水産庁は2025年9月1日、クロマグロ(大型魚)の遊漁採捕に関する規制強化を発表した。令和7年9月から令和8年3月までの各月の採捕上限を3.0トンと定め、毎月1日から解禁する。

これまでの月上限5.0トンから大幅に引き下げられるもので、短期間で禁止措置が発動する可能性がさらに高まる見通しだ。

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9月から「月3トン」へ上限が変更

新制度では、クロマグロ(大型魚)の採捕上限が各月3.0トンに設定された。毎月1日に解禁されるものの、上限に達した時点でただちに禁止措置が発動される仕組みとなる。従来の5.0トンから制限が厳しくなったことで、釣行可能な期間はさらに短縮される可能性が高い。

【速報】クロマグロ採捕規制が強化!「上限5トン→3トンへ」 9月から翌年3月まで
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採捕されたクロマグロ(提供:TSURINEWS編集部・河野)

背景に6~7月の大幅超過

本年度は6月に12.6トン、7月に12.8トンと、月ごとの上限5.0トンを大幅に超過した。特に100kgを超える大型魚の報告が多く、予想以上のペースで採捕数量が積み上がったことが影響している。8月も解禁からわずか3日で規制がかかり、4カ月連続での早期禁止となった。

資源管理枠の厳守が必要

水産庁は次のように見解を示している。

本年度の6月及び7月は、100kg超の大型魚の報告が多く、予想以上のハイペースで採捕数量が積み上がり、毎月5トンを大幅に上回る12トン以上となりました。

太平洋クロマグロについては、WCPFC(中西部太平洋まぐろ類委員会)で決定した国際的な管理措置に基づき、厳格な数量管理を実施しています。

遊漁については、国の留保枠のうち遊漁分として60トンを割り当てており、この枠を厳守する必要があります。

8月の採捕禁止は、(ア) 残り期間の採捕数量確保、(イ) 北海道・東北・日本海で漁場が見込まれたこと、(ウ) 採捕ペースが6・7月同様に加速すると予想されたことを踏まえ、公示したものです。

(引用:水産庁 クロマグロ遊漁の部屋:令和7年度9月以降の遊漁によるクロマグロの採捕管理について

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ルール比較表(提供:TSURINEWS編集部・藤田)

現場からは批判の声も

一方で、8月は採捕数量が上限の5トンに達する前に全面禁止となったことから、釣り人や関係者の間では不満の声が出ている。

「解禁を待ち望んでいたのに、わずか3日で終わってしまい計画が立てられない」「資源管理の必要性は理解するが、数量に達する前に極端な禁止措置を取られるのは現場を振り回す」といった意見に加え、制度の運用そのものに疑問を呈する声もある。

「月別管理としながら当月の実績を見ずに禁止を決めるのは矛盾している」「現場との協議や相談もなく一方的に決定され、混乱と損失を招いている」といった批判も出ており、資源保護と釣り人・事業者の活動の両立をどう図るかが今後の課題となりそうだ。

釣行者への影響と今後の注意点

規制強化により、9月以降も解禁から数日で採捕禁止となる可能性がある。釣行を予定している遊漁者は、解禁直後に集中する傾向を踏まえた計画が求められる。

また、解禁期間中にクロマグロを釣った場合は、尾叉長の写真、陸揚げ場所、遊漁船名や本人確認書類などを1日以内に報告する義務がある。違反した場合は漁業法に基づき、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があり、十分な注意が必要だ。

釣行計画を立てる際は、水産庁「クロマグロ遊漁の部屋」で最新情報を確認し、ルールを順守して楽しみたい。

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<藤田浩平/TSURINEWS編集部>

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