引き波、不意に来る小さなウネリを巧みにかわしながら、滑るように走る新艇は波当たりもソフトで快適&快調だ。

ウッカリ酔い止めを飲み忘れ、心配覚めやらぬ筆者だったが、終始酔うこともなくボートゲームを楽しめた。

デーゲームはシーバス狙い

明るい内はシーバス狙いでバース撃ちからスタート。

キャプテンの澤井さんは、60cmほどのシーバスのチェイスを悶絶しながらも楽しんでいる。

一方で筆者は…というと、ビギナーながらキャストを繰り返すものの、ルアーの着水ポイントが浅く反応がいまいち。

リーリングを止め船べりにルアーを浮かべたまま、よそ見したタイミングで30cmほどのセイゴ君が勝手に食いつき、ごっつぁんヒット。活性は高いようだが、見切りが早く後が続かない。

気を取り直し移動。ポイントを変えて数投目…船長に50cmほどのシーバスがヒット。湾奥アベレージサイズのきれいな魚体を拝むことができた。

冬の名古屋港ボートルアー釣りは【昼はシーバスで夜にロックフィッシュ】が熱い
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バース穴にビシビシキャストを決める澤井キャプテン(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

会心の72cmランカーシーバス降臨

日も傾き、夕暮れ迫るころ、再び船長にヒット。強烈な引きにロッドが弓なりになる。激しい抵抗とエラ洗いをいなしつつ近くまで寄せてくると、明らかにデカい魚影がギラリとひらめいた。暴れる魚体を無事ネットインさせ測ってみると、グラマラスボディな72cmのシーバス。持たせてもらったが、その重量とサイズ感は興奮モノだ。

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澤井キャプテン会心の1匹は72cmのランカーシーバス(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

後に続けとばかりにキャストを繰り返すが、筆者には反応薄め。一方で船長には相変わらずチェイス&ヒット。頻繁にアタリを捉えるが、フックオフすることも多く我慢の釣りとなっている。

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アベレージサイズのシーバス(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

後半はナイトロックゲーム

ポイントを巡回しているうちに、すっかり日も落ちたので、ナイトロックゲームにシフト。

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日没の名古屋港(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

早々に良型カサゴの量産モードに入る船長。

筆者は…というとレンタルロッドに10gのジグヘッド、シャッドテールを装着。底取りの感覚とフォールの具合を確認する。

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癒やしのカサゴは良型を量産(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

まさかのビッグキジハタに驚き

すると、ロッドに違和感。ゆっくりと聞いてみるとクィッと引き込まれて、そのまま大きくあおってフッキング。ロッドが一気に絞り込まれた。

ドラグがジリジリ鳴ってラインが引き出され、潜られたのか動かなくなってしまった。ラインが緩まない程度にテンションをゆっくり抜き、しばらく待ってみる。…と、再びグンッと手応え。すかさず沖に引きはがしにかかるが、またジリジリとドラグが出始める。

「ドラグを締め込んで一気に間を詰めて!」と船長のアドバスとランディングサポートを受け勝負あり。自身でも記録更新となる47cmのキジハタを仕留めることができた。名古屋港のポテンシャルは想像以上だ。

冬の名古屋港ボートルアー釣りは【昼はシーバスで夜にロックフィッシュ】が熱い
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見事47cmビックキジハタをキャッチ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

レンタルロッドの性能も侮るなかれ。エントリーモデルながら、バット部分でパワフルな突っ込みをしっかりと受け止めつつ、ティップが柔軟に作用。今回の様な不意の大物とのやり取りもできるロッドだから、タックルを持っていない初心者同行(ルアーやスナップなどの消耗品は極力持参)でも安心して一緒に楽しめる。

釣りを始めてみたい友達や、子供と誘いあわせてチャレンジしてみてほしい。きっと思い出に残る釣行となること間違いなしだ。

レンタルロッド

Tulino/LUANAスピニングBASS 602+シマノネクサーブ

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レンタルタックルも充実(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

名古屋港でのボートシーバスゲーム

今の時季、名古屋港でのボートシーバスゲームは、バースなどのストラクチャーの奥にルアーを撃ち込む穴撃ちがメイン。バースの奥までキャストしなくとも、柱1本目の奥、または2本目辺りまでキャストできれば、高確率でチェイス&ヒットが楽しめる。

冬の名古屋港ボートルアー釣りは【昼はシーバスで夜にロックフィッシュ】が熱い
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このサイズのチョイス&ヒットは高確率(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

オススメルアーはラッキークラフトのビーフリーズ78Sや、阿修羅O・S・Pルドラ130SPなど、水面から3mレンジでのリトリーブアクション系ルアーに好反応のようだ。

