埼玉県朝霞市の新河岸川で先日敗北したソウギョに挑む、リベンジ釣行である。あの時はパワーでノサレたこともあり、同じ場所に居ることが条件ではあるが、2度は負けられない。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・なおぱぱ)
新河岸川
荒川水系・隅田川の支流にあたり、埼玉県南部を流れる一級河川である。新河岸川には数ある支流が存在するが、なかでも柳瀬川や黒目川もその一部であり、東京都に入ると隅田川に合流する。
メーターオーバーの淡水魚やシーバスなどの遡上魚を含めて、大型魚が期待できる釣り場である。また、汽水域エリアでは海とつながっているので水位に変動があり、潮の影響もある。釣行の際は潮位表を確認しよう。
今回の釣り場も水位変化があるので、いかに状況にあわせて釣りをするかで釣果にも影響するのである。
当日のタックル
今回は磯竿ではなく、投げ竿による剛の釣りで相手を獲るため、引きを楽しむ仕様ではない(竿は別に壊れてもよいが、とにかく獲る)。
・竿:プロマリン トレンドキャスター3号360
・リール:ダイワ クレストLT6000番
・ライン:kurosawa PE5号
・ハリ:がまかつ 鯉鈎20号(1本針)
・エサ:セブンイレブン もっちり食パン(高級品)

不安しかない酷暑予報
土曜日で車の渋滞もさほど気にならない朝7時から現地に向けて車を走らせたが、頭の中は前回敗れた映像が駆け巡っており、反省と勝つためにどうすればよいかしか考えていなかった。だが、快晴かつ酷暑の空模様の中で、果たして勝てるのかという不安もよぎった。
狙い場所の潮位的には昼過ぎがベストだったため、まずは以前から気になっていたポイントを初めて攻めてみることにした。
完全なる日陰エリアで釣り人は攻めづらいため、対岸からはコイや本命がいつも居着いているエリアであるものの、水面が近く難しい場所でもある。日陰なので昼まで身を隠すには最適であり、時間をつぶして本命バトルに備えることにした。
まずはコイから顔出し
開始は10時となったが、カメの活性が高すぎてコイがなかなかマイエリアに入ってこれないようだった……。とにかく時間稼ぎが今は重要だが、この場所もド本命が見えることがあるので釣れないことはない。1時間粘り、まずはレギュラーサイズのコイを釣ったが、竿が硬すぎて引きが楽しめなかった。
昨年110cmクラスのソウギョを何本も釣った投げ竿なので余裕なのはわかりきっているが、おそらく敗北したソウギョにも勝てるのは間違いないだろう。
慎重にスタンバイ
やはりレギュラーサイズとはいえ1本釣れば、しばらくは無反応となるのは仕方がない。そのため少し休憩してから、ド本命の居るポイントへ移動しておくことにした。熱中症にならないように水分を補給しまくり、日陰に入りながらのんびりと移動していく。
潮位的には完全に狙い時の時間帯に入ったので、「流し」が超重要なこの場所では川の流れが大きく釣果に左右するため、エサをつけずに数メートル流しを何度も繰り返して最良のレーンに入るか否かを確認する。これができないと釣れないため、慎重に確認する必要がある。
あとは釣れた時(釣れるか分からない)に陸揚げするためのロープを3本ほど太い木に固定して準備しておいた。


激熱ポイントバトル開始
そして狙い目の水位になったタイミングで、最良レーンに入れてド本命が待ち受けていたポイントに向けて流す。数メートル流すと、そこへ辿り着けるか否か判断でき、チャンスゾーンに差し掛かるタイミングで……恐ろしく太ったソウギョが豪快に飛び出してきて、流した1/4パンに襲い掛かる!
喰う瞬間のド迫力!物凄い突進力でエサを口に入れた瞬間、激トルクが竿に伝わる。素晴らしい引きでテンションはマックスだ。

23分間のバトルを優雅に堪能
相当なトルクではあったが、竿が頑丈なため余裕の戦いで敗北する要素はほぼなく、楽しみながら真下まで寄せてきては、その極太体形に喜びを隠せなかった。
数回寄せては空気を吸わせてド本命の体力を奪い、ドデカタモでさくっと掬い、水域バトルは23分で勝利となった。だが、陸上バトルこそがこの釣り場での真の正念場となる。
陸揚げが難関
見れば見るほど太すぎて、陸揚げできるか不安しかない……下手すると自己記録となるレベルの太さだった。そして尾びれの付け根とタモ枠を畳みながら、枠ごとロープで巻き付けて固定し、タックルは先に陸に回収した。
酷暑の影響もあり、筆者自身も体力がキビシイ状況だったが、ここは意地でも計測するため、なにがなんでもやるつもりだった。
短時間で陸揚げ大成功
6月10日に21.69kgを陸揚げしたことで、無駄を取り除き、陸揚げする自信はあった。今回は力で押し切ってあげるのみ。太すぎるのが問題だが、逆にこれをあげれば自己記録更新は間違いなしなので、一気にいく!
そして決めたタイミングで持ち上げていくと、異常なまでに頭が重い。重すぎる。だが自分も落ちるわけにはいかない……。
全身泥まみれになりながらも意地と根性で土手まであげていき、ラストに尾びれ側を木に掛けたと同時に、頭部ごと自身も駆け上がり、土手側からさらに引いてタモをひっくり返して勝利だ!!!

釣れたソウギョは26kg
即座にソウギョに水をかけつつメジャーを当て、胴回りを測ると90.3cmという凄まじい太さに感動した。レングスはたいしたことはなかったが、ウエイトは抱っこの瞬間に自己記録更新したのが確定するほど重かった。

計測ネットに入らないほどの太さだったため、ロープを切断してソウギョを入れての計測となり、27.11kgという数値が現れ、風袋引きで26.49kgという自己記録確定の重さを体感したのである。まさにこれ以上ない納竿ができたことに感謝しつつ、リリースしてリベンジ成功となった。

リベンジできたことに感謝しかない
まさにソウギョとの戦いであり、ギャラリーなどおかまいなしでソウギョ優先ですべてを終わらせることができたことに感謝だ。リベンジできたのは、同場所で21.69kgに勝利した経験と、謎の巨大魚に敗北した経験があったからこそできた技なのだ。

このソウギョが敗北した相手でも不思議ではないほどの強トルクに超重量だったが、今回は筆者が上手だっただけのことである。

<なおぱぱ/TSURINEWSライター>
