本命がボウズだったときの保険に、サビキ針を懐に忍ばせている釣り人は多いことだろう。浜名湖チニングで完全ボウズの危機を脱するために、サビキ釣りへ転戦。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・田中優丞)
往復約2千円の交通費をかけて出撃
7月12日。名鉄東岡崎駅から豊橋駅へ向かい、そこからJR線に乗り換え弁天島駅で下車。降りた先は……そう、浜名湖弁天島だ。どうでもいい話だが、筆者はペーパードライバーだ。
車はあることにはあるが、嫁に「運転が壊滅的にヘタクソだから」と、任意保険から外されてしまった。そのため、わざわざ私鉄とJRを乗り継いで現地までやってきたというわけだ。

人気ポイントはすし詰め
時刻は23時過ぎ。終電の一本前の電車で現地に到着するも、チニングポイントで人気の東側水路は、すでに他の釣り人たちでギッチギチのすし詰め状態。仕方なく西側へ移動すると、そこは嘘みたいに誰もいない貸切状態だった。

完全ボウズの予感
結果から言うと、見事に撃沈した。甲殻系ワームの直リグという定番中のド定番の仕掛けで挑むも、小魚がつついてくる感触が伝わるばかりで、チヌどころか外道1匹釣り上げることすらできなかった。

気がつくと、時刻は4時を回っていた。徐々に白みがかる空。ボウズの単語が脳裏をよぎる。

サビキ仕掛けにサッパ連発
空が明るくなるにつれ、水面にいくつもの小さな波紋が広がりはじめた。どうやらベイトたちが活発になりだしたようだ。

ここで筆者が懐から取り出したのは…100円ショップで買ったサビキ針だ。ナイトチニング不発を見越して用意していたのだ。

水面の波紋に針を落とすと、勢いよく飛びついてきた。コマセで群れを寄せる必要がないほど、ベイトの魚影が濃いのが浜名湖だ。ただ残念なことに、釣れるのはサッパばかり。

サッパは下処理が面倒な上、正直なところ味もイマイチだ。できればアジやサバなどが釣れてくれればありがたいのだが…。

あまりもサッパばかり釣れるため、場所を移動することにした。
場所移動してもサッパ
場所を移動し、今度は駅の裏側で釣り糸を垂らす。が、これまた待ち構えていたかのように、サッパの群勢が飛びついてきた。釣っても釣ってもサッパ、サッパ…。浜名湖はサッパしかいないのかと言わんばかりに、サッパ以外サッパリ釣れない。

その後も場所を移動しながら粘ってみるも、結局チビカマス2匹釣れた以外は全てサッパだった。完全に日が登ってしまい、6時に納竿した。

帰宅してからが本当の戦い
この日は見事にサッパフィーバーだった。さて、帰宅してからが本日一番の大仕事だ。休む間もなく、釣ったサッパ30匹のウロコを削ぐ作業がはじまる。他のベイトと違い、下処理に手間がかかる点が、サッパが釣り人から嫌われる理由だろう。

下処理が済んだら唐揚げにして、熱いうちにいただく。好みの問題もあるが、筆者的にはやはりイマイチだった。「次からはサッパが釣れてもリリースしよう」。そう心に誓った1日だった。

<田中優丞/TSURINEWSライター>
