夏のカワハギ釣りは、水深が浅いところでは5m、深くても25mまでの浅場で、良型サイズが多く、ときには30cmオーバーのいわゆる尺ハギが掛かり、カワハギ独特の強烈にロッドを叩くような引きが楽しめるシーズン。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版 宮澤幸則)

「尺ハギを釣る夏!」船のカワハギ釣りで大型を攻略する5つの鉄...の画像はこちら >>

夏カワハギの特徴

夏シーズンの特徴として、

・カワハギの産卵期は長く、産卵後の体力回復のために活性が高い個体と、産卵直後の活性が低い個体が共存している。

・釣れるカワハギはワッペンサイズが少なく、大~中型がメインで、夢の尺(30cm)オーバーが狙える。

ちなみに私自身が釣り上げた30cmオーバーの7割は、初夏~夏シーズンに上がっている。

・秋シーズンと違い、数の多い群れでなく、複数の少数個体で行動している。

この3つを考慮した釣り方が、釣果に直結する。

釣果を出す5原則

夏カワハギで釣果を出す5原則を紹介しよう。

「尺ハギを釣る夏!」船のカワハギ釣りで大型を攻略する5つの鉄則とは?
「尺ハギを釣る夏!」船のカワハギ釣りで大型を攻略する5つの鉄則とは?
カワハギタックル(提供:週刊つりニュース西部版 宮澤幸則)

1. ロッド

ロッドは穂先・バットがしなやかなタイプ。小さいアタリを取りやすく、バラシが少ない。

「尺ハギを釣る夏!」船のカワハギ釣りで大型を攻略する5つの鉄則とは?
「尺ハギを釣る夏!」船のカワハギ釣りで大型を攻略する5つの鉄則とは?
良型カワハギ手中(提供:週刊つりニュース西部版 宮澤幸則)

夏カワハギ向きのロッドは、やはり仕掛けを弛ませた状態で、繊細な居食いアタリを捉えるシーンが多くなるのと、大型が多い時期なので、硬調9:1調子の手感度重視より、穂先部がよりしなやかで、ロッド全体にクッション性のある、8:2~7:3調子のタイプがいい。カワハギがヒットしたら、強烈な引きをロッドに吸収させて、巻き上げを止めずに船べりまで連れてくる。25cm以上の良型は無理して抜き上げず、タモですくってもらうこと。

2. ハリ

ハリは大きめ、吸い込みバリ(スピード)系とハゲバリ(フック)を混ぜて使用する。

この時期は小型サイズは数少なく、良型がほとんどなので、いくらアタリが少なくても、エサをかじられても、食い込みが悪いからといって小バリはお勧めできない。

「尺ハギを釣る夏!」船のカワハギ釣りで大型を攻略する5つの鉄則とは?
「尺ハギを釣る夏!」船のカワハギ釣りで大型を攻略する5つの鉄則とは?
カワハギゲット(提供:週刊つりニュース西部版 宮澤幸則)

せっかくこのあと訪れるだろう、大型カワハギに備えて、大~中型サイズで太軸タイプのハリを使用したい。吸い込みバリ(スピード)系は7.5号以上、ハゲバリ(フック)系なら4.5号以上。また、3本バリ仕掛けなので、ゲストに狙われやすい下バリは、吸い込みにくく、吐き出されにくいハゲバリ系を、上2つは吸い込み系のハリにしたり、バレが多発したハリ形状は、もう一方に変更するようにして、当日の「当たりバリ」を探すのも手。

3. エサ

エサの硬さや大きさは、ゲストの活性の高さで変える。

エサ付け方法はセオリーどおり、水管→ベロ→ワタの順でOK。

ただし、ゲストが多い時は、エサ持ち優先でアサリをソルトで締めた硬め、ゲストが少ない時は、できるだけ軟らかい状態のアサリを使うほうが食い込みがよく、ハリ掛かりさせやすい。

4. 「動と静」のメリハリ

誘いは「動と静」のメリハリをしっかりつける。前記のとおり、産卵直後の個体は体力回復のため活発にエサを追って食うが、産卵前や直後の個体は、非常に活性が低く、エサを食っても動かない、いわゆる居食いが多く、とても小さなアタリしか出さない個体が存在する。

浅場狙いのため、まずは軽くキャストして、少しでも広範囲を探り、カワハギに自分の仕掛け(エサ)を見つけてもらう工夫が必要。

「尺ハギを釣る夏!」船のカワハギ釣りで大型を攻略する5つの鉄則とは?
「尺ハギを釣る夏!」船のカワハギ釣りで大型を攻略する5つの鉄則とは?
夏カワハギをゲット(提供:週刊つりニュース西部版 宮澤幸則)

着底後イトフケを取ったら、海底の状況をチェック。砂地のような軟らかい底質なら、しっかり10秒以上の叩きを入れ、集寄やオモリを動かし、3本バリの仕掛けをアピール。活性の高いカワハギ個体を周りから集めるイメージ。その後は叩きを止め、集寄や中オモリを使って仕掛けを弛ませ、トラギスやベラ、キタマクラなどゲストの活性に合わせる。

ゲストのアタリがでないような、なるべく長い止め(ロングステイ)で低活性の個体にじっくりエサを見せて穂先に集中。小さいアタリを見逃さず掛けアワせるようにする。

また、誘いを繰り返している途中、海底が硬く変化したらヒットのチャンス。エサ取りに先食いされないよう、誘いのスピードを速めると、さらにヒット率をアップできる。このように『動と静』のメリハリをつけて誘うように。

5. 熱中症予防

夏カワハギ釣りは、季節柄、言うまでもなく水分・塩分補給(私は凍ったペットボトル4本以上が基準)をお忘れなく。

また、近年カワハギは産卵期間が長くなり、8月いっぱいのメスは卵を持った個体が存在する。腹の張ったメス個体が釣れた場合、釣果に余裕があれば、エア抜きなどを施しリリースに協力いただければ幸いです。

<週刊つりニュース西部版 宮澤幸則/TSURINEWS編>

「尺ハギを釣る夏!」船のカワハギ釣りで大型を攻略する5つの鉄則とは?

編集部おすすめ