先日ヤマハシースタイルの「マリン塾 操船マスターⅠ」を受講してきました。座学から始まり、操船の基本や離・着岸、アンカリングなども教わり、充実した1日となった模様を紹介しよう。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・藤倉聡)

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マイボートの操船が楽しい

プレジャーボートを購入してから、ボートの操船が楽しみで仕方ない。改めて一から学び直したいと考えた。インターネットでいろいろと検索すると「シースタイル・マリン塾」がヒット。

その内容を詳しく調べると免許取得後の初心者やペーパーキャプテン向けの講座が充実していた。そこで今回筆者はシースタイル「マリン塾 操船マスターⅠ」を受講することを決断。1度目の申し込み時は、最少催行人数の2名に達しなかったため開催されずに残念だったが、当日は定員一杯の3名での講習となった。

「シースタイル・マリン塾」とは

「シースタイル・マリン塾」とは1級または2級小型船舶操縦士の免許保有者なら誰でも受講可能(一部の講座はシースタイル会員のみ可能)。しかも少人数制でそれぞれの受講者のレベルに合わせてレッスンを受けられるシステムになっている。

筆者が今回受講した「操船マスターⅠ」以外にも「離着岸マスター」や「アンカリングマスター」など講習の種類も充実しているので、興味を持たれた方はぜひホームページを参照されたい。

まずは座学から

当日の天候は晴れ。しかし風が強く、午後からは海上ではうねりが強い1日だった。

ヤマハシースタイル【マリン塾・操船マスターⅠ】を受講してみた 離岸・着岸・定点保持を実地体験
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当日の海の様子(提供:TSURINEWSライター・藤倉聡)

当日はとても楽しみだったため、講習1時間前の朝9時に会場の「ニューポート江戸川」に到着。施設の内外を色々と見物しながら開始時間を待つことにした。後に来られた受講者2名の方に挨拶して間もなく、講習開始となった。

まずは受講者各々が、ボート免許の取得の時期や操船の経験などといった自己紹介を済ませると、次に事前に自宅に送られてきたテキストに沿って先生が丁寧に解説してくれた。

航海計画から始まり出航準備や各部の操作、操縦の仕方等、どの項目もとても分かりやすく、また気軽に質問もできて抱えていた悩みが解消されて安心した。

法定備品のチェック

座学が終了すると、皆で旧江戸川の桟橋に向かいボート(ヤマハFR-23)に乗船し、先生から法定備品と各スイッチ類の説明を受けた。

ヤマハシースタイル【マリン塾・操船マスターⅠ】を受講してみた 離岸・着岸・定点保持を実地体験
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まずは備品のチェックから(提供:TSURINEWSライター・藤倉聡)

特に法定備品については、それまでレンタル艇を利用していた筆者にとっては、自分で確認する必要性をあまり感じていなかったが、これからはしっかり自分で確認しなくてはならないと思い、緊張感を持って説明を聞いた。

定点保持の練習も

いよいよ東京湾に向かって出航とすると、まずは引き並みを立てないように徐行で航行。遊漁船や屋形船の係留が多いため特に注意が必要との説明を受けた。係留の多い船宿エリアを過ぎてからは、テキストで教わった航行スピードの違いによる船の傾きや引き波の違いを体感できた。

ヤマハシースタイル【マリン塾・操船マスターⅠ】を受講してみた 離岸・着岸・定点保持を実地体験
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船の傾きや引き波の違いを体感(提供:TSURINEWSライター・藤倉聡)

マリーナから海への進路を教わりながら順番に操船を行った。湾岸橋の下では船が流されないようにその場に留まる「定点保持」の練習をした。これをマスターすればきっと釣りにも役立つと思い真剣にレクチャーを受けるが、結構難しかったというのが正直な感想だ。

後進着岸を教わる

午前中のレクチャーの時間が余ったこともあり、早めにマリーナの桟橋に戻り離岸・着岸の練習をすることになった。

しかし、先生の教えによると、当日のこの時間帯は南風の上げ潮で、当マリーナでは後進着岸することになるとのこと。ただでさえ着岸には自信がなかったが、今回は免許取得教習でも教わらなかった後進着岸をレクチャーしてもらえてとても勉強になった。

先生曰く「このマリーナは川の流れもあるので、着岸がかなり難しくて、ここで着岸できるようになれば大抵のマリーナで通用する」とのことだった。仰せの通り自分にとっては激ムズ。なんとか教えられた通りに舵を取り着岸に成功した。

