釣り仲間の上杉正人さんが、8月3日に65歳の誕生日を迎えたので、「魚好きへのお祝いにはやっぱりめでたいマダイが一番」と思い、8月9日(土)、相模湾城ヶ島にある海上イケス釣堀J'sフィッシングへの釣行を決定。ここは「もし釣れなくても、マダイを1尾お土産としてもらえる」という嬉しいシステムがあるので、どんな状況でも確実にマダイを確保できる。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版APC・奥野忠弘)
海上釣り堀でマダイ狙い
8時前に到着。7月25日に十周年を迎えた、私も大好きな釣り堀。近くの公営駐車場に車を停めて入口に向かうと、毎週のように通うという常連を含め、すでに20人近くの予約者が並んでおり、人気の高さがうかがえる。

午前中は少し厳しそう
前日までの猛暑は落ち着き、快晴微風と絶好の釣り日和。小村匠子社長にあいさつをしてスタッフに近況を聞くと、「数日前までは、魚の活性は高かったのですが、急に水温が上がり、潮が濁ってしまい、今日は潮止まりを挟む時間帯になるので、午前中は少し難しいかもしれません。
ただ、大量に追加放流した大型マダイや、人気のヤンバルスギが釣れていますので、潮の動き次第では、いい釣りができると思いますよ」とのこと。

初心者向けレクチャーが充実
受付で会った親子は、「海釣りはここでしかやったことがありませんが、春に2回来てマダイがたくさん釣れたので、今日も楽しみです」と話してくれた。
夏休み中で、気温も涼しい予報のためか、この日も小さな子どもたちが多数来場、朝からほぼ満員の大盛況。
前述の親子と一緒に並んで、まずは自前のシーバスタックルのPEラインラインの先に、指定のハリス付きハリを結んだだけのシンプルなフカセ釣り仕掛けを用意。練りエサのマダイスペシャル2個とマダイイエロー2個をマーブルにしたものを、しっかりハリ付けして準備万端。
若いスタッフは順番に場内を回りながら、初心者を中心に基本的なエサの付け方や、釣り方、アワセのタイミングなどをレクチャーしている。

47cmマダイ浮上
9時のスタートとともに一斉に仕掛けが投入されると、いきなりあちこちで竿が曲がり、マダイが取り込まれていく。スレ対策が重要な釣り堀では、前日から時間がたった朝一番のサービスタイムを逃さないことが釣果アップのコツ。
私も落とし込み中のエサに1投目からコンッという明確なアタリが出たが、二回連続でアワセが遅れてハリ掛かりせず。
しかし、数投目にガツガツッというアタリに、すかさずアワセを入れるとヒット。強烈な引き込みに大型を確信し、慎重にファイトを楽しみ、スタッフの差し出すネットに収まったのは、47cmマダイ。

大物がヒット
9時半にはたくさんのマダイに加え、「昨年から放流して、その強烈なファイトと、カンパチのような美味しさで大人気です」という、ヤンバルスギが追加放流された。
すると、直後に「今日は生まれて初めての釣りに挑戦しに来ましたが、小さなころから魚が大好きで、将来はさかなクンみたいになりたいです」という、千田悠月くん(小2)の竿が大きく曲がる。あまりの強い引き込みに、海へ引きずりこまれそうになっている。
4.8kgのヤンバルスギを手中
それを見たスタッフがすぐに駆け寄り、一緒に竿を持って優しくサポート。数分間のファイトの末にキャッチされたのは、なんと4.8kgの最大サイズのヤンバルスギ。
これには悠月くん、家族も「初めての釣りの2投目でこんなにすごい大きさの珍しい魚が釣れて、今日はこれだけで来た甲斐がありました!」と大はしゃぎ。

50cm級マダイをキャッチ
その後、潮止まりに近い時間になるとエリア全体でアタリが減ってしまったが、私は「止めて待つだけでは釣れない」と判断し、魚影が濃い桟橋の陰になる部分に仕掛けを投入。
エサがタナに着いたら、竿でゆっくり2mほど上に誘い、またごくゆっくり落とし込む食い渋り時のパターンを試すと、時々弱いアタリが出るようになる。カツッというしっかりしたアタリに即アワセするとヒット。
驚くほど強烈なファイトを楽しませてくれたのは、50cm近い太ったマダイ。さらに、同じパターンで2連釣し、厳しい状況での連続キャッチ。

マダイが好調だった
直後には、隣の御旅屋敦史さんもマダイを取り込み、「ここの釣り場にハマって、月1回通っています。いつもは平均10尾くらい釣れますが、厳しい状況下に釣れると、嬉しさも格別ですね」とニッコリ。
正午直前のラストにも私にマダイがヒットしたので、隣の小学生に竿を渡して、良型の引きを楽しんでもらった。

今後の展望
小村社長の話では、「今が一番暑いので、これから水温が落ち着けば活性は高くなると思います。今後もいい魚をどんどん放流する予定ですので、ぜひまた来てください」とのことだった。
その言葉の通り、この日のトップは、ヤンバルスギ1尾にマダイ6尾とかなり厳しい状況だったが、「翌日(10日)には恵みの雨が降り、水温が下がって魚の活性は上がり、リピーターがヤンバルスギ7尾、マダイ7尾、イサキ1尾と、全体的にも絶好調でした」とのこと。
海上釣り堀は日陰が少なく、水面の照り返しで想像以上に焼ける。汗や水に強い日焼け止めを1本携行し、顔・首・手の甲はこまめに塗り直しておくと安心だ。

J’sフィッシングの特長
ここは、堤防から歩いて渡れて、多くのスタッフが親切に教えてくれるので、船酔いなどもなく小さな子どもにも安心・安全。
また、一般的なすり鉢型のイケスではなく、根掛かりの心配のない桟橋外側へのネットの設置でストレスフリー。
無料の貸竿付きで手ぶらで楽しめ、もし釣れなくても、マダイなどを1尾もらえるので土産は確実。

しかも、釣った魚はしっかりと神経締めして氷詰めまでしてくれ、有料ながら魚捌きもあるなど、初心者や女性にも嬉しいサービスが充実。
もちろん、釣り好きな人には、さまざまな釣法を駆使したパターンフィッシングが堪能でき、釣った魚は持ち帰りもリリースも自由というありがたいルール。
ベテランでも、一度は訪れてみる価値があると思う。夏休みや初秋に城ヶ島の観光を兼ねた小旅行にもおすすめ。
最後に、釣れたマダイは上杉さんにプレゼントしたが、「ただでさえ旨い魚がしっかりと締めてあって絶品だった」と、大変好評だった。

<週刊つりニュース関東版APC・奥野忠弘/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース関東版』2025年8月22日号に掲載された記事を再編集したものになります。