あの幻の魚、シロアマダイが和歌山にて数釣りできるという情報を入手し釣行。初めは二枚潮で苦戦したが、潮が動いてくるに釣れて食いが立ち、数釣り&初心者も無事本命を捕獲成功したのでその釣行をレポートする。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター高橋凪)
あの幻の魚が大爆釣??
ある時、釣具屋の釣果情報を見ていると目を疑うようなとんでもない記事を見つけた。「シロアマダイがトップ20枚超、船中90枚、全員安打!」え?シロアマダイってあの幻の魚よね???シロアマダイといえば関東で船釣り、特にアマダイ釣りををやられている方ならご存知だと思うが、滅多にお目に掛かれない幻の魚。そして価格もキロ1万はするという高級魚である。
元々関東でアカアマダイを釣っていた自分からして、存在は知っていたが「へぇ~、こんな魚いるんだ~」と一生釣ることがない魚枠に入っていた魚だった。そんな魚が数釣り?しかも全員安打できるなんて今がチャンス!自分も釣ってみたい!!とすぐさま釣行を決断。
彼女釣れで釣行
今回は自分の影響で最近釣りにハマりつつある彼女を連れて釣行。船釣りは初めてだが今回シロアマダイを釣ってもらい、もっと釣りの沼にハマってほしいという魂胆だ。今回は和歌山県和歌山市市堀川出船の「釣船のんちゃん」にお邪魔した。
シロアマダイ釣りの基本
シロアマダイの釣り方は至ってシンプル。カワハギ用などの先調子のロッドにPEライン2号程度を巻く。40cm程の片天秤に市販のアマダイ仕掛けを装着する。この時、片天秤は弓型ではなく、トレート天秤を使用しよう。

船長曰く、弓型天秤は仕掛けが絡まるとのこと。仕掛けはなるべく太めの4号を選ぶようにする。特に50cmクラスが掛かると3号で切られる恐れがあるためだ。
エサ
エサはホタルイカ、アオイソメ、オキアミなど。日によってアタリ餌が変わるため、複数準備するのが良い。ホタルイカは胴と脚を切断し、脚をメインに使っていく。肝に4、5回ハリを刺したあと、目と目の間に突き刺し、ハリ先出したらOK。イソメは頭から刺し、4、5回縫い刺しにしハリ先を出したら完成だ。
釣り方
シロアマダイは砂地に巣穴を作り潜んでエサを待つ魚である。ボトムを取った後、4、5回小突いて砂の煙幕を立たせ、エサをアピールする。小突いた後に50~1m程竿先を上げ5秒程アタリを待つ。基本はこの動作を繰り返す。ボトムを小突くとアマダイが巣穴から出てきて自分の目線よりも少し上のエサを探すため、小突いた後は少しボトムからエサを上げることがポイントだ。
アタリは竿先に明確に出る。少し待ち竿先がグッと入り込んだら合わせを大きく入れる。食い込まない時はアタリが出たら少しずつ上に上げると本アタリが出る時が多いので竿先が引き込まれたら合わせを入れ、一定の速度で巻いてくればOK。
釣船のんちゃんで出船
釣船のんちゃんには4時半に集合し5時過ぎに出船。ポイントは港を出て15分程度で到着、水深25m。
セオリー通り底を小突き、少し上げアタリを待つ。しかし一向にアタリがない。開始直後に常連の方が立て続けに本命を2枚上げたもののその後は誰もアタリすらない状況で船内には不穏な空気が立ち込める。
時合は8時頃からと予想
しかし船長はこれを読んでおり、「8時頃から食い始めると思うのでそれまでガマンして下さい」とアナウンス。実はこの日は二枚潮。朝イチは下の潮が動いていないないためシロアマダイからの反応が乏しかったが、8時頃になると下の潮が動き始めるため、アタリが出始めるだろうと船長は読んでいた。
船長のアナウンスはこのままアタリもなくホゲるのかと思っていた自分に安心感を与えてくれた。船長の言葉を信じて2人で誘い続けた。
42cmシロアマダイ浮上!
沈黙の中、誘い続けること2時間半。ここで後ろで釣っていた釣り人に30cm程の本命が掛かる。これはチャンスではと集中力を研ぎ澄ませて誘っていると私の竿がゴンゴンッ!とアタリが!いきなりのアタリにどこで合わせればよいのか分からなかったためとりあえず待ち、食い込ませる。
そこで船長から「少し竿先上げてみて」とアドバイス。

浮上したのは42cmのシロアマダイ!大きいとは思ったがなんとこの魚がこの日の船中最大魚になってしまった(笑)赤と白の体表にコバルトブルーの輝きが重なっておりその美しい見た目は芸術的だった。
イソメエサで連発
そこから船中ヒットが続出。後ろの釣り人は既に3枚目を釣っており、エサは全てイソメとのことだったので、私も直ぐに2つのハリにイソメをセット。

するとこのエサ変更が功を奏し2枚目の本命をゲット。あの釣れない時間は何だったのかと思うほどの爆釣劇に心が踊る。
彼女に待望のシロアマダイヒット!
皆が本命を手にする中、彼女には一向にアタリが来ない。底取り、誘い、エサの付け方も完璧だったので後はシロアマダイが食ってくるのを待つのみだったが何故かアタリが遠い。そこで2枚目を釣った段階で2つのハリにイソメを付けるようアドバイス。
すると少し経った頃、ふと横を見ると静かに竿を曲げており、ゴンゴンと叩くアタリに本命を確信。上手くやり取りし上がってきたのは本命のシロアマダイ!朝からアタリがない中でも根気強く誘い続け、ようやく訪れた待望の瞬間に笑みが溢れていた。彼女が釣ってくれたことは私が釣った魚よりも嬉しく、彼女のその諦めない姿に脱帽した。これは釣りガールの才能しかないのではないか!?(笑)

その魚を皮切りに彼女はイトヨリも追加。
最終結果
後半は私が1枚追加した後は食い込まないアタリも多く、バラシを連発。前アタリが出ても本アタリを出し、掛けるのが難しいところもゲーム性があり面白かった。追加なく12時に納竿。私が本命3枚、彼女が本命1枚、イトヨリ1匹の釣果を得た。

この日のトップは6枚。なんとその人から2枚をいただいてしまった。船長曰く、この日他の深場に行っていた船は船中5枚と大苦戦を強いられたとのこと。そんな中でも初心者2人に釣らせて下さった船長は流石であり、感謝である。
シロアマダイグルメを堪能
帰宅後は刺身、炙り、ムニエル、あら煮、あら汁、松笠揚げ、干物とシロアマダイのフルコースを作成。どれも甲乙付け難いが選ぶなら特に炙りが絶品だった。皮と身の間に脂があり、身は旨味があり何度でも食べたくなる味わいだった。火を通した料理は勿論、アカアマダイより水分が少ない分、生食にも向いており、どんな料理でも美味しく食べられるところもシロアマダイの魅力だと感じた。

この記事を書いている8月後半も釣船のんちゃんはアマダイ出船中。日によってムラはあるもののトップ14枚、船中49枚の日があるなど良い日に当たれば初心者でも数釣りが楽しめるはず。9月もアマダイ船は出船するので絶品高級魚を釣りに是非訪れてみていただきたい。
<高橋凪/TSURINEWSライター>