アジングの季節は秋から冬だが、いわゆる「豆アジ」と呼ばれる小型のものは夏の終わりくらいから釣れ始める。ルアーで釣るのならばジグ単リグを使うのだが、豆サイズ相手のアジングはなかなか難しいものだ。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
豆々アジ釣りシーズン
アジは春に沿岸で産卵を済ませる。その卵がかえってごく小さな10cm級となるのが、8月下旬頃だ。もっと潮通しがいい海では7月から釣れることもあるが、海水温が25℃を超すと極端に活性が低くなるので、サビキで釣ろうとしても難しい。
だんだんと水温が下がり始めて夏の終わりを迎えると、まず豆々アジサイズが現れる。ここで定義するのならば、アンダー10と呼ばれる、10cm未満のアジだ。そんな小さいサイズをわざわざ釣ってやる必要があるのかと思うかもしれないが、この超小型のアジを釣ることにもそれなりに独特の楽しさがある。

アジがいかにもアジらしい顔つき体つきをしてくるのが豆アジサイズになってから。豆アジはそのまま以前いた豆々アジの群れが大きくなったものと考えていいだろう。ポイントもさして変わらず、同じ場所で釣れたりする。
同じアジでも中アジ以上とは違って極端に釣りにくい魚なので、正しい攻略法を知って臨みたい。
攻略のカギはリグの極小化
豆サイズを釣るうえでどのような点に留意すべきか?二点ある。
まずは、ラインを細くすることだ。
次に、攻略の最大のカギは、リグの極小化にある。きわめて小さなジグヘッド、そしてワームを使う。

参考程度にいえば、#14のジグヘッドと1インチのワーム。ワームはアジの活性次第でもっと小さくしなければならない。アングラーのほうでも視認が効きにくいリグだが、豆の攻略には必須条件だ。
専用ヘッドを2種持とう
付け加えて言えば、極小リグにも、2パターンを持って使い分けたほうがいい。
まずは豆々アジ専用のもので、こちらはハリの懐が非常に狭く、ハリ先が水平方向に開いているか閉じ気味のほうがいい。アジの口にかけるというより、呑ませるような釣り方をする。ヘッドウェイトは0.4~0.8gくらい。これくらいのアジは本当にエサを吸い込む力が弱いので、ウェイト調整が重要となる。

体長15cmほど、豆アジといえるようなサイズになれば、次は豆アジ専用のジグヘッドを用意する。
豆アジングは練習になる
アジングは魚のサイズによってアプローチが異なる、繊細な世界である。そもそもメバルのように棒引きで釣れるような簡単な魚ではなく、リグを漂わせるように釣る「ふわ釣り」という釣り方を習得する必要がある。アジがメインベイトとするプランクトンを模して、だまして釣るのだ。そのためにはリグを極端に動かしすぎてはいけないし、かといってアピール不足だとそれもいけない。結構、難しい。
中アジ以上になるともうちょっと釣りやすくなるが、もっと数を伸ばしたいと思うなら、アジングには練習が必要である。豆々アジ、豆アジというのは、その恰好の相手だ。このへんのサイズを自分の思うままに釣れるようになってくると、アジが大型化してきたときには、楽勝モードとなるかもしれない。
<井上海生/TSURINEWSライター>