8月30日(土)、東京湾奥の船宿からサワラを狙って釣行した。東京湾のサワラは近年、中層からボトムでのヒットが増えている。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版APC・奥野忠弘)
最新東京湾サワラ攻略法
4年前から「高速で巻くだけで釣れる」と一気にメインルアーとなったのがメタルマジック。タングステン製でシルエットが小さく、超高速巻きでも安定した泳ぎのため、現在もほぼ全員がメインにしているほど大流行。近年は各メーカーから同じような超小型シルエットのブレード系が発売されている。

だが、今回の1尾をはじめ、一日6尾を2回などと昨年の好釣果に貢献しているのは、鉛製40~60gのヘビーウェイトで、少しシルエットが大きいブレードジグ。
その理由は、3年前までは東京湾の全域でサワラのハネやナブラが見られ、その群れに急行してミノーやブレード系ジグの表層速巻きで釣れるシーンが多かった。だが、なぜか近年はほぼそのシーンが見られず、魚探で確認しても、イワシなどのベイトを表層に追い詰めて食べる習性から底や中層で捕食するように変化しているように感じている。
こうなると、「いかに遠くに投げて、いかに宙層から下のバイトゾーンで長くアピールできるか」がカギとなるので、これまでメインとしていた30~40gより、さらに重い50~60gのほうが有効だろう。
さらに、現在は4cmほどのマイクロベイトだが、今後のメインベイトのイワシが7~10cmと大きくなっていくことから、この重さと大きさのルアーがキモとなっているとも考えられる。
木更津沖で実釣
この日集まったのは、「昨年初めてチャレンジしましたが本命に会えなかったので、今日はリベンジしたいと思います」という寺田剛さん、「今季初のサワラにワクワクして眠れませんでした」というベテランの南雫州さんと種市康臣さん。
そして、「上司の種市さんに連れてきてもらいましたが、経験がないので心配です」と話す中山冴香さんと私の5人。
7時20分、木更津沖に到着。当日は今夏一番の気温と無風の予報、朝から汗がにじむ。
船長は「水深17mです。ベイト反応は底から10mまでバッチリ出ているので、40~60g前後のブレードジグを底まで沈め、高速巻きでやってみてください」とのアナウンスでスタート。
私は初挑戦の中山さんに竿の持ち方やアンダースローでのフルキャスト方法をレクチャー。さらに、「ルアーをなるべく遠くへ飛ばしてしっかり底まで沈め、着底したらリールが壊れるくらいの速巻きを続けることがアタリを出すコツ」と伝える。
超高速巻きで探る
その後、最近実績の高い鉛製40gのブレードジグをフルキャスト。着底後、この釣りの定番の超高速巻きで様子を見る。
しかし、ここではアタリなく、船長は「一昨日釣れたポイントまで移動します」と、船を走らせて水深20mで再スタート。
南雫さんが目の前で跳ねたサワラにミノーを投げてヒットさせたが、残念ながらフックアウト。続いて、私の投げたジグに魚がヒットしたが、こちらはこの釣り定番ゲストの40cm級エソ。
この釣りの鬼門となる、ベタナギのピーカンに潮止まりと悪条件が重なったが、船長は懸命にランガンしてくれるので、乗船者全員が汗だくになりながらリールを巻くスピードを緩めない。
やがて、下げ潮がトロリと効き始めたタイミングで、試しで竿を出していた船長に本命がヒット。だが、これもネットイン寸前にバレてしまった。
75cm本命登場
さらに潮が動くと南雫さんの竿が曲がり、良型タチウオをゲット。フィッシュイーターの活性は悪くないと思い、集中して同じパターンを試していると、暑いなか頑張ってルアーを投げ続けていた中山さんの竿が根元から大きく曲がる。

「ポンピングしないで、引きが止まったら巻けるだけ巻いて」とアドバイス。船長の差し出すネットに収まったのは75cmの本命。人生初のサワラを手に、「こんなに引く魚は初めて。これはみなさんハマるのもわかりますね」と大喜び。続いて南雫さんに同サイズがヒットしたがバラシに泣く。
「チャンスタイム」と思い、着底後全力の速巻きを実践すると、10回転ほどしたところで、巻いているリールがガツンと止められるアタリが出て、そのまま巻きアワセ。
極太サワラ続々ヒット
タチウオならギュンギュンとバックする感じの引きだが、この魚はヒットした瞬間に反転。5mほどドラグを出して走ったのでサワラと確信。

重いジグでヒットすると約半数はバレてしまうので、テンションを保ちながらていねいなやりとりを心がけ、船長の差し出すネットに収まったのは今季初の77cmの極太。
船長が、「また釣れそうな反応になってきましたよ」と言った瞬間、ミヨシから「やっときた~」という声が聞こえ、寺田さんが73cmを取り込む。「リベンジできてよかった」と満面の笑み。

同じく2回のバラシにも諦めず高速巻きをしていた南雫さんも、ラストに今季1尾目となるサワラをキャッチ。
<週刊つりニュース関東版APC・奥野忠弘/TSURINEWS編>