しかし、全く自信に繋がらず再び午後行うという離岸・着岸のレクチャーに期待を抱いた。

ランチ休憩

一旦陸に上がりランチタイムとなった。筆者は予めコンビニで購入しておいて屋内で食べたが、マリーナ2階のレストラン「トリム」の料理もとても美味しそうだった。今度は食事を目的に当マリーナを訪れたい。

再度乗船講習に

午後に再びボートで旧江戸川を下り、東京湾まで受講者が交代しながら操船を行った。海に出ると、当エリアでは一番座礁が多くて、危険だという三枚洲の説明があった。しかし、杭の位置やGPSプロッターの航跡をみれば、まず座礁することはないと思えて安心した。

コンパスを使用した目的地までの航行なども教わり便利に感じたので、愛艇にもコンパスを備えようかと悩んでしまう。

風やうねりが良い練習に

当日は、かなり風とウネリが強く白波が立っていて、シースタイル艇では出船ギリギリのレベルとのこと。

ヤマハシースタイル【マリン塾・操船マスターⅠ】を受講してみた 離岸・着岸・定点保持を実地体験
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うねりの強い日だった(提供:TSURINEWSライター・藤倉聡)

しかしその影響により、テキストに記載のあったボートのロールやジャンプを十二分に味わうことができた。

アンカリングの実習

アンカリンングのレクチャーは、うねりが強いため危険と判断して、先生が行っているところを船室の中から見ながら、窓を開けて説明を聞くことになった。

ヤマハシースタイル【マリン塾・操船マスターⅠ】を受講してみた 離岸・着岸・定点保持を実地体験
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アンカリングの講習(提供:TSURINEWSライター・藤倉聡)

先生も「今までで一番厳しかった」という程、海況が悪かったためマリーナへ戻り離岸・着岸の練習をすることになった。戻る途中で左右の旋回の練習を行った。

エンジンの回転数を2500回転から徐々に上げていき、3500回転や4500回転での旋回をしてエンジン音や負荷の違いなどを体験。旧江戸川に戻ると再びアンカリングの練習ができそうとのことで、こちらで再びアンカリングの実習を行った。

離岸着岸を繰り返し練習

その後マリーナ桟橋に戻り離岸・着岸の練習を繰り返し練習。相変わらず上げ潮で南風のため離着岸ともに後進で行った。後進着岸がなかなか成功しなかったが、何度も繰り返すうちに成功することも増えてきた。

最後にロープワーク

離岸・着岸レッスンが終わると、最後にロープワークを教わった。免許取得時に教わってはいたが、結び方はほぼ忘れていた。

レンタル艇だとスタッフが行ってくれるのであまり必要ないが、マイボートで夜釣りなどを行うのならばマスター必須だと思った。

クリート結びや巻き結び、もやい結びを教わった。ボートの係留の仕方も、一時的な方法と数日間係留する場合の違いも教わりとても勉強になった。

ヤマハシースタイル【マリン塾・操船マスターⅠ】を受講してみた 離岸・着岸・定点保持を実地体験
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ロープワークを学ぶ(提供:TSURINEWSライター・藤倉聡)

係留ロープの張り具合など、奥深さも感じたためこれからいろいろ練習していきたい。以上で「マリン塾 操船マスターⅠ」の講習は終了となったが、引き続き「ニューポート江戸川」の安全レクチャー講習も受講することにした。

安全レクチャー講習

「ニューポート江戸川」では初めて当マリーナを利用する場合は安全レクチャーの受講が必須となっているが、当日「マリン塾 操船マスターⅠ」受講後に、当講習を受けることができるとのことで受講した。

オリジナルテキストに基づき、エリア内(東京都側は羽田沖、千葉県側は浦安沖まで)での航行の注意点(三枚洲や航路付近での航行の仕方)などを詳しく教えてもらうことができた!

航行エリアが拡大

また、拡大講習(有料)を受講することによりボートの種類によっては航行エリア(神奈川県側は八景島、千葉県側は木更津港まで)が拡大するとの話を聞いて、いずれ受講したいと考えた。

大満足の講習

今回「マリン塾 操船セミナーⅠ」を受講してみたが、期待以上の充実感を得ることができて大満足だった。もちろん、これで完璧に操船できるとは言い切れないが、教えに忠実に操船をしたいと思う。いずれ上級者コースの「マリン塾 操船セミナーⅡ」の受講も申し込みたい。

<藤倉聡/TSURINEWSライター>

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