一般的に海釣りの潮回りは大潮周りが良いとされる。魚の活性がよく、集中して釣れる時間が長い。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)
ライトゲームに抜群の潮回りとは
まず、ライトゲームには大潮は決して良い潮ではないと筆者は考えている。悪い潮ではないが、大潮周りは魚の動きが速いので、とらえるのが難しかったりするのだ。
誰もが言うのは、基本的はアジやメバル狙いのライトゲームならば、新月の中潮周り。これを押さえておけば間違いない。しかしアングラーが釣る環境によって中潮回りも微妙だったりするので、なかなか画一的にコレがベストとも言えない。
魚の反応は潮によって違う(提供:TSURINEWSライター・井上海生)「そこがどんな場所か」によって最良の潮は変わってくる。極端なたとえでいえば、潮がかっ飛んでいる消波ブロック沖に投げる釣りでは、中潮周りでは軽量リグはほとんど使い物にならないだろう。そのような激流ポイントでは、やはり小潮や、あるいは潮止まりが打ちやすい。その他の状況でも同様だ。
漁港内、波止は中潮
いわゆる「湾内」、すなわち漁港内や静穏な波止で打つ場合には、ある程度潮が流れてくれていた方が魚は狙いやすい。アジは潮が流れてくる方向を向くし、メバルはプランクトンが漂着する壁際につく。
そういった静かなポイントでは、新月の中潮が良い。なぜ新月なのかといえば、常夜灯効果が効きやすくなるからだ。満月周りでは魚があっちこっちに散ってしまう。
上げ潮、下げ潮でいえば、やはり上げ潮で食いが立つことが多い。アジの挙動を見ているとよくわかるが、上げ潮で湾内に入ってきて、下げ潮で出ていくのだ。

外向きの海は穏やかな潮を
消波ブロックに乗ってするライトゲーム、外向きのオープンウォーターに投げるライトゲームは、潮がかっ飛んでいると話にならない。ライトゲームで使用するジグ単リグは最重量級でも3gのタングステンというところだ。これを使ってもラインメンディングができなければ、なかなか釣りは成立しない。
上述のように、このような潮がかっ飛んでいるような海ならば小潮、あるいは潮止まりを打つ方法が有効である。すなわち、穏やかな潮回りの日を選ぶのだ。上げ潮でも下げ潮でも、潮があまり動いて潮位が目に見えて変わるようだと、魚がどこにいるのかを特定するのが難しい。
あるいは、こういう場所では少しでも潮が緩んでいる場所にポイントを変えてしまうのもアリだ。そのような場合にも、常夜灯が頼りになる。

大潮周りは一瞬で過ぎる
筆者が考えるライトゲームで最良の潮は、この通りである。もともと潮流が激しい場所では、穏やかな潮を選ぶ。そして潮流が緩んでいる場所では、ある程度動きのある潮周りを選ぶ。打つとすれば上げ潮で、常夜灯周りがベスト。まあ、ポイントによっては魚は常夜灯に依存しないのでマストではないが。
よく覚えておきたいのが、大潮周りのギャンブル性である。沖釣りでは非常に人気の潮だが、この潮は魚の入れ替わりが非常に激しい。一瞬で群れが通り過ぎてしまうことがある。日本海ではあまり潮位が変わらないというが、太平洋向きの海では大潮では1.5m以上潮位が異なることもある。
こうなると消波ブロック沿いではぬめったブロックも出てくるなどして、オープンを打つのも危険だし、潮位がなくなったポイントは打つことができない。大潮周りは潮の動きをよく睨んであえて短時間をすすめる。
<井上海生/TSURINEWSライター>