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ヒットルアーはラッキークラフトビーフリーズ78S(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

ビギナーは湾奥ゲームがオススメ

ビギナーは近場で数釣りができる名古屋港、湾奥ゲームがオススメ。アベレージ50~60cmのシーバスがコンスタントに釣れるのも魅力だが、ボートゲームならではのキャストやバース撃ち攻略が楽しい。

冬の名古屋港ボートルアー釣りは【昼はシーバスで夜にロックフィッシュ】が熱い
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50cmまでなら一気に引き抜く(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

バース撃ちも大小さまざまなので、船長がアングラーのレベルに合わせて巡回してくれる。

必要に応じてアドバイスもしてくれるので、キャスティングレベルが向上すること間違いなしだ。

しかも時折ランカーサイズも交じるため、エキスパートでも気が抜けない人気スポット。キャストの腕を磨きながら、大物を引っ張り出して食わせるゲーム性の高さがやみつきになるだろう。

ランカーポイントが数多く存在する四日市港

ちなみに、エキスパート好みなランカーポイントが数多く存在する四日市港もアテンド可能とのこと。ワンチャンサイズを求めるガチ勢さんは腕試しにチャレンジしてみてはいかがだろう。

これからさらに寒くなるにつれ、常夜灯周りに着くベイトを追い回す高活性シーバスのボイル撃ちも楽しい。トップゲームや数釣りといったナイトゲームの醍醐味が味わえる季節到来だ。ボートシーバスを始めてみたいアングラーは、ぜひチャレンジしてみよう。

タックルは専用のボートシーバスロッドがあれば言うことなしだが、バスロッドの流用も可能。スピニング、ベイトは使い慣れた方でOK。ラインはナイロン、フロロカーボンラインなら12~14lb。PEラインなら0.8~1.2号にリーダー20lbを1.5mほど取る。

名古屋港のナイトロックゲーム

今回もそうだが、最近は名古屋港界隈でもキジハタが頻繁に顔を見せるそうだ。

さらにカサゴの魚影は非常に濃く、よく釣れるから初心者でもコツさえつかめば数釣りが楽しめる。

陸っぱりとはひと味違う岸壁ストラクチャー攻略がキモとなる。癒やしの入れパクタイムを満喫しよう。しかもアベレージが20cmオーバーと良型なので煮付けにもってこいだ。

冬の名古屋港ボートルアー釣りは【昼はシーバスで夜にロックフィッシュ】が熱い
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名古屋港の夜景をバックにアーバンフィッシング(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

ナイトロックゲームタックル

タックルはシーバス用の流用でもOK。陸っぱり用のライトゲームロッドでもいいが、今回のような大型ロックがヒットした場合、底から強引に引き離すだけのパワーが求められる。バットのしっかりしたタックルがオススメだ。

ラインはボトムタッチを確認しやすいPEラインがオススメ。0.6~0.8号にリーダーは根擦れに強いフロロカーボンラインカーボンの3号を1mほど取る。ジグヘッドは3.5~14gで、根掛かりでのロストも考慮すれば各2~3個ずつは用意したい。

ワームは1.5~3inのシャッドテール、カーリーテール、ピンテール系。カラーは好みで構わないが、事前に澤井キャプテンに相談して、最近のヒットカラーや大きさについて聞いてから購入するのがベストだろう。

冬の名古屋港ボートルアー釣りは【昼はシーバスで夜にロックフィッシュ】が熱い
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このサイズのキジハタもよく交じる(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

人気のガイドボート

船長の澤井さんは人柄も穏やかで親切。船上でのサポートはもちろん、釣りに関する質問にも丁寧に答えてくれる。

人気の理由がうかがえる。

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岸壁沿いを丁寧に探る澤井キャプテン(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

今回は新艇の紹介とビギナープラクティスとして同行し、船長とゆっくり楽しむ予定だったが、次の日の早朝予約が入ったため、湾奥ボートゲームは3時間ほどで納竿。それでも濃厚な釣行となった。

冬の名古屋港ボートルアー釣りは【昼はシーバスで夜にロックフィッシュ】が熱い
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リリース多数でこの釣果(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

余談ではあるが、今回初めて導入したワークマンのフィールドコアシリーズ360リフレクトの効果もあり、しぶきを含んだ冷たい風も日没以降の冷え込みによるストレスもなく終始快適だった。これからの時期、釣りに集中するための心強い防寒着となりそうだ。

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<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>

▼この釣り船について
Bay Champ
この記事は『週刊つりニュース中部版』2023年12月22日号に掲載された記事を再編集したものになります。
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