水産庁は2025年8月4日、クロマグロの遊漁採捕を全国一律で禁止した。6月、7月には上限を大幅に超える採捕が記録されており、8月も同様のハイペースで推移すると予想されたことで、採捕数量の到達を待たずに禁止措置が講じられた。
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8月のクロマグロ遊漁禁止へ
水産庁は、全国の遊漁者を対象に、2025年8月4日(月)から8月31日(日)までクロマグロの採捕を禁止した。8月1日の解禁からわずか3日間で上限に達する可能性が高いことを受けた対応で、前月に続き短期間での禁止措置となった。これにより、8月もクロマグロ釣行は極めて限定的な期間にとどまる形となった。
今回の規制は全国一律で実施される。採捕量の集中と報告体制の強化により、制度は着実に機能しつつある一方で、釣行スケジュールの柔軟な調整が求められている。

採捕量の上限達成前に禁止措置
水産庁の発表によれば、8月4日10時30分時点での8月採捕数量は2.2トン。採捕上限である5トンを超えていないが、6月に12.5トン、7月には12.8トンといずれも月間上限の5トンを大幅に超過した経緯がある。
こうした背景から、水産庁は8月も同様に採捕ペースが加速するとみて、早期での上限到達が確実だと判断し、早期の禁止措置を発動したとみられる。
結果として、8月も「解禁からわずか3日での採捕禁止」となり、新制度導入以降、4カ月連続での早期規制となった。制度は徐々に機能し始めているものの、釣り人にとっては計画の立てにくい状況が続いている。
なお、過去のクロマグロの採捕数量は以下の通り。
4月:6.2トン
5月:4.4トン
6月:12.5トン
7月:12.8トン

ルール違反には罰則も
採捕禁止期間中は、キャッチ&リリースを含むすべてのクロマグロ遊漁が禁止される。違反した場合、漁業法第191条に基づき、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性がある。知らずに釣ってしまった場合でも処罰の対象となるため、十分な注意が必要だ。
釣果報告の徹底が求められる
解禁期間中にクロマグロを釣った場合、以下の情報を1日以内に報告する義務がある。
・尾叉長が確認できる写真
・陸揚げ場所(港・マリーナなど)
・遊漁船名と登録番号(または船舶番号)
・本人確認書類(免許証など)
・電話番号による二重認証
制度の信頼性を維持するためにも、こうした報告を正確かつ迅速に行う必要がある。

次回の解禁にも注意を
次回のクロマグロ遊漁解禁は、2025年9月1日(月)の見込みだ。ただし、今月のように釣果が集中すれば、再び数日での採捕禁止となる可能性もある。
釣行計画を立てる際は、水産庁の「クロマグロ遊漁の部屋」などで最新情報を確認し、ルールを順守した行動を心がけたい。

<藤田浩平/TSURINEWS編集部>