静岡県富士宮市の田貫湖は、富士山を望む絶景の中でへらぶな釣りが楽しめる高原の人造湖。人気ポイントは週末に場所取り合戦になるが、静かにじっくり攻めたいなら朝鮮半島エリアがおすすめ。

歩く距離はあるが、良型が期待できる穴場だ。

(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース編集部)

今週のヘラブナ推薦釣り場2025【静岡・田貫湖】の画像はこちら >>

田貫湖の概況

田貫湖は周囲約3kgの人造湖。水面標高は660mあり真夏でも朝夕ならパラソルなしで釣りができるほど涼しい。毎年の放流によって魚影は濃く、エサ打ち点がヘラで黒くなるほどの寄りを見せる。またエサやタナの規定がなく、カッツケから底釣りと好みの釣り方で楽しめる。

今週のヘラブナ推薦釣り場2025【静岡・田貫湖】
今週のヘラブナ推薦釣り場2025【静岡・田貫湖】
田貫湖の概況(提供:週刊へらニュース編集部)

例年4月中旬~5月中旬は田畑への水の供給で水位を下げることが通例で、一般的に食い渋る時期ではある。しかし近年は減水幅が少なく、さほど影響がないとの声も聞かれる。実際、今年の減水は1mもなく取材時点で10~20cmと少ない。とはいえ減水期であることは間違いないので、通常時に比べて食い渋っているのは事実。

なお今年は減水を抑える処置で山水を多く取り込んでいるとのこと。この水が冷たく水温を下げていることが食い渋りの最たる要因で、減水そのものではないらしい。水温低下が主要因であるなら、好天が続けば回復すると思われるので今しばらくの辛抱と言えるだろう。

田貫湖のポイント

入る釣り人が少ないと言われる朝鮮半島だが、春から初夏のこの時期は腹パンが狙えることで知られている隠れた名スポットだ。

全体的に水深が浅く、とくにワンドの奥ほど激浅になる。

浅いということはそれだけ水温の上がりが早く、またハタキっ気のある魚が回遊しやすいことになる。メジャーポイントではそうそうお目にかかれないデップリとしたビッグママが出現しやすいので、この時期だけは好んで朝鮮半島を狙う人もいると聞く。

今週のヘラブナ推薦釣り場2025【静岡・田貫湖】
今週のヘラブナ推薦釣り場2025【静岡・田貫湖】
朝鮮半島はマムシに注意(提供:週刊へらニュース編集部)

ただし利便性は悪い。駐車場からはかなりの距離があるため荷車などの装備が別途必要だし、ようやくたどり着いたとしても魚っ気がないなんてこともある。とくに午前中は釣況が悪く午後ほど上向きやすいので、朝鮮半島でやるなら午後メインの時間配分を考慮するといいだろう。

釣り台を置ける場所は少なめ

ポイントは無数と言っていいほどあるが、釣り台を置きやすいポイントは限られる。車を北側エン堤裏側の駐車場に停めたとするなら、そこからカートなどで荷物を転がして南へ遊歩道を進み、獣道のような入口から入っていくと数本の分かれ道の先にポイントが見えてくる。

マムシ注意の看板があり、また一部イノシシの踏み跡なども散見されるほどワイルドなエリアなので、歩行には細心の注意を払って進んでいただきたい。

今週のヘラブナ推薦釣り場2025【静岡・田貫湖】
今週のヘラブナ推薦釣り場2025【静岡・田貫湖】
神社前桟橋は立入禁止(提供:週刊へらニュース編集部)

なおメジャーポイントの1つである神社前桟橋は現在、使用中止となっている。再開のメドは今のところなく、人気ポイントの1つがなくなってしまったのは残念だ。再開には水位を大幅に下げたうえでの工事となるため、関係者によって協議中とのこと。

釣り方とエサ

規定はなく、好みの釣り方でOK。ただし傾向として上層はエサ慣れした百戦錬磨が多く、釣り方にひと工夫が必要。

底釣りのほうが魚のコンディションはいいと見受けられるが、すぐに上ずってくるので糸ズレアタリやスレが散発しやすい。つまり宙でも底でも、簡単には釣らせてくれない。

数釣りを極めたいならウドンやトロロを用いたセットの宙釣りに分があり、底釣りなら両ダンゴが強い。ただし水温がまだ低めの今の時期は、段差の底釣りが面白いかもしれない。夕方の好時合いであればこの限りでなく、両ダンゴの宙釣りも選択肢に入る。

今週のヘラブナ推薦釣り場2025【静岡・田貫湖】
今週のヘラブナ推薦釣り場2025【静岡・田貫湖】
ボート桟橋で絞る(提供:週刊へらニュース編集部)

仮に朝鮮半島に入釣したとするなら、お勧めは竿18尺以上の長尺を用いた両ダンゴの底釣りから始めたい。食い渋ったらグルテンセット、さらにドボンと変更すれば思わぬ食い渋りにも対抗できるだろう。

メジャーポイントであれば竿はそれほど長くなくてもいい。それよりも手返しを重視し、常にウキの周りがヘラだらけの状況を維持すれば、それなりの釣果に結びつくものと思われる。

<週刊へらニュース編集部/TSURINEWS編>

この記事は『週刊へらニュース』2025年5月16日号に掲載された記事を再編集したものになります。

編集部おすすめ