テーマは「数十年ぶりの両トロコン」。神奈川県厚木市にある厚木へら鮒センターでタナ規定のある大池での実釣取材だったが、序盤こそ順調だったものの次第に総崩れ。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース編集部 関口)
大池で両トロコン釣法に挑戦
規定ありの大池に着座したので、タナは1mにセットした。竿は8尺。隣には誰もおらず魚がワキワキになることは容易に想像できる。
吉田康雄「お願いですから関口さんも釣りをしてくださいよー」
イヤだよ。トロロやったことないし。
吉田康雄「そうじゃなくて両ダンゴでもいいのでエサ打ちをしてほしいんです。そうすれば少しは魚が分散して釣りやすくなるんですよー」

なんだ、そういうことね(笑)。だったらなおさら釣りはできないな。そもそもワキワキを攻略するための両トロコンなんだから、泣き言言わずに頑張ってくれよ(笑)。
吉田康雄「これが大型釣りならボクよりも先にエサ打ちしてるくせにー」
ところで何をやってるの?エサもできたんだしエサ打ちを始めたら?
吉田が何をやっていたかと言うと、ウキのオモリ調整だった。スタートのウキとは別にこれから使うであろうウキをセレクトして、そのオモリ調整に余念がなかった。
まあこの作業はいつものことなので最近では驚きもしなくなったが、それでもここまでていねいだといささかイライラしてくる。

パイプウキのほかにグラスムクもやるんだ?
吉田康雄「はい。
その場でやるのでは遅いの?
吉田康雄「とくにグラスの場合はオモリ調整に時間がかかるので、その間に寄りが変化してしまうのがもったいないじゃないですかぁ」
思うようにいかない
約30分ほどかけて5~6本ほどのウキ調整を済ませ、ようやくエサ打ちを開始する。
この手の釣りでよくあることだが、序盤は調子よく竿を絞っていた。しかし魚の寄りが厚くなるに従い、徐々にヒット率が低下し始め、ついにはアタリさえも出づらい状況に陥った。
ここからだね(笑)。
吉田康雄「そうですね。今はウキが立ちづらい感じなのでウキはフレッタのままオモリ量(番手)を増やして様子を見ます」
これでウキはナジむようになったが、今度は肝心のアタリが出ない。いや正確に言うならアタリは出ている。しかしそれはナジミ途中で引ったくったり、ウキが斜めに走ってしまったりのいわゆる食いっ走りであり、ナジんでからのズドンではないことが多かった。
吉田康雄「実はM-1予選の時にも感じてたのですが、タナに入ってからの動きがいまいちよくないんです。今日もそれを引きずっている感じですね」

それって上ずったからなの?
吉田康雄「それもないとは言えませんが、訂正エサを打ったところで改善してこないんです。どうもやる気のある魚が規定より浅いタナに集中してしまっている感じなので、準決の時もボクを含め多くの選手がこれに苦労させられたんです」
なるほどね。んで、どうするの?
吉田康雄「手探りで探るしかないですね。
吉田の思考回路がフル回転している間、記者は周囲の風景を含め写真撮りに専念する。野釣りとは異なり竿を絞る回数が段違いに多いので、撮影には苦労させられないはずだったのだが……。
次回も「数十年ぶりの両トロコン」です。
<週刊へらニュース編集部 関口/TSURINEWS編>
この記事は『週刊へらニュース』2025年7月11日号に掲載された記事を再編集したものになります。
